恐怖の原点にして頂点『エイリアン』(79)の“その後の物語”を描く『エイリアン:ロムルス』が、いよいよ9月6日(金)より全国公開中だ。今回は、この最新作で“エイリアンの創造主”リドリー・スコットをも唸らせたという実力の持ち主フェデ・アルバレスについて、撮影現場でキャストたちが垣間見た彼の並々ならぬ熱量、こだわりの深さを紹介していく。

サプライズ的な撮影でリアルな表情を引き出した、フェデ・アルバレス

寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する宇宙最恐の生命体“エイリアン”。かつて世界中を恐怖のどん底に陥れた彼らが新たに狙いを定めたのは、人生の行き場を失った6人の若者たちを描く『エイリアン:ロムルス』。すべての物質を溶かすほどの酸性の血液を持ち、攻撃は不可能。何度逃げても執拗に迫りくる“エイリアン”による<生存率0%の恐怖>から、彼らは逃れられるのか?

リドリー・スコット(『エイリアン』)、ジェームズ・キャメロン(『エイリアン2』(86))、デヴィッド・フィンチャー(『エイリアン3』(92))ら映画界の巨匠が礎を築いてきた「エイリアン」シリーズ。その最新作で手腕を発揮するのが、『ドント・ブリーズ』(16)で世界中を震え上がらせた鬼才フェデ・アルバレス監督だ。

「「エイリアン」フランチャイズについて、フェデほど良く知っている人間に、これまで私は出会ったことがありません」と語るのは、本作で女性ヒロイン・レイン役を演じたケイリー・スピーニー。ケイリー自身、大のシリーズファンでもあるが、そんな彼女でさえも、監督の知識量には驚かされたそう。「フェデは『エイリアン』シリーズのどの作品についても、フレームすべてを熟知しているかのようです。そして、映画作りにとても情熱的で、映画オタクでもあり、シネマ愛、特に『エイリアン』フランチャイズ愛やホラー映画愛、およびジャンルに対する理解に溢れている」と絶賛し、「フェデのおかげで、この映画が必ず怖いものになるだろうと、安心して撮影に臨めました」と絶大な信頼を口にしている。

キャスト陣も舌を巻いくほどの、フェデの“エイリアン愛”。撮影現場では、そんなフェデの熱量を感じる瞬間が多くあったという。

シリーズへのリスペクトがとめどないフェデは、第1作目の“その後”の世界観を忠実に再現するため、第1作目同様、グリーンバックなしでの撮影を決行。360度どのアングルからでも撮影できるよう、全てのセットを一から緻密に建造し撮影に挑むこととした。また、CG技術は実写の“補足”として使う程度に留められ、人間たちを襲う“エイリアン”はロボット(アニマトロニクス)技術を活用した点についても第1作目同様。キャストたちに、まるで本物の“エイリアン”に襲われ、追いかけられているような感覚で演技を行わせた。

画像: サプライズ的な撮影でリアルな表情を引き出した、フェデ・アルバレス

ちなみに、第1作目で“トラウマ級”の恐怖を観客たちに植え付けた<チェストバスターが胸を突き破るシーン>が最新作でも登場するが、その撮影前、キャストたちは細かな演出までは伝えられておらず、サプライズでの撮影となったため、居合わせたキャストたちは思わず驚愕したという。フェデこだわりの演出により、“エイリアン”に対峙する若者たちが浮かべる“恐怖”の表情は、よりリアルに、より恐ろしく、劇場の大画面に浮かび上がることとなった。

『エイリアン:ロムルス』
全国公開中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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