TVドラマ「ブラッシュアップライフ」のクリエイター水野格が、完全オリジナル脚本で挑む監督映画『あの人が消えた』。冒頭から伏線が張り巡らされ、予想を鮮やかに裏切られる面白さの本作に主演する高橋文哉と、主人公の先輩を演じる田中圭は、共演経験があり相性抜群。そんな二人にインタビューし、お互いの印象や撮影裏話などを聞いた。(文・清水久美子/写真・久保田司/デジタル編集・スクリーン編集部)

──『あの人が消えた』は、水野監督による完全オリジナルストーリーの映画ですよね。台本を読んだ時の感想と、実際に撮影に臨んだ上での難しさや楽しさを教えてください。

高橋「台本を読んだ時は、予想を裏切られていくのがことごとく面白かったですし、裏切られてちょっと悔しさまで感じたくらいです(笑)。いざ、現場で水野監督とご一緒したところ、細かくコミュニケーションを取りながら作っていくのかというと、そうではなくて。現場に入る前にお話しして、撮り始めたら、ところどころアドバイスをいただきつつ、水野さんが作る絵の中で遊ぶかのように、楽しんで撮影する映画という印象でした」

田中「台本はすごく情報量が多くて、完成した映画がどうなるのかというのは、全く想像がつかなかったです。作品は役者によっても、どう転ぶか分からないところがあると思いますが、今回は水野監督によってこそできる、大量の情報がどう料理されるのか、台本を読んだ時、まずそこに興味が湧きました。キャストが、どういう風にそれぞれの役をつかまえてくるのかというのにも興味がありました。現場に入ったら、すごく大変なスケジュールで、水野監督からは鬼才感が出ていて(笑)。僕はそれがとても面白いと感じました。ご本人は、そんなつもりはなかったと思うのですが」

高橋「一発OK率は1%くらいだったのも、鬼才感がありました」

田中「途中で悔しくなって、絶対に一発OK出してやるぞと思うのがモチベーションにもなっていました」

高橋「でも、お話しするとフランクな方なんです」

画像1: 『あの人が消えた』高橋文哉×田中圭 インタビュー

高橋文哉 プロフィール

2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年、「仮面ライダーゼロワン」に主演。主な出演映画に『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』(21)、『牛首村』(22)、『交換ウソ日記』(23)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24)、『からかい上手の高木さん』(24)、『ブルーピリオド』(24)、『少年と犬』(25)などがある。

──才能あふれる監督を独特の言い方で表現されましたね(笑)。お二人は4年ぶり、2度目の共演ということでしたが、久しぶりにご一緒していかがでしたか?

高橋「うれしかったです! 以前の共演は、まだデビューして間もない頃で、圭さんの主演作でしたが、今回は僕が主演をやらせていただく映画で共演させていただけるなんて、本当にありがたいと思いました。圭さんの主演像を頭に思い浮かべて、常に意識しながら、現場に臨みました」

田中「背中で見せるタイプ。そんな主演像です。文哉は相変わらず好青年だけど、数々の作品に出て経験を積んでいるのは分かっていたし、すごい人気者になっているのも見ています。今回、共演しようと思ったきっかけの1つとして、文哉くんは覚えているか分からないですが、1回ジムで会ったことが大きな決め手になったんです。『まだ通ってるの? まだ若いんだから、ジムなんて行かなくていいよ』と伝えたら、『憧れの圭さんみたいな体になりたくて通っているんです』って答えたの。もう可愛いんですよ。その時期は別作品の撮影が入っていたのですが、可能な限り参加したいと思いました」

高橋「圭さんは、超多忙なスケジュールだったのに、すごく元気でパワフルなので、過酷な現場でも明るくなるんですよね。本当に救われました」

画像2: 『あの人が消えた』高橋文哉×田中圭 インタビュー

田中圭 プロフィール

1984年7月10日生まれ、東京都出身。2000年から俳優業を開始し、数々の作品に出演。主な主演映画に、『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『あなたの番です 劇場版』(21)、『女子高生に殺されたい』(22)、『月の満ち欠け』(22)などがある。

──映画からもお二人の相性の良さがにじみ出ていました。今回のお互いの演技で、特にここが良かったと思ったところを教えてください。

高橋「配達員の先輩と後輩という役柄だったのですが、僕は配達先のマンションに出入りする撮影がメインという中で、配送会社のシーンを撮る日は、圭さんがいつもいてくださるので、マンションに行っている時の丸子とはまた違う、ユーモアのある表情を圭さんに引き出していただいたと思います。カットがかからないと、ずっと圭さんとの会話を続けていて、その面白いお芝居がそのまま本編に映し出されたりしているんです。お芝居をする上で、しっかり相手にボールを投げられるのはいいなと思いました」

田中「丸子の翻弄されていく感じ、振り回されている感じが、面白いんですよね。でも、僕が一番好きなのは、トラックの中で何かを食べたり飲んだりしながら、うれしそうに小説を読んでいる丸子。あれは最高です」

[高橋文哉]hair&make/大木利保 styling/鴇田晋哉 衣装/シャツ ¥49,500 パンツ ¥46,200 ともにフルスその他スタイリスト私物
[田中圭]hair&make/岩根あやの styling/荒木大輔 衣装/※税込み価格シャツ¥69,300、パンツ¥66,000 (CINOH/☎︎MOULD 03-6805-1449) Tシャツ¥13,200 (TOMORROWLAND/☎TOMORROWLAND 0120-983-522)

『あの人が消えた』

画像1: 『あの人が消えた』

「次々と人が消える」と噂されるいわくつきのマンションを舞台に、配達員の青年・丸子(高橋)と先輩配達員の荒川(田中)が、怪しげな住人らの“秘密”を偶然知ってしまったことから、大事件へと巻き込まれていく、先読み不可能なミステリー・エンターテインメント。丸子は毎日のように配達先のマンションに出入りするうちに、ある秘密を知り、荒川に打ち明ける。丸子は荒川の意見を仰ぎながら、住人の正体を探ろうとするが……。

丸子(高橋文哉)

画像2: 『あの人が消えた』

コロナ禍で配達員を志し、働き始めるが、4年目になっても、いまだに仕事に慣れない青年。好きな小説家のWEB連載の更新が唯一の楽しみで、心の癒しになっている。荒川とは雑談や相談ができる仲。

荒川(田中圭)

画像3: 『あの人が消えた』

プロの小説家を目指している、丸子の先輩配達員。丸子から小説のダメ出しをされたりする。いつも元気で面倒見のいい性格だが、会話の中の“たとえ”が独特で、少々伝わりづらく、丸子に突っ込まれる。

『あの人が消えた』
2024年9月20日(金)公開
日本/2024/1時間44分/配給:TOHO NEXT
監督・脚本:水野格
出演: 高橋文哉、北香那、坂井真紀、袴田吉彦、菊地凛子、染谷将太、田中圭

© 2024「あの人が消えた」製作委員会

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