突如出現した、“音”に反応しその全てに襲い掛かる“何か”。そんな謎の生命体に支配され崩壊した世界を舞台に、“沈黙”を守り生存を試みる一つの家族の姿を描いたサバイバル・ホラーシリーズ「クワイエット・プレイス」の最新作『クワイエット・プレイス:DAY 1』が公開中。この度、同作で目陰キャラクターの一人エリックを演じているジョセフ・クインのインタビューが到着した。自身の役から猫についてなど作品について幅広く語っている。

“見知らぬ者同士であることで、この世界におけるダイナミズムがまったく異なるものになる”

――エリックという役柄について教えてください。彼は何者で、クリーチャーが襲ってきたときに何をしているのでしょうか。

「エリックは襲来の[DAY 1]にニューヨークにいます。そして私が言えるのは、彼がルピタ・ニョンゴ演じる主人公のサミラを見つける、というのが精一杯です。そして彼らは、自分たちがいるこの新しい世界を一緒に切り抜けなければなりません。でも、最初に登場する彼は確実に謎めいた人物です」

画像: 左:エリック(ジョセフ・クイン)、右:サマラ(ルピタ・ニョンゴ)

左:エリック(ジョセフ・クイン)、右:サマラ(ルピタ・ニョンゴ)

ーーエリックとサミラの関係性について教えてください。

「彼らはまったく異なる立場からサバイバルに挑んでいます。エリックは故郷から遠く離れ、仲間や指導を必要としています。そしてサミラは、さまざまな理由から、好意的に接したり、それに応えたりすることはできません。しかし、2人はお互いを理解するようになます。密かなる合意です」

ーー前2作のどんな部分に心を動かされて、本作への出演を決めましたか?

「騒音=危険というアイデアは、映画的に素晴らしい奇想だと思います。もし音を立てたら、とても悪いことが起こるのです。映画的に、そのアイデアは心に響き、素晴らしい緊張感をもたらしてくれます。前2作には素晴らしいシーンがいくつかあります。より抑えた作品である1作目では、エミリー(・ブラント)が階段を下りるときに釘が飛び出しているのが分かり、私はそれを見るに堪えませんでした。その緊張感たるや、耐え難いものでした!それから彼女がバスタブで出産するシーン…!前2作には素晴らしいシーンが詰まっています。本作では、それをさらにレベルアップさせ、さらにスケールが大きくなっています。私たちは騒々しいニューヨークにいて、この2人の登場人物、そして世界そのものが、この侵略に適応しようと静かにしている姿は、とても興味深いものです」

ーーニューヨークには文字通りすべての街角に騒音があふれています。クリーチャーが襲来した際、彼らはこれらの音にどのように反応しますか?

「最初のシーンは大混乱の地獄絵図です。あのシーンは、ある意味ディザスター映画のようでもあります。しかし事態が収まるにつれ、人々がクリーチャーを回避するためのルールを学ぶようになると、そこからまた興味深い展開が待っています」

画像1: “見知らぬ者同士であることで、この世界におけるダイナミズムがまったく異なるものになる”

ーーこのシリーズのファンはすでにそのルールをもちろん知っています。観客が登場人物の先を行くことは、俳優としてのあなたに何を与え、ファンはこの映画に何を期待できるのでしょうか?

「そうですね。観客はこのクリーチャーの能力について知っているという点で、登場人物の先を行っています。それはより緊張感を高めることにつながります。ファンはこの世界のルールやパラメーターを知っている一方、新しいキャラクターたちはそれを知りません。ですから観客はお馴染みのものが、前2作よりも格段に大きなスケールで描かれることを期待できます。本作はより大きくなるのです。必ずしもより静かになるわけではありませんが、間違いなく、さらにビッグです」

ーー地下鉄のシーンについて教えてくれますか?とても怖いようですが・・・

「怖いですよ!でも、シーンを作り上げるのはとても楽しかったです。さまざまな部門が一丸となって集中しなければならない挑戦のひとつで、とてもやりがいのある仕事でした。水没した地下に追い込まれる長い追跡シーンがあります。そこにはさまざまなロジスティクス的要素が多くあります。そのためにスキューバダイビングの訓練をしたのですが、とても楽しかったです。劇中ではもちろんエリックとサムはスキューバ装備を持っていないので、息を止めなければなりません。さらに動物の扱いを伴うこともあり、状況はより複雑でした。でも、うまくいくと、結果的にとてもやりがいのある仕事となります。観客はとても満足してくれると思います」

ーー地下で「動物の扱いを伴う」とは?

