可憐な少女が恋人の望むスタイルへ
今回、解禁となったシーンは、プリシラが大邸宅グレースランドでエルヴィスと暮らすようになり、ライフスタイルもファッションも彼の望みどおりに変わっていく様子が垣間見られる場面。
ドレスを選んだあと、エルヴィスはプリシラに「黒髪にして、アイメイクはもっと濃く」と伝える。プリシラは笑顔でうなずき、髪を黒に染めてカールし、高く盛ったヘアスタイル、濃いアイメイクを施し、可憐な少女が恋人の望むスタイルへと変身を遂げる。
ソフィア・コッポラ監督作品といえば、音楽も物語を彩る重要な要素だが、本作の音楽は、監督の夫トーマス・マーズのポップロックバンド、フェニックスが担当。
このシーンを印象的にみせるのが米ボルチモアのエレクトロニック・アーティスト、ダン・ディーコンの曲「The Crystal Cat」。このほかにも、プリシラのテーマ曲となったフランキー・アヴァロン「ヴィーナス」や、ラモーンズの「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」、スペクトラムなど、当時の曲や最新の音楽も使いながら、スタイリッシュな世界観を作り上げた。時代を反映し、プリシラの変化にも寄りそう劇中ファッションとヘアメイク、そして音楽にも注目だ。
ファッション、ヘアメイクなど各分野のエキスパートのコメントが到着
公開に先駆けて本作を鑑賞した、小泉智貴 TOMO KOIZUMI (デザイナー)、MEGUMI(俳優・プロデューサー)、中里唯馬 (ファッションデザイナー)、中野香織(服飾史家)、北村道子(スタイリスト、衣裳デザイナー)、山本浩未(ヘア&メイクアップアーティスト)、立田敦子(映画評論家)、東紗友美(映画ソムリエ)よりコメントが到着。(敬称略、順不同)
ファッション、ヘアメイクなど各分野のエキスパートも、ソフィア・コッポラ監督が描く本作の世界観に魅了されている。
なんとなく知った気になっていたプリシラのストーリー。
ソフィアのフィルターを通して観る誰もが夢みる展開は、ファッションやメイクなどあらゆるディテールへのこだわりで悪夢の場面ですら甘く美しい。
変わりゆく時代とともに変わっていくプリシラの姿に、現代を生きぬく力をもらった。
小泉智貴 TOMO KOIZUMI (デザイナー)
世界中の女性の憧れの存在であったプリシラが、実は、私達と同じような悩みや痛みを抱えていた事に驚きました。
変化していくプリシラに、いつのまにか自分を重ね合わせ、ビターな経験が人を豊かにしていくのだと勇気をもらいました。
ソフィア・コッポラさんの世界は相変わらず可愛いが詰まっていて本当に大好きです。
MEGUMI(俳優・プロデューサー)
誰もが憧れるロマンスの裏側には、移ろうプリシラの生々しい内面が美しくも儚く描かれる。
この映画は、私たちに自らの人生を生きるとは何かを問いかける。
中里唯馬 (ファッションデザイナー)
50年代の女学生服から60年代のビーハイブ黒髪とキャッツアイのポップクイーンスタイルを経て
70年代の軽やかなプリント柄とデニムへ。
14歳から27歳までのプリシラの変貌と心の揺れがファッションを通して繊細に切なく映し出される。
中野香織(服飾史家)
新人女優はソフィア・コッポラによって「映画」に出会う。
『プリシラ』、この作品は1人の女優の成長映画かもしれない。
北村道子(スタイリスト、衣裳デザイナー)
お伽話からアイライン、そして本当の自分へ。
少女の夢の先の物語
山本浩未(ヘア&メイクアップアーティスト)
“愛している”だけでは続けられない。
結婚における男と女の差異真理を鮮やかに切り取る
ソフィア・コッポラ版“マリッジ・ストーリー” スポットライトの影に佇む女性に寄り添い、
の葛藤に共鳴するたおやかなまなざしに心を動かされる。
立田敦子(映画評論家)
きらびやかな世界の中で際立つプリシラの孤独。
空っぽのまま過ぎていくスターとの恋の真実、その稀有な時間を追体験する。
でもこれは夢物語じゃない。
女が孤独と引き換えにタフな精神を手に入れる。
誰しもに訪れるサナギから蝶になる過程を、
60年代の空気と共にソフィアは美しく描き切った。
東紗友美(映画ソムリエ)
『プリシラ』
4月12日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:ギャガ
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