今年の受賞者には、見知らぬ人々を自宅に招き、自身のベッドで眠る姿を撮影、インタビューを加えて作品にするなど、写真と言葉による作品で知られるソフィ・カル、椅子やテーブルなどの日常的な素材を用いて、政治的暴力から生じる喪失、悲哀、記憶、痛みなどの感情を表現するドリス・サルセド、創造性と革新性で建築に新たな可能性を切り拓き、災害支援において建築家としての新たな役割を実践する坂 茂、モーツァルト、シューベルトを主なレパートリーとし、音楽教育から社会活動にも取り組み、世界各地で後進の指導を行なっているピアニストのマリア・ジョアン・ピレシュ、時代の奔流に向き合う人間を描き、多くの観客を魅了する映画を製作、『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で2度のアカデミー賞監督賞を受賞した台湾出身のアン・リーの各氏が選ばれた。
また、同時に発表される第27回若手芸術家奨励制度の対象団体には、インドネシア・ジャカルタで音楽、ダンス、演劇、文学、映画、美術など、さまざまなジャンルの表現活動を推進し、若手芸術家を支援している民間の複合芸術施設、コムニタス・サリハラ芸術センターが選ばれた。
第35回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者
■ 絵画部門 ソフィ・カル(フランス)
■ 彫刻部門ドリス・サルセド(コロンビア)
■ 建築部門 坂 茂(日本)
■ 音楽部門マリア・ジョアン・ピレシュ(ポルトガル/スイス)
■ 演劇・映像部門 アン・リー(台湾)
第27回 若手芸術家奨励制度 対象団体
■ コムニタス・サリハラ芸術センター(インドネシア)
授賞式典は総裁の常陸宮殿下、同妃殿下のご臨席のもと、2024年11月19日に東京都内で開催される。