ギレルモ・デル・トロ(映画監督)がコメントを寄せる
今回解禁となる予告編は、鳥のさえずりが響き渡る、のどかな村を捉えた場面から始まる。しかし平穏な日常が、人間の手により少しずつ壊されていく様を本作はうさぎたちの視点で描きだす。うさぎたちが自由に跳ね回っていた場所に、たばこの吸い殻が落ちていたかと思えば、次の場面では高級住宅の開発予定地であることを示す看板が設置される。
主人公のヘイズルは、弟のファイバーがいち早く危険を察知したことから、仲間たちと安全な場所を求めて旅に出ることにする。その道中には、自分たちの村が壊されていくだけでなく、ワナにかかってしまった痛々しいうさぎの姿も。見知らぬ土地に行けば、その場所ごとのルールがあり、野蛮な戦争を起こしかねない将軍に遭遇するなど、苦難と残酷な現実が待ち受ける。
予告の後半では、アート・ガーファンクルが、伸びやかな美しい声で歌う主題歌「Bright Eyes」も流れ、ギレルモ・デル・トロ(映画監督)の「『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』は人生の分岐点となった映画だ」というコメントが添えられている。
『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』の塚本陽がポスタービジュアルを手掛けた
あわせて解禁となるポスタービジュアルは、太陽を背に、主人公ヘイズルが仲間や敵が集まる中心で正面を見ているショットが採用された。ヘイズルは凛々しい表情でまっすぐこちらを見ている。こちら(=チラシを手に取る我々人間)に何かを訴えかけているようにも見えてくる奥が深いデザインだ。
手掛けたのは塚本陽(つかもと・きよし)。『オオカミの家』(18)や、『めくらやなぎと眠る女』(22)など、近年話題となったアニメーション作品から、『さらば、わが愛/覇王別姫4K』(93)や、現在公開中の『悪魔と夜ふかし』(23)などの実写作品を含む、数多くの映画周りのデザインを手掛けている。
「今回試みたのはヘイズル、ビグウィグ、ファイバー、キハールなど魅力的なキャラクターを立てることでした。映画の中に登場する美しい風景とうさぎたちの神話を取り合わせた世界の中で、彼らが一生懸命生きていることが伝わりましたら幸いです」とコメントしている。
世界初! 木製前売り券
予告編の最後にも収められている木製前売り券はシネ・リーブル池袋、シアター・イメージフォーラム、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク京都の窓口にて発売される。
この前売り券は、国産ヒノキの間伐材(森林を健全な状態に保ち、残した木の成長を促すために間引かれた樹木)を使用しており、木目をプリントしているのではなく、チケット自体に本物の木を使用している正真正銘の木製前売り券。
間伐材の利用は、「SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」の達成にもつながり、環境保護や土砂災害の危険性を防ぐ有効性から、映画の「自然保護や自然動物との共生共存」といったテーマにも通じると言える。
一枚一枚、木目の出方が異なり、ほのかなヒノキの香りと豊かな風合いが感じられるはず。
『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち HDリマスター版』
11月30日(土)より、シネ・リーブル池袋、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:アーク・フィルムズ
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