天才作家vsセレブ妻たちの裏切りと復讐を描く話題作、「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」がスターチャンネルに登場! そのみどころを解説!(文・池田敏/デジタル編集・スクリーン編集部)

華やかな上流社会の裏側を描く!
カポーティの遺作をめぐる実話をドラマ化!

画像: 華やかな上流社会の裏側を描く! カポーティの遺作をめぐる実話をドラマ化!

「デスパレートな妻たち」、「ビッグ・リトル・ライズ」、韓国ドラマ「Mine」など、洋の東西を問わず大人気の“セレブ妻バトル”ドラマ。その最高峰ともいえる作品が話題となっている。しかも実話だ。

「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」は、映画化もされた「ティファニーで朝食を」「冷血」などの作家トルーマン・カポーティ(2005年の伝記映画『カポーティ』を覚えている人も多いだろう)を中心人物に、彼がニューヨークの上流社会で出会ったセレブ妻たち、“白鳥(スワン)たち”との“確執”を描く。

全8話中、映画界の名手ガス・ヴァン・サントが計6話を監督し、ナオミ・ワッツ、ダイアン・レイン、デミ・ムーア、モリー・リングウォルドら人気女優たちが豪華共演。また名バイプレイヤー、トリート・ウィリアムズの遺作となった。

1960年代のニューヨーク。人気作家カポーティ(『ボヘミアン・ラプソディ』でジム・ビーチ役を演じたトム・ホランダー)は、彼が“スワンたち”と呼ぶ上流社会のセレブ妻たちと交流。おしゃべり上手のカポーティは“スワンたち”にとって打ってつけの友人だった。

しかし1975年のある日、カポーティは“スワンたち”の内緒話をネタにした新作小説を発表。激怒した彼女たちはカポーティに対する報復を考えるようになるのだった──。混迷の時代を迎えた当時の米国の実話をベースにした、スリリングな社会派ドラマだ。

シリーズを企画・製作総指揮したのは「glee/グリー」「アメリカン・ホラー・ストーリー」「アメリカン・クライム・ストーリー」などのドラマを手掛ける、ハリウッドきっての鬼才ライアン・マーフィ。

ゆえに、次のエミー賞やゴールデン・グローブ賞での複数ノミネートは恐らく確実ではないだろうか。示唆に富む、米ドラマ界の最先端エンターテインメントに仕上がった。

3つの注目ポイント

異色の文豪カポーティが中心人物!

物語の中心人物トルーマン・カポーティは実在した作家だ。名作映画「ティファニーで朝食を」「冷血」の原作者として知られ、第78回アカデミー賞の主演男優賞を故フィリップ・シーモア・ホフマンにもたらした、映画『カポーティ』の主人公としても知られる。

華やかな表の顔がある一方、取材対象との距離は作家としてどうだったのか。ジャーナリスムが本来あるべき姿というのは、本作のもうひとつのテーマなのかもしれない。

豪華ハリウッドスター陣が共演!

本作では誰が主演を飾ったとしてもおかしくないほどの名女優たちが豪華共演。『ダイアナ』(2013)のナオミ・ワッツ、『ジャスティス・リーグ』(2017)のダイアン・レイン、『ドッグヴィル』(2003)のクロエ・セヴィニー、ドラマ「アリー my Love」のキャリスタ・フロックハート、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)のデミ・ムーア、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)のモリー・リングウォルドら一流スター陣が集まった。

ライアン・マーフィ×ガス・ヴァン・サントの強力タッグ!

