第77回カンヌ国際映画祭のコンペ部門授賞式が2024年5月25日発表され、ショーン・ベイカー監督の『Anora』が最高賞パルムドールを受賞した。
審査員長のグレタ・ガーウィグらが今回選出したのは、すでに名声を得ているフランシス・フォード・コッポラや、パオロ・ソレンティーノ、デヴィッド・クローネンバーグ。ポール・シュレイダーら旧世代の作家より、新たな世代の作家の作品が中心となった。パルムに輝いたのはショーン・ベイカー監督のロマンティックドラマ『Anora』だった。ベイカーにとって『レッド・ロケット』に続く2度目のコンペ参加での受賞となった。本作ではブルックリンのストリッパーの女性がロシアの富豪の息子と知り合い、二人の結婚の無効化を彼の両親が画策し、事態が複雑になっていくというもの。他に前評判で絶賛されていたジャック・オーディアール監督の『Emilia Perez』は審査員賞と女優賞(4人同時)を受賞した。
主な受賞結果は以下の通り。
パルムドール『Anora』ショーン・ベイカー監督
グランプリ『All We Image as Light』パヤル・カパディア監督
審査員賞『Emilia Perez』ジャック・オーディアール監督
監督賞 ミゲル・ゴメス『Grand Tour』
男優賞 ジェシー・プレモンス『憐れみの3章』
女優賞 アドリアナ・パス、ゾーイ・サルダナ、カーラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ」ゴメス『Emilia Perez』
特別賞 『The Seed of the Sacred Fig』モハマド・ラスロフ監督
脚本賞 『The Substance』コラリー・ファルジェ
カメラドール 『Armand』ハルフダン・ウルマン・トンデル監督