「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズが贈る、ニューヨークのオフ・ブロードウェイから誕生した傑作ミュージカル『アーネストに恋して』が、2024年10月4日(金)より全国順次限定公開。このたびミュージカル俳優の城田優の本作を絶賛するオフィシャルインタビューが解禁になった。

「愛というエネルギーに変換されたファンタジックな物語」

本作は、子育てと作曲家としてのキャリアとの両立に奮闘するシングルマザーが、20世紀を代表する伝説の冒険家アーネスト・シャクルトン(1874-1922年)と時空を超えて運命的に出会うことから繰り広げる、奇想天外で独創的なミュージカル冒険劇。2017年オフ・ブロードウェイ・アライアンス最優秀ミュージカル賞を受賞、セカンド・ステージ・シアターのトニー・カイザー・シアターでニューヨーク・プレミアを迎え、シアトルでの初演を経て、ニュージャージーとボストンを巡り、オフ・ブロードウェイに展開した。演出はオビー賞受賞のリサ・ピーターソンが担当し、脚本はトニー賞受賞のジョー・ディピエトロ(「メンフィス」)が手がける。音楽は、主演のヴァレリー・ヴィゴーダが作詞、ブレンダン・ミルバーンが作曲を担当し、音楽監督および編曲はライアン・オコンネル、音響デザインはトニー賞受賞のロブ・カプロウィッツ(「フェラ!(FELA!)」)、舞台美術はアレクサンダー・V・ニコルズ(「ヒュー・ジャックマン、バック・オン・ブロードウェイ」)が手がけ、衣装デザインはチェルシー・クックという豪華布陣が務める。
エレキヴァイオリン奏者で歌手/作詞/作曲家として幅広く活躍する主演のキャット役ヴァレリー・ヴィゴーダの力強い演奏と圧巻の歌声、そして個性たっぷりのアーネスト役をミュージカル『プリシラ』のウェイド・マッカラムが務め共演が実現!2人が奏でるインパクトあるミュージカル・ナンバーは、大胆にして痛快無比、観た者に希望を教えてくれる人生賛歌だと公演当時絶賛された。ネバーギブアップ精神と前進あるのみで突き進む、全ての人達へエールを送る圧巻のブロードウェイミュージカルだ。

画像: (c) BroadwayHD/松竹 ⒸJeff Carpenter

(c) BroadwayHD/松竹 ⒸJeff Carpenter

ミュージカル俳優としてあまたの賞に輝き、近年では演出家としても活躍する城田優にインタビューを実施。本作の魅力や、役者陣のすばらしさ、さらには舞台に欠かせない“想像力”の是非についてまで、演者として、ときに演出家としての視点であますところなく語ってもらった。

画像: 城田優

城田優

ミュージカル俳優としてあまたの賞に輝き、近年では演出家としても活躍する城田優にインタビューを実施。本作『アーネストに恋して』の魅力や、役者陣のすばらしさ、さらには舞台に欠かせない“想像力”の是非についてまで、演者として、ときに演出家としての視点であますところなく語ってもらった。(以上リード)(取材、文:赤山恭子、写真:高野広美)

ある夜更け、出会い系サイトに自己紹介動画を投稿したビデオゲーム音楽の作曲家・キャット。彼女のもとに、突然20世紀を代表するリーダーと称される南極探検家のサー・アーネスト・シャクルトンから返信が届く。南極で船が難破し流氷の上で身動きが取れなくなったアーネストは、時空を超えてキャットにアプローチし、壮大な冒険の旅へと誘う。思いがけないことに、ふたりは互いの中に自らを照らし導く光を見出すのであった。(あらすじ)

――映画『アーネストに恋して』をご覧になり、いかがでしたか?
第一印象は、とにかく斬新!登場人物が二人だけで、タイムスリップのようなSF感があり、ファンタジックで、かつヒューマンドラマもミックスされている。これまで多くの観劇をしてきましたけど、そんな僕からしても設定自体の斬新度数がかなり高い1本でした。

画像1: 「愛というエネルギーに変換されたファンタジックな物語」

――キャット役のヴァレリー・ヴィゴーダ、アーネスト役のウェイド・マッカラムの演技はどう受け止めましたか?
キャット側は膨大な数の楽器を扱うということ、アーネスト側は一人二役という演じ分けと説得力が必要で、それぞれ本当に大変な役だと思いました。特にキャットはバイオリンにギターにマンダリン、ピアノ…あらゆる楽器を演奏しながら演技もされていますよね。よくあるエンターテインメントですけど、ミュージカルでやっているのを僕は初めて見ました。
キャットの作曲家という設定もおかげで違和感がないですし、説得力があり、観ていても面白い。日本のミュージカル界に、同じようなことをやれる俳優はいるのかな?と思います。本当にレベルが高いことをしていらっしゃると思いました。

