<20世紀最高の女優>といわれる伝説的な女優、ロミー・シュナイダーの軌跡をたどる特集上映【ロミー・シュナイダー映画祭2024】が2024年10月18日(金)〜11月14日(木)、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて開催される。

『プリンセス・シシー』『最も重要なものは愛』『デス・ウォッチ』

1938年、オーストリア、ウィーンの名門俳優一家の元に生まれたロミー・シュナイダー。6歳の時に両親が離婚し、不遇の幼少時代を過ごすも頭脳明晰で独立心旺盛だった彼女は14歳で俳優になることを決意。17歳の時の大ヒット主演作『プリンセス・シシー』(55)から、イヴ・モンタンと共演した『夕なぎ』(72)、ヴィスコンティ監督『ルートヴィヒ』(72)、大反響を巻き起こした『追想』(75)と多くの傑作・話題作に出演し世界最高峰の女優として名を馳せたが、一方ではアラン・ドロンとの恋と破局、破産、元夫と息子の死などスキャンダルやゴシップが付き纏う壮絶な人生を送り、『サン・スーシの女』(82)を遺作に43歳の若さでこの世を去った。しかし死後、マリリン・モンローやカトリーヌ・ドヌーヴを抑えて「今世紀最高の女優」(仏CSA調べ)に選ばれるなど、今も世界中の映画ファンに愛され、輝き続けるレジェンドだ。
今回の上映作品はスター女優へとのぼりつめた記念碑的作品『プリンセス・シシー』(55)、鬼才アンジェイ・ズラウスキー監督と組んで演技派女優の地位を不動にした『最も重要なものは愛』(75)、死の2年前に製作され、彼女のベストアクトに挙げられることも多い異色作『デス・ウォッチ』(80)。この度映画祭の予告編と、三作品それぞれのキービジュアルが解禁となった。

画像: - YouTube youtu.be

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一作目の紹介は『プリンセス・シシー』。のちにヨーロッパ宮廷一の美貌であり、最も悲劇的な皇妃とうたわれたエリザベート(シシー)がフランツ・ヨーゼフ1世と出会うまでを描く。撮影当時若干16歳だったロミーの青い瞳、同じくブルーの可憐なドレス姿、豪華な宮廷の装飾に目を奪われるとともに、愛くるしくも複雑さをたたえた表情に、すでに女優としての宿命がみてとれる。

画像: © 1955 Erma-Filmproduktionsgesellschaft Ernst Marischka & Co.

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華やかな『プリンセス・シシー』とは変わり続く二作目の紹介は、『ポゼッション』(81)『私生活のない女』(84)などで知られるポーランドの鬼才、アンジェイ・ズラウスキーによる怪作『最も重要なものは愛』。ロミーは生活のためにソフトポルノ映画に出演する女優を演じており、スリップ姿に長いつけまつ毛メイクで、血まみれの男の上に馬乗りになっているさまは衝撃的。ズラウスキー監督らしい狂騒的な物語のなかで髪を振り乱し、叫び、泣く姿は壮絶ながらむきだしの美しさに貫かれ、見事第一回セザール賞主演女優賞に輝いた。

画像: © 1975 STUDIOCANAL - Rizzoli Film (Italie) - TIT Film Produktion (Allemagne) - Tous Droits Réservés

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多くのフランソワ・トリュフォー作品やジャン=リュック・ゴダール『軽蔑』(63)などを手掛けた名作曲家、ジョルジュ・ドルリューによる音楽も印象深い。最後に紹介されるのは『田舎の日曜日』(84)『ラウンド・ミッドナイト』(86)の名匠、ベルトラン・タヴェルニエ監督による異色SF『デス・ウォッチ』。ハーヴェイ・カイテル、ハリー・ディーン・スタントン、マックス・フォン・シドーという名優たちと共演した本作の中で、ロミーは死期が近づく女性作家の役を演じている。街中に大自然と、動きゆく舞台で流れるようなカメラワークを手がけるのは奇しくも先日9/24に亡くなった、『アウトワン』(71)『アメリカの夜』(73)などで知られるフランスを代表する撮影監督、ピエール=ウィリアム・グレン。

画像: © 1980 / STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - TV 13 Munich avec la participation de la SFP

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