映画やテレビドラマでの活躍はもちろん、写真家としても作品を発表するなど幅広い分野で活躍しているノーマン・リーダス。まずは、自由なスピリットに溢れ、多くのファンを魅了してきた彼のキャリアを振り返ってみましょう。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)

ファンに見出され、支持され、その声を受けて大きくなっていく

画像: 「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」U-NEXTにて独占配信中
(9月30日(月)よりシーズン2 配信開始)
©2023 Stalwart Productions LLC.

今年の5月に開催された大阪コミコン。様々なセレブ(海外スター)が参加しファンの熱狂的歓迎を受けましたが、その中の一人がノーマン・リーダスでした。リーダスはコミコンでどんなセレブが来てほしいか?というアンケートをとると必ず名前があがる人の一人です。今回の参加は満を持しての来日でした。ノーマン・リーダスの名を知らしめたのはなんと言っても「ウォーキング・デッド」シリーズのダリル・ディクソンです。ウォーキング・デッドは元がアメコミ(グラフィック・ノベル)ですから、アメコミでブレイクした俳優さんというわけですが、実は彼はマーベル・ファミリーもあるのです。

画像: 『ブレイド2』のスカッドも多くのファンに愛されるキャラクター!

『ブレイド2』のスカッドも多くのファンに愛されるキャラクター!

画像1: 【心を射貫くワイルド、ノーマン・リーダス】
バイクショップの店員から俳優の道へ
ノーマン・リーダスの自由なスピリットと、その軌跡

『ブレイド2』

ブルーレイ 2,619円(税込)
DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

©1998 NEW LINE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2002年の『ブレイド2』ウェズリー・スナイプスがヴァンパイア・ハンターを演じるヒーロー映画です。この映画でリーダスは、ブレイドに武器を提供するスカッドというキャラを演じていました。なぜ『ブレイド2』に出演したのか?この映画の監督は、後に『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞をとるギレルモ・デル・トロです。デル・トロ監督が1997年(日本公開1998年)に発表したモンスター・ホラー『ミミック』にリーダスは出演しています。恐らくこの映画がリーダスの日本初デビューだったのではないでしょうか?そうリーダスは「ウォーキング・デッド」が代表作であるためキャリアをドラマからスタートさせたというイメージもありますが、もとは映画俳優からスタート。その前は舞台に立っていました。映画デビュー作は1997年の『Floating(原題)』(日本劇場未公開)という人間ドラマ。もともと俳優を目指していたというより、画家・写真家というアーティストを志向していたそうですが、舞台や映画の方も次第に注目され俳優業に本腰を入れたようです。その一方でモデルもやっており1997年にはプラダの広告に登場。(俳優業を本格的に始めた2000年以降も日本のD'URBANの広告キャラを務めています)

アクション映画『処刑人』は熱狂的なファンを持つカルト映画に

画像: 『処刑人』

『処刑人』

画像2: 【心を射貫くワイルド、ノーマン・リーダス】
バイクショップの店員から俳優の道へ
ノーマン・リーダスの自由なスピリットと、その軌跡

『処刑人』

ブルーレイ:¥5,280(税込)
DVD:¥3,080(税込)
発売・販売元:ギャガ

©1999 by FRANCHISE PICTURES

リーダスを語る上で忘れてはならないのはアクション映画の『処刑人』(2000、日本公開2001)。神の啓示を受けたと信じるカトリック教徒の双子が悪人たちを始末していくサスペンス・アクション。興行的にはふるわなかったようですがDVDリリース時に口コミで人気が出て熱狂的なファンを持つカルト映画となり2009年(日本公開2010年)に続編の『処刑人Ⅱ』が製作・公開されます。リーダス主演の映画の中で続編が作られたのは『処刑人』だけですから、本作はリーダスの当たり役の一つです。実際、大阪コミコンの時にリーダス自ら「『処刑人Ⅲ』は作られるし僕も出演するよ」と明かしたら会場から割れんばかりの拍手が起こりました。

