ポリス映画同様、アクション映画ファンに人気が高いのがスパイ映画。ポリスと違うのは、立場上、基本的に職務を極秘のうちに遂行しなくてはならないこと。陰謀や裏切りも横行するハラハラドキドキの中、困難なミッションを隠密にやり遂げるので、サスペンス系が多いジャンルですが、ここでは主にクールなエージェント、コミカルな工作員たちが活躍するたくさんのアクション作品から絶対見たい10作をご紹介しましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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CHECK スパイとは何?

大きく言って、敵側の情報を秘密裏に収集したり、破壊工作や、時に暗殺などの謀略作戦を行ったり、敵側からの攻撃に際して防衛措置を取ったり、壊滅させたりすることを行う者たち、組織。間諜、密偵、エージェント、工作員、諜報員などとも呼ばれたりする。その職務も種々様々で、国によって職権の範囲なども異なってくる。

「007」シリーズ

60年以上続く長寿スパイ・アクション・シリーズ

画像: 写真は『007カジノ・ロワイヤル』より Photo by Greg Williams/Eon Productions via Getty Images

写真は『007カジノ・ロワイヤル』より
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スパイ・アクションと言えば外すことのできないシリーズで、1962年の第1作『ドクター・ノオ』(初公開時題名は『007は殺しの番号』)以来、現在25作まで続く長寿ぶりも他を圧倒する。英国諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描くもので、ボンド役はショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで6人がリレーで演じてきた。特に6代目クレイグ版はアクションもリアルかつハードにバージョンアップして人気再燃に一役買った。

「ミッション:インポッシブル」シリーズ

不可能な指令を実行するスーパー・エージェント

画像: 写真は『ミッション:インポッシブル』より Photo by Murray Close/Getty Images

写真は『ミッション:インポッシブル』より
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「007」と並んでスパイ映画の代名詞的シリーズ。オリジナルは60年代の人気TV番組「スパイ大作戦」。映画版ではトム・クルーズが一貫して演じるIMFのエージェント、イーサン・ハントが、テロ組織や全面核戦争を企む悪党、謎の犯罪集団などと対峙して世界をめぐる活躍を描く。96年の第1作から現在まで7作が製作され(8作目を製作中)、いずれも好評価&大ヒット。特にトムが毎回限界を超えるスーパースタントを披露するのも注目される。

「ボーン」シリーズ

記憶を亡くしたスパイが彼を狙う存在と戦う

画像: 写真は『ボーン・アイデンティティー』より Photo by Universal Pictures/Getty Images

写真は『ボーン・アイデンティティー』より
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記憶を失った元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーンをマット・デイモンが演じるハイクオリティーのスパイ・シリーズ。4作目の『ボーン・レガシー』は番外編的扱いだが、5作目まで製作されている。記憶喪失状態で発見された男が、自分の記憶を取り戻しながら彼を抹殺しようとする存在と戦うが、そこに政府の最高機密が絡んでいることに気づく。肉体も鍛えあげたマットが、研ぎ澄まされたアクションシーンを次々こなしていく。

「キングスマン」シリーズ

英国紳士スパイとスカウトされた若手が組んで悪を倒す

画像: 『キングスマン』 ディズニープラスのスターで配信中 © 2024 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

『キングスマン』 ディズニープラスのスターで配信中
© 2024 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

キングスマンとは世界のどの国にも属さず、独自の判断で国際テロに立ち向かう秘密組織。その一員である紳士的なエージェント、ハリー(コリン・ファース)と彼にスカウトされた若者エグジー(タロン・エガートン)がコンビを組んで悪を倒す。マシュー・ヴォーン監督らしいバトルシーンが出色。師弟コンビのその後を描く第2作の他、キングスマン発祥のエピソードを描く前日譚(『…ファースト・エージェント』)も製作されている。

