<アイルランド映画祭>は駐日アイルランド大使館がアイルランド外務省、アイルランド政府観光庁、 バスカー アイリッシュウイスキー、エイラシステムの支援を受けて主催する。開催2回目の今年はジョイス、ベケットら20世紀を代表する作家の関連作からドキュメンタリーまで、日本初公開3作品を含め、アイルランドの魅力がたっぷり詰まった全8作品が上映される。
『まずは踊れ』Dance First
不条理劇「ゴドーを待ちながら」などで知られるアイルランドの作家サミュエル・ベケット。彼の波乱に満ちた生涯を 端正なモノクロ映像で幻想的に映画化。ダブリンでの子供時代、レジスタンス活動に身を投じた戦時期、妻シュザンヌやジェイムズ・ジョイスとの出会いなど、ノーベル文学賞作家の光と影を丹念に見つめる。ベケットの後半生 を『ユージュアル・サスペクツ』(95)のガブリエル・バーン、若かりし頃を『恋人はアンバー』(20)のフィン・オシェイと いうふたりのアイルランド人俳優が演じる。監督は『博士と彼女のセオリー』(14)のジェームズ・マーシュ。
監督:ジェームズ・マーシュ
出演:ガブリエル・バーン、フィン・オシェイ、サンドリーヌ・ボネール
2023年/アメリカ/英語、フランス語/100分/モノクロ、カラー
6月1日(土)19:00
6月7日(金)19:00 ※上映後トークイベント有
『あのボートに乗って』Tarrac
※『レイト・アフタヌーン』との併映
経営コンサルタントとして充実した日々を送るイーファは、父親が心臓発作で倒れたと聞いて久しぶりに故郷に 帰ってきた。一命をとりとめた父との関係はぎくしゃくし、のんびりした町の空気にもなじめないイーファだったが、学生時代にボート競技でともに汗を流した仲間たちと再会、22年ぶりの優勝を目指して大会に出場することになる。 アイルランド語(ゲール語)が飛び交うケリー県の田舎町を舞台に、アイルランド発祥の手漕ぎボート“、ネイヴオー グ”にすべてを賭ける女性たちを描いた爽快な青春ドラマ。
監督:デクラン・レックス
出演:ケリー・ガフ、ローカン・クラニッチ、ケイト・フィネガン
2022年/アイルランド/アイルランド語、英語/96分/カラー/字幕:英語と日本語
5月31日(金)19:00 ※上映前、開幕挨拶
6月9日(日)19:00
『レイト・アフタヌーン』Late Afternoon
※『あのボートに乗って』との併映
人生の黄昏時を迎えた老婦人エミリー。ふとしたきっかけで彼女は、父親の温もりを感じた少女の頃、愛する人と の思い出、そして娘ケイトとの穏やかな生活へと時空を超えた旅に出る。優しいタッチで描かれた家族の絆の物語。エミリーの声を『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』でおばあちゃんを演じたアイルランドを代表する名女優フィオ ヌーラ・フラナガン、少女時代を同作のシアーシャ役のルーシー・オコンネルが担当。第91回アカデミー賞短編アニ メーション賞候補作。
監督:ルイーズ・バグナル
声の出演:フィオヌーラ・フラナガン、ルーシー・オコンネル
2017年/アイルランド/英語/10分/カラー
配給:チャイルド・フィルム
©Cartoon Saloon 2017
5月31日(金)19:00 ※上映前、開幕挨拶
6月9日(日)19:00
『ザ・デッド』「ダブリン市民」よりデジタルリマスター版 The Dead
1904年、ダブリンの静かなクリスマスの夜。夫と共に毎年恒例のパーティに参加したグレタは、帰り際にアイルラン ドの民謡「オーグリムの乙女」を聴き、過去に思いを馳せる。彼女が夫に語ったのは、若き日のあまりに悲しい別れ の記憶だった。20世紀を代表するアイルランド人作家ジェイムズ・ジョイスの短編集「ダブリン市民」の一篇「死者たち」を『黄金』(48)、『アフリカの女王』(51)の名匠ジョン・ヒューストン監督が映画化。舞踏会に集まった人々の悲喜こもごもを格調高く紡ぎ出す。公開前にヒューストンは亡くなり本作が遺作となった。
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ジェイムズ・ジョイス
出演:アンジェリカ・ヒューストン、ドナルド・マッキャン、ヘレナ・キャロル
1987年/イギリス・アイルランド・アメリカ/英語/83分/カラー
© 1987 ZENITH PRODUCTION LTD/LIFFEY FILMS LTD. All Rights Reserved. Licensed by Carilon International Media Limited."Images Courtesy of Park Circus/ITV Studios”
6月2日(日)19:00
6月13日(木)19:00 ※上映後イベント有
