『繕い裁つ⼈』『幼な⼦われらに⽣まれ』『Red』など多くの作品を⼿掛け、国内外で⾼い評価を受ける三島有紀⼦監督の⻑編 10 作⽬となる最新作『⼀⽉の声に歓びを刻め』が公開中。三島監督⾃⾝が47年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフに⾃主映画からスタートしたオリジナル企画。⼋丈島の雄⼤な海と⼤地、⼤阪・堂島のエネルギッシュな街と⼈々、北海道・洞爺湖の幻想的な雪の世界を背景に、3 つの罪と⽅⾈をテーマに、⼈間たちの“⽣”を圧倒的な映像美で描いていく。
画像: 『一月の声に歓びを刻め』前田敦子・三島有紀子インタビュー youtu.be

『一月の声に歓びを刻め』前田敦子・三島有紀子インタビュー

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前⽥敦⼦と三島有紀⼦監督のインタビュー映像より

「まっすぐに⼀緒にやりませんかと⾔ってくださいました。でもすぐに『はい』と⾔える役じゃないなと思って。噛み砕く作業を⾃分の中でやりつつ、(⼀⽅で)監督は『待ってます』と変わらずにいてくださったので、⾶びついたら監督がスッと連れていってくれるかなという期待も込めて、やっとお受けできました」と恐縮しつつ苦笑する前⽥。

「脚本の中に監督の伝えたい気持ちがすごく詰まっていたので、でもセリフで語らないシーンが全体的に多くて。撮影現場に⾏った時に感じられる余⽩がたくさんあるだろうな」と脚本を読んでいる時から思っていたという前⽥だが、現場では「監督がすごい隣りに、⽬の前にいてくれたので、今回の役は(俳優の)みんなそれぞれすごい助かったと思います。寄り添ってくれる存在がなかったら⾟かった」と感謝の気持ちを語ると、三島監督は「(今までも俳優たちに)『近い︕近い︕』といつも(嫌がるように)⾔われる。それくらい(撮影の時は)近くで⾒ているので(笑)」と告⽩して笑いを誘った。

三島監督⾃⾝が 6 歳の時に性被害に遭った実際の現場での撮影について前⽥は「お芝居だけど、お芝居のようにセリフを⾔いたくないなという難しい駆け引きがあったかもしれないです。監督だけを意識していました。⼀緒に(監督と)しゃべっているみたいになれたらいいなと思って。他は⾒ないようにしていました」と語ると、その撮影現場を思い出したかのように深いため息まじりに「難しかったです…」と⽬を潤ませながら当時の⼼境を打ち明けた。

凍てつく北海道・洞爺湖や、雄⼤な海と⼤地に吹き荒ぶ強⾵の⼋丈島、エネルギッシュな⼤阪・堂島で撮り上げた本作。完成した本編を観た前⽥は「冒頭からふわっと広い世界に⼊っていく感じが気持ちいいなと思って。(主⼈公たちが)罪の意識を抱えていても、どんどん積み重なって重たくなっていくわけではなくて、みんなが少しずつ何かを解放していくのを(⾃分も)⼀緒に⾒ながら、『最後に⾃分がこういう⾵に思えるということはこうなんだ』と⾃分⾃⾝を整理できる、“⼈⽣の映画”だなと思いました」と語ると、三島監督は「ふつうは遠く離れた声は聞こえない。だけどどこかの誰かにこの声が届いているのかもしれないと信じて三箇所で撮影した思いがありました」と創作の原点のひとつを教えてくれた。

公開されるや多くの“声”が上がっている本作。「俳優たちの存在感に圧倒される」「⾒たことのない前⽥敦⼦が観られる」といった演技を絶賛するものから、「⾃分と重なる部分がある」「じわじわ沁みてくる」「勇気をもらえる」など共感の“声”も続々と寄せられている。
『⼀⽉の声に歓びを刻め』 テアトル新宿ほか全国公開中!
配給︓東京テアトル © bouquet garni films

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