2023年3月に第1回が開催され、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、世界で大きな反響を呼んだ「新潟国際アニメーション映画祭」の第2回が2024年3月15日より開催される。

2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出 

この度第2回映画祭の長編コンペティション部門のノミネート作品が決定。既報の通り、世界的アニメーションスタジオ、カートゥーン・サルーンのノラ・トゥーミー氏が審査委員長を務める今回のコンペには、世界29の国と地域から昨年の2.5倍となる49作品が集まった。選定委員は、矢田部吉彦氏(前東京国際映画祭シニアディレクター)、藤津亮太氏(アニメ評論家)、須川亜紀子氏(横浜国立大学教授/日本アニメーション学会会長)、矢野ほなみ氏(アニメーション監督)の4名のスペシャリストたちによる厳しい審査をへて、珠玉の12作品が決定した。

<第2回新潟国際アニメーション映画祭 長編コンペティション部門ノミネート作品>

画像1: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『深海からの奇妙な魚』
原題:Bizarros Peixes das Fossas Abissais
監督:マルセロ・マラオン(ブラジル)
変わった超能力を持つ女性、強迫性障害のカメ、雨漏りする雲が、深海への不思議な旅に出る。

画像2: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『コヨーテの4つの魂』
原題:Kojot négy lelke
監督:アーロン・ガウダー(ハンガリー)
舞台は現代。反対派は、彼らの祖先の土地から丘を下ったところにある石油パイプライン・プロジェクトの乗組員と対峙する。ネイティブ・アメリカンの創造神話に基づく壮大な冒険。

画像3: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『ケンスケの王国』
原題:Kensuke's Kingdom
監督:ニール・ボイル、カーク・ヘンドリー(イギリス)
少年マイケルとその家族は、思い出づくりの船旅に。しかし激しい嵐が吹き荒れ、マイケルと愛犬ステラは離島に打ち上げられる。第2次世界大戦以来この島で密かに暮らしてきた謎めいた日本人ケンスケを見つけるが・・・

画像: ©塚原重義/クラガリ映畫協會

©塚原重義/クラガリ映畫協會

『クラユカバ』
英題:KURAYUKABA
監督:塚原重義(日本)
今、世間を惑わす“集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する! 目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る“不気味な轍”の正体とは…。手がかりを求め、探偵は街の地下領域“クラガリ”へと潜り込む。

画像: ⓒ新見伏製鐵保存会

ⓒ新見伏製鐵保存会

『アリスとテレスのまぼろし工場』
英題:maboroshi
監督:岡田麿里(日本)
製鉄所の爆発事故により出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす14歳の正宗。ある日、気になる存在の謎めいた同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは言葉の話せない、野生の狼のような少女・五実――。二人の少女とのこの出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。

画像4: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『マントラ・ウォーリアー ~8つの月の伝説~』
原題:นักรบมนตรา: ตำนานแปดดวงจันทร์
監督:ヴィーラパトラ・ジナナビン(タイ)
500年ごとに、神聖な力を持つ女性が生まれる。彼女はすべてのものを創造または破壊する力を持っていた。ヴァナラの8つの月が整列するとき、キング・トッダサカンはこの奇術の力を求め、宇宙の運命をかけるーー

画像5: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『マーズ・エクスプレス』
原題:Mars Express
監督:ジェレミー・ペラン(フランス)
舞台は近未来。私立探偵アライン・ルビーとアンドロイドのパートナーは、悪名高いハッカーを追跡するために裕福な実業家に雇われた。 彼らは火星で、この惑星の首都の地下深くに潜入する。そこで彼らが見たものは・・・

画像6: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『オン・ザ・ブリッジ』
原題:Sur le Pont
監督:サム&フレッド・ギヨーム(スイス、フランス)
天と地を結ぶ吊り橋へと向かう不思議な列車に乗り込んだ男女。ある者は自分がなぜここにいるのかを理解しようとし、ある者は希望と恐怖について語り、ある者は地上の思い出を語る。

画像7: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『スルタナの夢』
原題:Sultana's Dream
監督:イザベル・エルゲラ(スペイン)
インドに住むスペイン人画家のイネスは、1905年にロケヤ・ホサインが書いたSF小説『スルタナの夢』を偶然目にする。女性が国を支配し、男性は隠遁して家事を担当するユートピア、レディランドが描かれていた。イネスはこの物語に魅せられ、女性が平和に暮らせる場所を探す旅に出る。