画像2: 「愛というエネルギーに変換されたファンタジックな物語」

――二人芝居という独特の空気感の中で、特に印象的だったシーンはありますか?
いやあ、ずっとすごいと思っていましたよ…!キャットのド頭の音楽のシーンは、とにかく好きでした。あのシーンで、「この作品は楽しんでいいんだな」とお客様が思える方向に導いていて、トゥーマッチなシリアスにならない感じが、この作品を観るにちょうどいい入り口になっているんですよね。
僕は常々、お芝居には想像力が必要だと思っているんです。特に、本作は100年前の偉人と出会い系サイトで知り合い、その二人が南極という僕らが知らない場所に冒険に行くという突拍子もないストーリーですよね。それを信じる想像力、客席に「いやいや、そんなわけ」と冷静にさせない力があるので、そういう意味でも頭の導入がすごい肝だと思いました。いかにお客さんに想像させられるかというのが僕らの仕事なわけで、いわゆるただの会話劇よりも、よっぽど想像力がないと、役者も観る側も楽しめない作品だと思いました。

――キャットはアーネストに出会い、彼のポジティブさに背中を押され自分の人生を切り拓いていこうとします。その描かれ方については、どう感じましたか?
観る人たちみんなが共感するような、とても人間らしいキャラクターですよね。キャットは出会い系サイトで年齢を偽り、仕事もピンチで、子の父である彼氏ともうまくいっていない。全然、純風満帆ではないんですよね。でも、世の中に生きている人たち、僕も含めて誰もが「自分だけなんでこういう思いをするんだろう?」と思って生きていると思うんです。そこで感情移入の心が生まれるわけです。
キャットは非常にファンタジックな出会いを経て、アーネストに冒険にいざなわれる。冒険=未知なる世界なので怖いけど、そんな人の心を「せっかく1回の人生なんだから、アーネストみたいに冒険しよう」と思わせてくれる。たとえ危険な旅になろうと、自分が知らない世界を知り、突き進んでいく力みたいなものが、キャットもアーネストと出会い、彼と一緒に冒険の片鱗を見て湧いてきたんだと思うんです。「うまくいかなくてもいい、とにかく諦めてたまるか」というマインドが、時に恋や仕事、友情や趣味などの“愛”というものに変換されてエネルギーになると思うんです。彼女の場合はそれがアーネストという存在だったんだなと思いました。

画像3: 「愛というエネルギーに変換されたファンタジックな物語」

――最後に、本作は『キンキーブーツ』なども上映した「松竹ブロードウェイシネマ」の最新作です。ブロードウェイの舞台を日本の劇場で観られることについて、城田さんはどう感じますか?またもし本作のアーネスト・シャクルトンと『キンキーブーツ』のローラの共通点があれば教えてください。
ふたりの共通点はチャーミングなところですかね。本取り組みに関してはポジティブなことから言えば、ブロードウェイに行くにはお休みを取り、渡航費、滞在費、観劇の費用など、本当にお金がかかります。どんなに行きたくても、なかなか自由に行けないと思うので、観られないお客様たちにとっては本当に救いでしかないシステムだと思います。現に、僕自身もこの作品を映像で観させていただきましたし、非常に恩恵を受けています(笑)。
その一方で、演者側からすると、生の良さというのがあるんですよね。ミュージカルはその時の役者、お客様との相性で作り出されるものだから、一公演一公演、同じシーンでも違ってくるんです。その瞬間に生まれたエネルギーを生で感じることに価値があるとも思うので、こうした上映サービスも取り入れながら、生でも観ていただければと僕は思います。

画像: - YouTube youtu.be

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『アーネストに恋して』は10月4日(金)より全国順次限定公開
出演:ヴァレリー・ヴィゴーダ、ウェイド・マッカラム
演出:リサ・ピーターソン 脚本:ジョー・ディピエトロ 作曲:ブレンダン・ミルバーン 作詞:ヴァレリー・ヴィゴーダ
監督(シネマ版):デイヴィッド・ホーン プロデューサー:ボニー・コムリー、ジオ・メッサーレ エグゼクティブ・プロデューサー:スチュワート・ F・レーン
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹〈米国/2017/ビスタサイズ/88分/5.1ch〉 日本語字幕スーパー版

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