名優デンゼル・ワシントンが闇の仕事請負人に扮した人気アクションシリーズ完結篇、ついに待望のパッケージ化!心温まる人間ドラマに、強烈な処刑バイオレンス満載 …期待を裏切らない『THE FINAL』を観ているとやっぱり「続きが観たい!」と思わざるを得ません!(文・てらさわホーク/デジタル編集・スクリーン編集部)

人間ドラマ&バイオレンスを繋ぐ“マッコールさん”という存在

画像1: 人間ドラマ&バイオレンスを繋ぐ“マッコールさん”という存在

ロバート・マッコール。かつて海兵隊員として、さらにアメリカ国防情報局の特殊工作員として鳴らした男。その気になればいかなる敵も瞬時に抹殺する、いわば人間兵器である。しかし戦いと殺しにまみれた過去とはいっさい訣別し、いまは平凡なホームセンター従業員として静かな毎日を送っていた。どこからどう見てもいい人のマッコールさん(デンゼル・ワシントン)だが、自らの周囲にひとたび悪や不正が蠢き始めるや、身についた戦闘テクニックを駆使してこれらを制圧する。

というマッコールさんが世のため人のために、仕置き人=イコライザーとして立ち上がった第一作(14年)。地域密着型ヴィジランテの誕生物語を、素晴らしくタイトに描いていた。続く18年の『イコライザー2』。街の平和を守るイコライザー……と思ったら、いきなり世界を股にかけた処刑旅に出かけているので面食らった。とはいえ普段は個人タクシーの運転手として地道に働いている。それもつかの間、自身のもと同僚にして暗い写し鏡とも呼ぶべきDIAエージェント(ペドロ・パスカル)との死闘が始まる。これを縦軸、街の若者との心の交流を横軸に、こちらもやはりアクションとドラマとを一気に見せきっている。やはり見事な作品だった。

画像2: 人間ドラマ&バイオレンスを繋ぐ“マッコールさん”という存在

もともとは1984年から4シーズン続いたテレビドラマ「ザ・シークレット・ハンター」の劇場版として始まった「イコライザー」シリーズ。ワシントン主演、アントワーン・フークア監督という『トレーニング デイ』(01年)、『マグニフィセント・セブン』(16年)でもおなじみの名コンビによるアクション・フランチャイズである。心温まるドラマと容赦のないバイオレンスの融合。それを無理なく繋げるマッコールさんの、他に得がたい存在感。これは毎年でも作り続けてほしい、なんなら盆と正月の毎年2本でもいいと思った。そのシリーズ第三部。待ってましたとタイトルを見れば、しかし『THE FINAL』とあるじゃないか。か、完結篇!早い!早すぎる!

今回が最後と言わずに続編を!そう思わざるをえない『THE FINAL』

画像: もはやホラーの領域にあるマッコールさんのアクション

もはやホラーの領域にあるマッコールさんのアクション

ともあれ今回、イタリアはシチリア島で処刑任務をこなすマッコールさん(おそらくボランティア)。思わぬことから深手を負い、ナポリの田舎町でしばらく静養を強いられる。何も言わずに面倒を見てくれた老医師、他所者の自分を暖かく迎えてくれた町の人びと。ここで余生を過ごしてもいいか……と思い始めた矢先に、平和に見えた町が実はマフィアの食い物にされつつあることを知る。もちろんそんな悪虐を見て見ぬふりができるはずもなく、イコライザーの世直し旅・ナポリ篇がここに開幕するのであった。

画像: 過去最速“9秒”の処刑も披露

過去最速“9秒”の処刑も披露

第三部を心待ちにしていた観客からすれば、マッコールさんの最強ぶりは言われるまでもなく知っている。その期待を最新作はいっさい裏切らない。たしかに今回は冒頭から怪我もするが、治ってしまえばこちらのものだ。最強のイコライザーが逗留しているとも知らず、町にちょっかいを掛けてくるマフィア。しかしマッコールさんはいつでも暗闇から影だけの姿で現れて、並み居る敵を瞬く間に片付けていく。もはやホラーの領域にさえ入りつつあるヴィジランテ・アクションである。そして同時並行で紡がれる、温厚な紳士と地元の人びととの真摯なドラマ。このアンバランスが癖になる。

画像: エマ(ダコタ・ファニング)との関係性にも注目

エマ(ダコタ・ファニング)との関係性にも注目

「イコライザー」はクイーン・ラティファ主演でテレビシリーズ化もされている。こちらはより地域に根ざしたアクション・ホームドラマといった趣で人気だが、ワシントン=フークア組も今回が最後などと言わず、国際スケールの世直し行脚を作り続けてほしい。そう思わざるをえないほど、『THE FINAL』にはマッコールさんの魅力が詰まっているのである。

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