画像8: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『インベンター』
原題:The Inventor
監督:ジム・カポビアンコ、ピエール=リュック・グランジョン(アメリカ)
"飽くなき好奇心と強気な発明家レオナルド・ダ・ヴィンチはイタリアを離れ、フランスの宮廷に入る。空を飛ぶ仕掛けや驚くべき機械を発明したり、人体を研究したりと、束縛されない日々。大胆な王女マルグリットと共に冒険を繰り広げながら、レオナルドは究極の問いへの答えを発見する

画像9: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『アザー・シェイプ』
原題:La otra forma
監督:ディエゴ・フェリペ・グスマン(コロンビア)
疑う奴はスクエアパラダイスに入るな!近未来、人類は月面に楽園を築いた。この場所に入るには、文字通り頭が四角でなければならない。正方形になるか、それとも自分の中にある真の形を解き放つかというジレンマに直面する・・・

画像10: 2023年の2.5倍となる応募作品の中から、珠玉の12作品が選出

『アダムが変わるとき』
原題:When Adam changes
監督:ジョエル・ヴォードロイユ(カナダ)
周りの人たちからの嘲笑や否定的な発言で、身体が変化するという奇妙な特異性を持つティーンエイジャー、アダム、15歳。変化に変化を重ね、ただでさえ複雑な彼の人生はどんどん複雑になっていく!

プログラム・ディレクター:数土直志氏コメント

第2回となる新潟国際ア二メーション映画祭のコンペティション部門ラインナップが決定しました。前回の約2.5倍になる49作品ものエントリーがありました。世界29ヵ国・地域から応募され、それはアジアから南北アメリカ、ヨーロッパ、それに中近東、アフリカにまでに及びます。
エントリー作品は文化面だけでなく、制作手法や表現方法などで前回以上に多様な作品が並びました。従来のアニメーションの概念には収まらない作品もみられ、「アニメーションとは何か」を巡って選考委員の間で熱い議論が交わされる場面もありました。
本映画祭のコンペティションは長編作品に特化しており、そのなかで総合的な映画としての完成度の高さを選考の重要な判断基準としました。「優れた映像」「優れた物語」「多様性の実現」です。
しかし、コンペティションでは前回の10作品よりも多い12作品をセレクションしましたが、ここに入れ切れず涙を呑んだ作品も少なくありません。
今回のコンペティション作品は選び抜かれた、映画祭が自信を持って届けるものです。新潟で作品を観ていてければ、きっと世界のアニメーションの今が体験できるはずです。

■国際映画祭の舞台となる新潟市とは
19世紀、海外への窓口となる世界港をもつ新潟は、江戸を凌ぐ国際的な商業都市でした。また新潟は、多くの著名なマンガ家、アニメ・クリエーターを輩出し、2012年から10年間、「マンガとアニメを活用した街づくり構想」を実施、継続的なイベントとして「にいがたアニメ・マンガフェスティバル」(来場者約5万人)、1996年から全国対象で「にいがたマンガ大賞」も実施。また、「新潟市マンガ・アニメ情報館」や蔵書1万冊を誇るマンガ図書館「新潟市マンガの家」を運営、マンガ家志望者のための家賃補助施設「トキワ荘」、そしてマンガ雑誌編集部と結んだ無料「ON LINE添削」を実施するなど、日本有数の熱烈なアニメ・マンガ都市でもあります。そして──21世紀、本映画祭に集結したエネルギーを、グローバル・アニメーションの創造へのマグマとし、新潟は世界のアニメーションの首都を目指します。

■新潟アニメーション首都宣言
新潟はアニメーションやマンガ関連に従事する人々を約3,000名以上排出している、日本有数のアニメ都市です。世界に向けてアニメーションやマンガという日本特有の文化を発信していく拠点となる新潟が、世界のアニメーション作品が交差する文化と産業のハブとして発展していくことを目指すアジア最大規模の「新潟国際アニメーション映画祭」第2回の展開にぜひともご注目ください。

主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会

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