シリーズを企画・製作総指揮したのは「glee/グリー」なども製作総指揮した鬼才ライアン・マーフィで、全8話中、第1話など計6話を監督したのは『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)『ミルク』(2008)などの名匠ガス・ヴァン・サント。彼らがたぐいまれな才能と、複雑な内面を持ったカポーティにどんな視線を注いだのか、そこも大きな見もの。

現代にも通ずる時代背景

本作の舞台は1960年代から1970年代にかけてのニューヨーク。たった約20年とはいえ、ベトナム戦争、公民権運動、ウーマン・リブなど、近代で米国が最も揺れ動いた時代を背景にしている。つまり、格差・分断・LGBTQ+などの社会問題が浮かび上がる、後の現在とよく似ている。

カポーティは映画『カポーティ』でも描かれた通り、センセーショナルな題材に対して敏感な作家だったが、オードリー・ヘプバーン主演のロマンティック・コメディとして映画化された「ティファニーで朝食を」も、実は当時のニューヨークの社交界の闇を暴いたという側面があり、ヘプバーンが演じた主人公は、本作にも登場するベイブ・ペイリーなど実在の人物たちがモデルだった。

アメリカ南部の出身で複雑な家庭環境に育ったカポーティは、ニューヨークで華やかに生きたが、それが彼にとって本当に幸福なことだったかどうか。これは今後も考えさせられるモチーフだろう。

当時のニューヨークのセレブたちの華やかなスキャンダルを再現した実話ドラマであると同時に、SNSなどでコミュニケーションの手段が多様化した現在、“確執”の問題を提起した、見応えある野心作だ。

登場人物

当代きっての小説家
トルーマン・カポーティ (トム・ホランダー)

画像: 当代きっての小説家 トルーマン・カポーティ (トム・ホランダー)

1940~60年代を中心に活躍した作家。鋭い観察眼と洞察力に加え、巧みな話術で“スワンたち”を魅了する。

白鳥<スワン>たち

カポーティ曰く“完璧すぎることが唯一の欠点”
ベイブ・ペイリー (ナオミ・ワッツ)

画像1: 【注目作】「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」みどころを海外ドラマ評論家が解説!

全米TV界の老舗ネットワークCBS会長の夫人。結婚前は人気雑誌“ヴォーグ”の編集部で働いていた。

ハリウッド社交界で華々しい恋愛遍歴を持つ
スリム・キース (ダイアン・レイン)

画像2: 【注目作】「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」みどころを海外ドラマ評論家が解説!

英国人銀行家の妻で“スワン”のリーダー的な存在。最初の夫は名匠ハワード・ホークス監督。

政界とのコネも持つ
リー・ラジウィル (キャリスタ・フロックハート)

画像3: 【注目作】「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」みどころを海外ドラマ評論家が解説!

JFK夫人、ジャクリーン・ケネディの妹で、ポーランド人貴族の夫を持つ。

乗馬と園芸を愛し、絵画にも描かれる
C・Z・ゲスト(クロエ・セヴィニー)

画像4: 【注目作】「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」みどころを海外ドラマ評論家が解説!

英国の名家出身である全米ポロ・チャンピオンの夫を持ち、園芸家としても知られる。

カポーティを最期まで支える
ジョアン・カーソン(モリー・リングウォルド)

画像: カポーティを最期まで支える ジョアン・カーソン(モリー・リングウォルド)

トーク番組の伝説的司会者、ジョニー・カーソンの妻。社交界で孤立したカポーティに寄り添う。

夫殺しの噂に苦しめられる
アン・ウッドワード(デミ・ムーア)

画像: 夫殺しの噂に苦しめられる アン・ウッドワード(デミ・ムーア)

大富豪の夫を射殺し、誤射として無罪となるが、カポーティに小説の中で殺人者として描かれる。

「フュード/確執 カポーティvsスワンたち」
2024/アメリカ/FEUD Capote v. The Swans

配信 Amazon Prime Video チャンネル
「スターチャンネル EX DRAMA & CLASSICS 」
2024年7月14日(日)から毎週1話ずつ更新 ※30日間限定配信

放送 BS10 スターチャンネル
2024年7月15日(月・祝)から、字幕版を毎週月曜23:00~1話ずつ放送
※第1話先行無料放送 2024年7月13日(土)午後1:15~

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