監督鶴田法男が自ら監修した新予告編
映画『亡霊学級』は、つのだじろうの同名のオカルト漫画を原作として、Jホラーの父・鶴田法男監督が1996年に実写化したビデオ専用映画。当時VHSのみで販売された“伝説のJホラー”だ。デジタルリマスター版として現代に蘇り、新文芸坐にて8月17日(土)18時から【真夏の復活上映】として上映される。舞台挨拶付き上映のチケットは8月10日(土)午前0時に販売開始する(*)。
*詳しくは新文芸坐のホームページをご確認ください。
今回公開された予告編は鶴田法男監督自らが監修したもの。恐怖の端々が映し出されている。
各界著名人の賞賛コメントも到着
さらに、リバイバル上映に寄せて、小島秀夫、綾辻行人、伊藤潤二、高橋洋、黒沢清といった各界著名人による賞賛コメントも到着。「『亡霊学級』は“怖い”ではなく“恐い”」(小島秀夫)、「日本のホラームービーシーンに抱いていた『ときめき』を思い出した」(綾辻行人)、「クライマックスは一度観たら忘れられない!」(伊藤潤二)と、本作への絶賛の言葉を寄せている。
ゲームクリエイター 小島秀夫
欧米のホラー映画ならいくらでも観てきた。だから、ホラー映画の仕掛けや演出には抗体があるはずだった。ところが、『亡霊学級』はそれらを悉(ことごと)くすり抜けていく。 “怖い”ではなく、“恐い”のだ。さらに“畏怖(おそろ)しい “のは、少女達の悩める青春学園モノとしても、よく出来ているところだ。
作家 綾辻行人
ずっと気になっていた鶴田法男監督のOV版『亡霊学級』!ようやく観る機会を得て、この作品が発表された一九九六年というあの時期、自分が日本のホラームービーシーンに対して抱いていた「ときめき」のような感覚を、不思議な懐かしさとともに思い出しました。つのだじろうさんの原作本を書庫から掘り出して、何十年かぶりに読み返してしまったことは云うまでもありません。
漫画家 伊藤潤二
つのだじろう先生の傑作漫画『亡霊学級』を鶴田法男監督が撮られた伝説の作品をついに鑑賞。VHS発売時に見損ねて、私も歯がゆい思いをしていましたが、やっと念願が叶いました。主役の宮澤寿梨さんをはじめとするとても魅力的なキャスト陣(つのだ先生と黒沢清監督の演技も素晴らしい!)と、Jホラーの父・鶴田監督による演出が、怖い怖い原作のエッセンスを見事に抽出! クライマックス、夜の学校の廊下で迫り来る怪異は、一度観たら忘れられない!
脚本家・映画監督 高橋洋
原作『亡霊学級』は、まさに“心霊漫画”の誕生を告げる記念碑的作品だった。当時、中学生だった鶴田法男は、放課後の教室でうっかり頁を開いてしまった後の、走って帰りたくなるような不吉な気配を、私同様、生々しく憶えているに違いない。あれは子供にしか感じ取れない“絶望”と繋がっていた。鶴田の野心は心霊描写のみならず、その”絶望”を描くことにあった。この映画は『亡霊学級』を体験した子供たちの貴重な記録でもあるのだ。
映画監督 黒沢清
熱心に何かしている高校生の背後が恐い。髪の長い女性の後ろ姿がいちいち恐い。カメラがスーッと動き出すともう恐い。こういったことが『亡霊学級』のいたるところで起こるのだが、正確無比なホラー理論と抜群のセンスがなければ多分成立しない。鶴田法男はやはり天才である。
原作紹介
「亡霊学級」あらすじ
実際に学校で起こった世にも恐ろしい出来事や事件を元に描かれた、
つのだじろうによる学園ホラー作品。「三田さんがこわい」と叫びながら、
交通事故で死亡した学級委員・鳥井。しかしその死因は三田さんにとり憑いた
30年前に自殺した生徒の霊によるものだった。
また、青虫というあだ名を付けられた青野武士はいじめのストレスを
発散させるために、虫を痛め付けていたのだったのだが、
ある日「虫のたたり」にあい…。
OV『亡霊学級』作品情報
【キャスト】
宮沢寿梨/石橋けい
水上竜士/沢入しのぶ/長坂しほり/ひし美ゆり子
つのだじろう(特別出演)/黒沢清(友情出演)
【スタッフ】
原作:つのだじろう『亡霊学級』(秋田書店刊)
監督:鶴田法男
脚本:小川智子/鶴田法男
撮影:藤石修
音楽:尾形真一郎
【作品情報】
製作年:1996年
作品時間:80分
製作:大映株式会社
【あらすじ】
高校2年生、目黒ゆりが学校の図書室で偶然手にしたつのだじろうの漫画「亡霊学級」。それを読み始めた日から漫画に描かれていることがどんどん現実になっていく。トイレに現れた手、食べ物に入っていた虫、そして、憧れの先輩、石丸美和子は「自分は美和子じゃない」と言い出す。また、ゆりの親友で写真部のあやは自分の撮った写真に不可解なモノが写っていることに気付き戦慄していた。同じ頃、同じ高校の写真部OB、館山道隆は自分の写真に奇妙なセーターの女が写っていることが不安でならなかった。館山は大学の助教授にその写真の解析を依頼するが、助教授は姿を消してしまう。そして高校では目黒ゆりの周囲で怪異がなおさらに力を増していて……。
© 秦企画/KADOKAWA 1996