「サイレンサー」シリーズ

ライバルは007? プレイボーイ・スパイの活躍

画像: 写真は『サイレンサー/殺人部隊』より Photo by Silver Screen Collection/Getty Images

写真は『サイレンサー/殺人部隊』より

Photo by Silver Screen Collection/Getty Images

「007」シリーズの成功を受け、ドナルド・ヘルムの小説を基に、ディーン・マーティン主演で映画化された60年代スパイ・アクション。第1作『沈黙部隊』ではICE所属のマット・ヘルムを主人公に007的な作品を目指していたが、マーティンのプレイボーイ風の個性を重視して次第にコミカル要素をプラス。4作目『破壊部隊』まで製作される人気を獲得した。同時期にはジェームズ・コバーン主演の「電撃フリント」シリーズも人気を呼んだ。

「ジャック・ライアン」シリーズ

世界の危機に立ち向かうCIA分析官

画像: 写真は『パトリオット・ゲーム』より Photo by Paramount/Getty Images

写真は『パトリオット・ゲーム』より
Photo by Paramount/Getty Images

トム・クランシーの小説の主人公・CIA分析官ジャック・ライアンが活躍する一連の映画シリーズはアレック・ボールドウィン主演『レッド・オクトーバーを追え!』でスタート。第2、3弾『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』はハリソン・フォードが、続く『トータル・フィアーズ』でベン・アフレックが、前日譚となる『エージェント:ライアン』ではクリス・パインがライアンを演じ、時系列はバラバラだがいずれもアクションシーンは秀逸。

「トリプルX」シリーズ

エックス・スポーツのエキスパートがスパイに?

画像: 写真は『トリプルX』より Photo by Murray Close/Getty Images

写真は『トリプルX』より
Photo by Murray Close/Getty Images

ヴィン・ディーゼルがNSA(米国家安全保障局)にエージェントとしてスカウトされた元車窃盗犯ザンダー・ケイジを演じる。彼はエクストリーム・スポーツのエキスパートでもあり、チェコの犯罪組織に潜入し、得意技を生かして化学兵器をめぐる陰謀を解決するため奮闘する。第2弾ではアイス・キューブ主演に変更して別の主人公が設定されたが、後にディーゼルが再びケイジを演じる『トリプルX:再起動』が製作された。

『トゥルーライズ』

家族にもその正体をかくすスパイがテロリストと対峙

画像: 『トゥルーライズ』

『トゥルーライズ』

アーノルド・シュワルツェネッガー主演、ジェームズ・キャメロン監督が贈るコミカル・タッチのスパイ・アクション巨編。シュワ演じるハリー・タスカーは本当は米大統領直属の組織に所属するスパイなのだが、家族にはセールスマンと言っている。そんな彼が中東テログループのリーダーを追ううちに、自分の妻を巻き込んで核戦争開始の危機に立ち向かう羽目になる。戦闘機ハリアーを使用した空中アクションなど見どころがたっぷり。

『ソルト』

二重スパイの容疑をかけられた女性の正体は?

画像: 『ソルト』

『ソルト』

アンジェリーナ・ジョリー扮するCIA所属のイヴリン・ソルトが、ロシアの二重スパイの容疑をかけられた中、消えた夫の行方を追って暗躍するが、あっけなくCIAにつかまってしまう。その真意はどこに? 正体不明のイヴリンを人気絶頂期のアンジーが体当たりで熱演。監督は『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』のフィリップ・ノイスなので、アクション、サスペンス演出にも安定感あり。アンジーの変装演技なども見どころ。

『アトミック・ブロンド』

冷戦終結直前のベルリンに飛んだ凄腕女性スパイ

画像: 『アトミック・ブロンド』 © 2017 COLDEST CITY LLC. All Rights Reserved.

『アトミック・ブロンド』
© 2017 COLDEST CITY LLC. All Rights Reserved.

ベルリンの壁崩壊が迫る1989年を背景にMI6の腕利きスパイ、ローレン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)がベルリンへ飛び、仲間の潜伏エージェントを殺した謎の組織を追う。次々現れる刺客と延々と続く格闘シーンを自ら演じたシャーリーズの身体能力に驚かされる。彼女は過酷なトレーニングを「ジョン・ウィック」続編のために特訓中だったキアヌ・リーヴスと一緒に行ったとか。また二転三転するストーリー展開も見逃せない。

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