撮影：阿部章仁

「逆境を乗り越えた大女優高峰秀子の美学」が本日3月28日より開幕！内覧会に斎藤明美氏＆名取裕子氏が登場

2024-03-28

J・M @ SCREEN

高峰秀子

昭和の映画史、日本映画史に輝かしい足跡を残した女優・高峰秀子。本年2024年は彼女の生誕100年の節目となる。それを記念して本年から来年2025年初頭にかけて上映会や講演会、さまざまな展示会、展覧会などのイベントが企画されている。本日3月28日（木）からは、プロジェクト上半期のメインイベントと言える、生誕１００年記念東京タワー大特別展「逆境を乗り越えた大女優高峰秀子の美学」が開幕。前日となる3月27日（水）にメディアや関係者を集めた内覧会が行われた。

「これ以上のことはできない、最初で最後の機会になっています」

内覧会の会場には、プロジェクトのサポーターで女優の名取裕子氏と、養女であり文筆家の斎藤明美氏が高峰秀子の愛車ジャガーで登場。二人はまず写真撮影に応じると、続いて会場内のさまざまな展示物や映像を、斎藤氏の解説を交えながらひとつひとつ観覧した。

画像: （左から）斎藤明美氏、名取裕子氏／撮影：阿部章仁 — （左から）斎藤明美氏、名取裕子氏／撮影：阿部章仁

けして綺麗ごとだけではなかった彼女の生い立ちが年齢ごとにまとめられ、そのときの彼女の心情などを本人の著作から抜き出して掲出している壁面パネル。出演作のダイジェスト映像や、骨董品好きとしても名高かった愛蔵品や実際に彼女が使用していた名作映画の台本の数々、そこにいたずら書きのように書かれたイラストも見ることができる。

奥には自宅居間の一部を再現したコーナーや彼女が愛用したバッグや家財道具などが展示されており、斎藤氏からの解説をひとつひとつ聞きながら、名取氏も大いに感銘を受けた様子。

この大特別展では、戦前から戦後中期まで実力派トップスターとして活躍した高峰秀子という映画人の足跡や、女性として、人として彼女が何を大事にし、どのような人生哲学、職業哲学を持って幼少期からの波乱万丈な人生を生きたかを、生々しく読み取ることができる。

女優として数々の受賞歴を誇った大人気実力派女優という輝かしい側面の一方で、人前に出ることが実際は苦手であり、俳優業から逃げ出したいという本心との葛藤。就学さえ叶わなかったほどの多忙さと、それだけ俳優仕事をこなさなければならなかった家族からの壮絶な搾取。それでも逆境から逃げることなく乗り越え、目指したい人生に向かって毅然と自身の哲学を貫いた彼女の生き方や感性はからは学ぶところが多そうだ。

人生のモットーを問われ、「潔さ」と答えたという高峰秀子。映画史に刻まれる彼女の偉大な功績に触れられると共に、彼女の全生涯と、数多くの名だたる文化人、著名人に愛された稀有な人物像に迫ることのできる東京タワー大特別展「逆境を乗り越えた大女優高峰秀子の美学」は、５月６日（月・休）まで東京タワー1F RED°TOKYO TOWER特別会場にて開催している。

7

画像1: 「逆境を乗り越えた大女優高峰秀子の美学」が本日3月28日より開幕！内覧会に斎藤明美氏＆名取裕子氏が登場

内覧会後のコメント

斎藤明美（松山善三・高峰秀子養女、文筆家）

本日3月27日は高峰の誕生日で、今年が生誕100年にあたります。今回の東京タワーでの展示会をはじめ、様々な催しを行ったり、本を出したりという記念の年に、できれば若い方にも高峰を知っていただきたく、生前の高峰に会ったことがある貴重な存在の名取さんにもご協力いただきました。
この会場では高峰のダークな面、様々に苦労した面も描きつつ、最後には幸せに過ごした高峰の全生涯を描いています。これ以上のことはできない、最初で最後の機会になっています。家にあった家具なども沢山展示しているので、大勢の方に来ていただければと思います。

名取裕子 （女優・サポーター）

高峰さんは、本当に素晴らしい映画作品の数々や著書も残されています。女優としてこれだけ実績のあるお仕事をされながら、人としての素晴らしさも伝わってくる方です。小さい頃学校に通う機会にさえ恵まれなかった中で、周りの方々からたくさんのことを吸収して自分の感性を磨き上げ、本質を見極める力をつけ、それを自分なりのスタイルとして貫ける美意識・生きざまはお見事です。
こんなにも素晴らしく、有り余るほどの宝を私たちに残して下さった稀有な方が日本にいて、苦労を乗り越えてこんな花を咲かせて幸せになられたことは、今の難しい時代にも希望を与えてくれるかなと思いますので、ぜひ多くの方にご覧いただけたらと思います。

生誕100 年記念東京タワー大特別展
「逆境を乗り越えた大女優高峰秀子の美学」