「私たちには猫がいます!フロドというサムのペットの猫です。彼は全編に渡って私たちの仲間になります。みんな彼に夢中になるはずです。絶対的なスターですね」

ーー猫は水を嫌がります。フロドはどのように対処したのでしょうか?

「私たちには二匹の猫がいました。シュニッツェルとニコです。二匹とも、本当にすばらしかったです。しかし、やはり水は苦手なようでした。猫たちが安全であることを徹底する必要がありましたから、水を使うシーンがあるときには、猫たちを怖がらせないようにゆっくりと進める必要がありました。でも彼らは素晴らしく、プロフェッショナルでした(笑)」

ーーニューヨークはとても高さのある街です。その点は、この映画のセットにどう作用しましたか?

「かなり巨大なセットピースがいくつかあります。私たちは、スケールと静寂、そしてその両方が同じフレームに存在するというアイデアの探求に没頭しました。それは模索するのが楽しい目標でした。観客はこの点をあまり期待していないかもしれませんが、期待以上に大きなものです。むしろ想像でき得る以上に大きいのです」

ーールピタは力強い存在です。彼女との仕事はどうでしたか?

「素晴らしかったです。手強く、畏れを知らず、とても親切です。真のプロです。彼女の仕事ぶりを見て、そこから学びました。この経験にとても感謝しています。彼女は自分の時間、アドバイス、経験を惜しみなく与えてくれました。素晴らしい友人です。それが何よりも嬉しいことですね。仕事で誰かに会う時は、お互いに他人です。しかし別れる時には、一緒に何かを作り上げているのです。もし友情も一緒に築けたのであれば、それは仕事における最高のご褒美です」

ーールピタから、特に何を学びましたか?

「信念、思いやり、恐れを知らない心、決断力。彼女はそれらすべての資質を持っています。彼女は大規模作品を代表する存在です。そのためには、ある種の特質が必要とされます。彼女にはそのすべてが豊富に備わっているのです。仕事でもプライベートでも、彼女が人生を通してこのレベルのエレガンスを持ち続ける方法を学ぶことは、素晴らしい経験でした。彼女はとても素晴らしい人です」

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ーーマイケル・サルノスキ監督について教えてください。なぜこれほど本作にふさわしい監督なのでしょうか?

「彼は優秀な監督です。(彼の監督作である)『ピッグ/PIG』(21)をもう一度観て、心を奪われました。この映画が目指そうとしていたこと、そしてニコラス・ケイジの素晴らしさにも。脚本には静かな親密さがありました。ここ最近映画では観たことのないような方法で、悲しみを探究していました。マイケルはこのシリーズに、そのテイストを巧みに取り入れました。以前の人生を悲しむという発想を。サミラとエリックの間には、このエイリアンの大騒動の中でも、独特の親密な関係性があるのです」

ーー「静かな親密さ」が『ピッグ/PIG』の脚本にあるというのは興味深いですね。本作の脚本で、特に印象的だったシーンはありますか?

「特定のシーンというわけではなく、本作の持つ神秘性に惹かれました。このアルマゲドンのなかで、二人の登場人物がぶつかりあい、そしてお互いを知るというのは、ある種神秘的とも言えます。見ず知らずの二人が出会い、彼らがどんな人物であるのかという予備知識は全くない中、この非日常的な状況下でお互いを知るというアイデアです」

ーー「クワイエット・プレイス」前2作は家族を中心に描かれていましたが、本作は二人の他人を描いています。この違いは、創造性の点で、あなたに何をもたらしましたか?

「鋭い指摘ですね。見知らぬ者同士であることで、この世界におけるダイナミズムがまったく異なるものになります。というのも、人々がそれぞれ異なる方法で自分の死と向き合うのを見ながら、あなたはそれを一緒に体験しなければならないからです。多くの場合、人は死や死後の世界といった人生における大きなテーマについて、非常に偏った考えを持っています。この映画は、まさにそれを探求しているのです。ものすごい恐怖の中でね!」

『クワイエット・プレイス:DAY 1』

全国公開中
世界が沈黙した日[DAY 1]を描く本作の舞台は、これまでの田舎町から一転、「音を出さないことが不可能」な大都市・ニューヨークへと移り変わり、阿鼻叫喚の群衆、そして彼らの日常が破壊されてゆく様子が描かれている。これまで語られてこなかった“何か”の襲来を映し出すことで、作品はディザスター映画の要素を帯び、圧倒的なスケールアップを果たしている。

配給:東和ピクチャーズ
©2024 PARAMOUNT PICTURES

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