『コット、はじまりの夏』 The Quiet Girl (原題:「An Cailín Ciúin」)
1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす寡黙な少女コットは、夏休みを親戚のキンセラ 家の緑豊かな農場で過ごすことに。慣れない生活に戸惑うコットだったが、ショーンとアイリン夫婦の愛情をたっぷりと受け、はじめて生きる喜びを実感していく。本国でアイルランド語を主とした映画として歴代最高のヒットを記録、ベルリン国際映画祭で子供が主役の作品を対象にした部門でグランプリ受賞、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど、近年のアイルランド映画の中でも特に注目を集めた珠玉作。
監督・脚本:コルム・バレード
原作:クレア・キーガン「Foster」
出演:キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、キャサリン・クリンチ
2022年/アイルランド/アイルランド語、英語/95分/カラー/字幕:英語と日本語
配給:フラッグ
© Inscéal 2022
6月3日(月)19:00
6月12日(水)19:00
『ぼくたちの哲学教室 』Young Plato
北アイルランド、ベルファストの男子小学校で実施されている哲学の授業を2年間にわたって撮ったドキュメンタ リー。ケネス・ブラナー監督作『ベルファスト』(21)でも描かれた1969年の北アイルランド紛争以降、プロテスタントと カトリックの激しい対立の場となっていたベルファストの街。マカリーヴィー校長は子どもたちの異なる立場や意見 に耳を傾け、どんな意見にも価値があることを語る。それを受けた子供たちが問題をどう解決していくか。苦悩しながらも一歩ずつ踏み出していく彼らの姿に誰もが感動するだろう。
監督:ナーサ・ニ・キアナン、デクラン・マッグラ
出演:ケヴィン・マカリーヴィーとホーリークロス男子小学校の子どもたち
2021年/アイルランド・イギリス・ベルギー・フランス/英語/102分/カラー
配給:doodler
© Soilsiú Films, Aisling Productions, Clin d’oeil films, Zadig
Productions,MMXXI
6月5日(水)19:00
6月10日(月)19:00
『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』
Crock of Gold: A Few Rounds with Shane MacGowan
パンクにケルト音楽を取り入れた革新的なロックバンド〈、ザ・ポーグス〉のフロントマン、シェイン・マガウアン。爆弾発 言だらけのシェイン自身の言葉によって驚愕のキャリアを振り返りながら、誰からも愛された問題児の姿をありのまま映し出す。ジョー・ストラマー、エルヴィス・コステロ、ボノ(U2)、シネイド・オコナーら豪華アーティストが参加した伝 説のバースデーライブは圧巻。製作は30年来の友人ジョニー・デップ。昨年11月30日に惜しくも亡くなったシェインの追悼上映。
監督:ジュリアン・テンプル
出演:シェイン・マガウアン、ジョニー・デップ、ボビー・ギレスピー、ボノ
2020年/アメリカ・イギリス・アイルランド/英語/130分/カラー/R18
配給:ロングライド
© The Gift Film Limited 2020
6月6日(木)19:00 ※上映後トークイベント有
6月11日(火)19:00
『アイリッシュパブ 』The Irish Pub
大衆酒場としてだけではなく、アイルランド社会の中で最も重要かつフレンドリーな社交場“、アイリッシュパブ”。老 若男女はもちろん小さな子供まで集まり、大いに飲んで歌って語り合うこの施設の魅力を余すところなく伝えるドキュメンタリー。多くのパブ経営者たちへのインタビューから見えてくるのは、長い間文化を守ってきた自負と陽気 で魅惑的な物語。アイルランド人のアイデンティティと誇りをたっぷり味わえる。ロンドンのアイルランド・フィルム・フェスティバルで観客賞を受賞。
監督:アレックス・フェガン
出演:ウィリー・アフェル、リアム・アフェル、ボビー・ブラックウェル
2013年/アイルランド/アイルランド語・英語/76分/カラー
6月4日(火)19:00 ※上映後、アイルランド音楽ライブイベント有
6月8日(土)19:00
アイルランド映画祭2024
日時:2024年5月31日(金)― 6月13日(木)
会場:YEBISU GARDEN CINEMA
主催:アイルランド大使館
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム