放送開始25周年を迎える「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)を筆頭に、ドラマや映画の登場人物たちが着用していたアイコニックなファッションがトレンドを牽引していた2000年代。現在、Z世代の間で爆発的に人気のあるY2Kファッションには、当時の人気ドラマから生まれたトレンドが多く取り入れられているようです。(文・清藤秀人/デジタル編集・スクリーン編集部)
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Y2Kって何?

Y2KとはY=Year、2K=2000年(Kは1000を表す)の略語。

2000年頃にハリウッドのファッションリーダーたちが愛した、クロップド丈のトップスやローライズのボトムズ、ミニスカート、ショートパンツに代表されるカラフルなアイテムとコーデを指す。

その後、K-POPのガールズユニット、BLACKPINKがMVの衣装として取り入れたことで日本のZ世代にも定着。長く続いたコロナ渦から解放された今、Y2Kのカラフルで自由な着こなしが流行るのは必然的だったのかもしれない。

Y 2 Kブームに火をつけた「セックス・アンド・ザ・シティ」

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思い起こせば2000年代。Y2Kブームに火を付けたのが当時人気のTVドラマだったことは確か。中でも、今年で放送開始25周年を迎える「セックス・アンド・ザ・シティ」でサラ・ジェシカ・パーカーが演じるキャリーのワードローブは、やっぱり無視できない。

クロップドトップ×ウエストバッグ、タウンウェアに落とし込んだパステルカラーのチュチュたち、ファーコート×ブーツ、ブラの上にキャミソールのレイヤード、コート×スニーカー等は、今見てもワクワクするほど。

衣装コーディネーターのパトリシア・フィールドがヒロインたちのために世界中からかき集めたヴィンテージ服(ブランド服と合わせて1000着以上とも言われている)も、Y2Kのセンスとどこかでリンクしている。「SATC」をスルーしてY2Kは語れない。

画像: 「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998-2004) Photo by Getty Images

「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998-2004)

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その他のドラマで言うと「ドーソンズ・クリーク」でケイティ・ホームズが演じるジョーイがシグネチャーにしていたチェックのトップ×ハイウエストデニム×スニーカー、赤いタンクトップ×デニム×ブーツ、ローライズデニム×プチベルト、

画像: 「ドーソンズ・クリーク」(1998-2003) Photo by Getty Images

「ドーソンズ・クリーク」(1998-2003)

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「ギルモア・ガールズ」でアレクシス・ブレデル扮するローリーが心地良さそうに着ていた、Tシャツの上に袖長めのニットを合わせたレイヤードや、ムートンの下にカットオフのスカート、足元の編み上げブーツも、ドラマ発信の人気アイテム。

画像: 「ギルモア・ガールズ」(2000-2007) Photo by Getty Images

「ギルモア・ガールズ」(2000-2007)

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「The OC」のヒロインミーシャ・バートンの着こなしからベストセラー商品も

1990年代を代表するホームコメディ「フレンズ」も今に繋がるトレンドの宝庫だった。

画像: 「フレンズ」(1994-2004) Photo by Getty Images

「フレンズ」(1994-2004)

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ジェニファー・アニストン演じるレイチェルが流行らせたミニスカ×タイツ、もしくはレザーブーツ、またはNBAニューヨーク・ニックスのチーム名とロゴがプリントされたクルーネックのスウェットシャツ、コートニー・コックス扮するモニカと言えば、ラップドレス×レザーブーツ、リサ・グドローのコメディエンヌぶり炸裂のフィービーが愛するビビッドカラーのファーコートや底がフラットのブーツ、そして、ヴィンテージのバービーのようにも見えるピンクと白のシフトドレス等。

さらに他には、「リジー&Lizzie」でヒラリー・ダフがチャレンジしたオールメタル素材でまとめたトップ×ジャケット×ローライズの攻めたコーデ、「The OC」でヒロインのミーシャ・バートンがさりげなく着こなす、カラフルなビキニ、デニムのミニ、コットンのキャミソールorロックバンドT×ローライズデニム(あえてベルトなしとかも)は、ドラマの影響でベストセラー商品に。

画像: 「The OC」(2003-2007) Photo by Getty Images

「The OC」(2003-2007)

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当時のミーシャはプライベートスナップが雑誌に掲載されると、愛用の品が即ブームになるほどのトレンドセッターだったし、人気ブランドのイメージモデルを数多く務める一方で、自らのバッグ・コレクションを発表。

今に繋がるヒットアイテムを立て続けに発信した「ゴシップガール」

そしてまた、「ワン・トゥリー・ヒル」でヒラリー・バートン扮するペイトンが着ていたロックバンド、ラモーンズのTシャツ×茶色のレザージャケットのコーデ、「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」でマイリー・サイラスがトライしたクロップド・ボンバージャケットやゼブラ柄のフリル付きミニスカ、または、白Tの上にスパンコール付きベスト×ビンクのジャケット×ローライズデニムは、自由奔放な時代の空気感をあからさまに象徴していた。

画像: 「シークレット・アイドル ハンナモンタナ」(2006-2011) Photo by Getty Images

「シークレット・アイドル ハンナモンタナ」(2006-2011)

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「ゴシップガール」はどうだろう。今から16年前に放送されたこのハイスクール群像劇は、今に繋がるヒットアイテムを立て続けに発信。

画像: 「ゴシップ・ガール」(2007-2012) Photo by Getty Images

「ゴシップ・ガール」(2007-2012)

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例えばそれは、各キャラクターが楽しそうに着こなす、ニットカーディガン、ニーハイブーツ、クロップドレザージャケット、チェックのミニスカート、ハイヒール、そして、キャンパスで頻繁に見かける緩めに絞めた制服のネクタイや、これが制服?と笑ってしまう程のパフスリーブのブラウスに各自思い思いのウエストベルト、そして、丁寧にブローされたヘアを飾るヘッドアクセサリーまで、実に多種多様。

衣装に関して学園ものの常識を覆す自由で大胆なアイディアが満載だった。

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