画像: 『処刑人II』

『処刑人II』

画像3: 【心を射貫くワイルド、ノーマン・リーダス】
バイクショップの店員から俳優の道へ
ノーマン・リーダスの自由なスピリットと、その軌跡

『処刑人II』

Blu-ray:2619円(税込)
発売・発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

Ⓒ 2009 STAGE 6 FILMS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
Ⓒ 2010 LAYOUT AND DESIGN SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

画像: 「処刑人」シリーズで共演したショーン・パトリック・フラナリーとは本当の兄弟のように仲良し! Photo by Jun Sato/WireImage

「処刑人」シリーズで共演したショーン・パトリック・フラナリーとは本当の兄弟のように仲良し!
Photo by Jun Sato/WireImage

その他リーダスを語る上で忘れてはならないのは「日本」そして「バイク」。若い時日本に住んでいたという経歴やハローキティが好きなど日本人が親しみを感じる要素があります。小島秀夫さんのゲーム「デス・ストランディング」にも“出演”しています。ハーレイダビッドソンのショップに勤めていたほどのバイク好きでもあり、「ウォーキング・デッド」でもバイクに乗っていました。キアヌ・リーヴスらバイク好きの著名人・俳優と共にツーリングするリアリティ番組「ライド with ノーマン・リーダス」も手掛けており、トム・ハーディらと共演する『ザ・バイクライダーズ』なる新作映画の公開も控えています。

どんなキャラクターでもいいから「ウォーキング・デッド」に出演したかった

画像: 「ウォーキング・デッド」シーズン1

「ウォーキング・デッド」シーズン1

「ウォーキング・デッド」シーズン1 ディズニープラスのスターで配信中
© 2010 AMC Film Holdings LLC. All rights reserved.

画像: 愛おしくて懐かしいS1出演メンバー Photo by John Shearer/WireImage

愛おしくて懐かしいS1出演メンバー
Photo by John Shearer/WireImage

リーダスの代表作であるドラマ「ウォーキング・デッド」は2010年から始まりました。人気アメコミ(グラフィック・ノベル)が原作。ウォーカー/ゾンビが現れ荒廃した世界を描くサバイバル・アドベンチャー。リーダス演じるダリル・ディクソンは全シーズン(2022年まで11シーズン作られた)に登場しています。クロスボウの使い手で高い戦闘スキルを持ちウォーカーや暴徒たちと戦います。ここで注目したいのはダリルというのは原作コミックには登場しない、ドラマのオリジナル・キャラということです。もともとリーダスはとにかくどんな役でもいいからこの番組に出たいとオーディションを受けたそうです。そこで製作陣に気に入られ、リーダスのためにダリル役が作られました。原作に登場するキャラであれば物語のどのあたりで死ぬのかないし最後まで生き残るのか、それを演じる俳優は知ることができます。しかしダリルはドラマ・オリジナルですから視聴者の共感を得られなければいつ排除されてもおかしくない。だからリーダスは新シーズンの脚本が渡される度に、このシーズンで自分が死ぬのではないかとビクビクしていたと語っていました。しかしダリルの人気はうなぎのぼり。途中で首になるどころかドンドン重要人物になっていきます。シーズン4から出演者として2番目にクレジットされ、シーズン10からはついに名前がトップ表示、つまり事実上の主役になりました。さらに2023年から彼を主人公にした「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」が始まります。このシリーズではリーダスは製作総指揮も務めています。「処刑人」シリーズもそうですが、リーダスはファンに見出され、支持され、その声を受けて大きくなっていく俳優さんなのかもしれません。現在は「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」と映画『バレリーナ』(ジョン・ウィックのスピンオフ)の撮影を掛け持ちしているそうです。ドラマに映画に、リーダスの活躍はますます広がっていくのです。

This article is a sponsored article by
''.