1991年10 月に日本で劇場公開され高い評価を受けたのち、翌92年の第64回アカデミー賞脚本賞を受賞した名作映画が、この度4K レストア版として蘇り、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開することが決定した。併せて、カンヌ国際映画祭特別ビジュアルも解禁となった。
33年を経て、より輝きを増して走り出す2 人の姿
女性2人の冒険と友情を描き‟90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ“と評されたリドリー・スコット監督渾身のロード・ムービー。1992年、第64回アカデミー賞で6部門にノミネートされ脚本賞を受賞。女性の自立を描いた画期的な作品として世界中から評価され続け、その存在感は年々増し続けている。
2016年には、半永久に保存する価値のある作品が選ばれるアメリカ国立フィルム登録簿に登録されるなど、後世に残すべき作品となった。性的被害を受けた女性の自由というテーマや、友情か愛情かで議論が巻き起こった親友2 人のラストシーンなど時代を先取りした映画だったと言え、今なお輝き続けるシスターフッド映画の金字塔である。
また、今ではブラッド・ピットの出世作としても知られており、本作で演じたJ.D. 役で出演時間が短いながらも強烈な印象を残し、ここから一気にスターダムに上り詰めた。 コロラド川とキャニオンランズ国立公園を眼下に眺めるデッド・ホース・ポイントの壮大な風景美に彩られたドラマは、公開から30 年経った今も全く色褪せない。今回、リドリー・スコット監督の監修のもとオリジナルネガからの4K レストアが実現した。
監督は『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)など、ハリウッドで大ヒット作を連発し、最新作『ナポレオン』( が明日、日本劇場公開となるリドリー・スコット。
音楽プロデューサーだったカーリー・クーリが書いた本作の脚本を読み、気に入って映画化権を購入。当初はプロデューサーとして関わっていたが、何人もの監督に断られるうちに、当初テルマ役のキャスティングに上がっていたミシェル・ファイファーのアドバイスにより、監督も担当することになった。
この度解禁するカンヌ映画祭ビジュアルは、映画のラストシーンでコロラド川を望むデッド・ホース・ポイントを疾走するテルマとルイーズを載せた1966年型サンダーバードを夕景の中に捉えたもの。
被写体の後ろから光を当てるバックライトは「映像の魔術師」の異名を誇るリドリー・スコットの特徴的な撮影手法の一つで、コントラストの強い映像美を作り出している。今回の記念ビジュアルはそれを意識して制作された。
『テルマ&ルイーズ』はカンヌ国際映画祭との関係が深く、1991 年5 月24 日の全米公開に先駆けて、5月20日に第44回カンヌ国際映画祭でクロージング作品として上映され大きな話題を呼んだ。
その後、2016年の第69回同映画祭では、公開から25年を記念した上映が行われ、スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスが登場。映画産業における女性の影響力を高めることに大きく貢献したことを称えられ「ウーマン・イン・モーション」賞が贈られた。
これは、映画界のすべての女性に光を当てて、男女間の不平等や女性の地位向上を目指すプログラムとして2015年から始まっている。今では世界的なフェミニズム・ムーブメントの流れの中で重要な意味を持つ賞となった。そして、2023年5月に開催された第76回同映画祭で発表されたのが、このビジュアルだ。
合わせて解禁となった場面写真は、週末のドライブ旅行に出かける直前に、ツーショットを撮るテルマとルイーズを捉えたもの。公開当時も、この場面を捉えた写真が多く露出し、当時の観客に強い印象を残した。
STORY
平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は週末のドライブ旅行に出発した。その途中、立ち寄った店の駐車場でテルマが男に襲われるという事件が発生。
テルマがレイプされそうになった寸前、助けに入ったルイーズが護身用の拳銃で男を射殺。ルイーズにはかつて、レイプの被害を受けたトラウマがあった。次から次へとトラブルが重なり、警察に指名手配された2人は、車でメキシコを目指し逃避行を続けるうちに、自分らしく生きることに目覚めていく……。
『テルマ&ルイーズ 4K 』
2024年2月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督・製作:リドリー・スコット
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット
配給:アンプラグド
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