2024年も、英国内外を問わず、映画界を刺激的に盛り上げる英国俳優たち。この先もその勢いはとどまることを知りません。今回はSCREEN読者に愛されるアクターたちを中心に最新の活躍を追いながら、その魅力に改めて迫りたいと思います。今回は本誌の英国俳優総選挙で人気の俳優を中心に最新作の情報をリサーチしてみました!※英字のみで表記している作品名は原題です(文・大森さわこ(コラム)、平沢薫(最新作情報)/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photo by Andreas Rentz/Getty Images

COLUMN 一度好きになれば、ずっと。魅力尽きない“英国俳優”

 英国の俳優たちは長持ち。それが長年、英国の男女優を見てきた筆者の持論である。だから、一度、その人のファンになると長いお付き合いができる。

 例としてまず浮かぶのが、コリン・ファース。80年代に『アナザー・カントリー』(84)でデビューした頃から好感度の高い俳優だったが、年を重ねることで味わい深い名優となり、アカデミー賞も受賞。また、同じ時期に『モーリス』(87)でデビューしたヒュー・グラントは文芸映画が似合う男優からロマンティック・コメディのプリンスとなり、近年はいかがわしい悪役が得意な個性派男優として活躍中。ふたりとも若い頃は英国の美形スターとして注目されたが、年を重ねることで安定感や渋さなど別の魅力が出てきた。

 もっとベテランの俳優に目をやると引退作『二度目のはなればなれ』(23)が公開中のマイケル・ケインや先日亡くなった「ハリー・ポッター」シリーズ(01〜11)のマギー・スミスはほぼ90歳。ふたりとも1960年代から現在までずうっと第一線で活動を続けてきた。年をとっても自然体のままで老いることをヨシとする。皺の数が増え、若い頃ほど容姿が整っていなくても特に気にする様子もなく、ありのままの自分を見せる。でも、長年、鍛え上げた演技力が大きな魅力となり、若い頃にはなかった風格や優雅さ、渋い味わいがにじむ。中には年を重ねてから急に目立つ人もいて、『女王陛下のお気に入り』(18)でアカデミー主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマンなど40代に入ってから売れっ子女優になった。

 もちろん、すべての英国俳優たちがずうっと現役で活躍できるわけではないが、年を重ねることでむしろ地道な歩みを続ける人が目立つ。しかも、映画だけではなく、舞台の仕事も大切にしていて、演技者として成熟することを好む。そんなマイペースな生き方が、なんだか、人間くさい魅力となっている。その気どらない人間くささは、英国という国の魅力でもあるのだろう。そして、一度、その俳優のことが好きになると、こちらもずうっと見守りたくなる。

 今後も若い俳優たちは出ていて、今年、『チャレンジャーズ』が全米では大ヒットしたジョシュ・オコナーなど、今後の活動が特に気になる男優のひとり。どんなマイペースぶりを見せてくれるのだろう? 大ベテランから若手まで英国俳優たちへの興味はつきない。

あの英国スターたちの最新作

ヒュー・グラント(第12回英国俳優総選挙1位)

画像: ヒュー・グラント Photo by Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

ヒュー・グラント
Photo by Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

「ブリジット・ジョーンズ」にカムバック! でもまずはA24のホラーで再会♡

『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』では悪人の領主役、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ではウンパルンパ役と、ますます演技の幅を広げているヒュー・グラント。最新作は、A24製作のサイコ・サスペンス映画『Heretic』。トロント国際映画祭で上映され、11月8日全米公開。若い女性宣教師2人が訪問した家で出会う、謎の人物役で主演。これまでとはまた違う、邪悪な人物を演じていそう。

 続いて「ブリジット・ジョーンズ」シリーズ第4作『Bridget Jones: Mad About the Boy』が2025年2月14日に全米公開。前作には出演しなかった彼が本作で復帰、しかも、彼の出演シーンの脚本を自分で書いたとのこと。出演シーンは短く、撮影は約1週間だったそうだけど彼自身が「すごく感動すると思う」と語っているので期待大!

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画像1: 【やっぱり、いつまでも好き。英国俳優特集2024】SCREEN読者が愛するあの英国スターたちの最新作!

『Heretic』(原題) 
2025年、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

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ベネディクト・カンバーバッチ (第12回英国俳優総選挙2位)

画像: ベネディクト・カンバーバッチ Photo by Matt Winkelmeyer/WireImage

ベネディクト・カンバーバッチ
Photo by Matt Winkelmeyer/WireImage

演技派ベネ様クセの強そうな作品ゾクゾク

 ウェス・アンダーソンが監督、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクスらと共演するコメディ・サスペンス『The Phoenician Scheme』が撮影済み。泥沼の離婚騒動を描くブラック・コメディ『ローズ家の戦争』(89)のリメイクで、オリヴィア・コールマンと夫婦を演じる『The Roses』が撮影中。続く英作家マックス・ポーターの同名小説が原作の映画『The Thing with Feathers』では、妻を亡くした男役で、息子2人と一緒に悲しみを乗り越えようとする。ジャスティン・カーゼル監督のSF映画『Morning』も企画進行中。

ジェイソン・ステイサム(第12回英国俳優総選挙3位)

画像: ジェイソン・ステイサム Photo by Mike Marsland/WireImage

ジェイソン・ステイサム
Photo by Mike Marsland/WireImage

正月から脳天直撃! アクション作品複数進行中

 今は養蜂家になっている、元秘密組織の工作員が大暴れする『ビーキーパー』が2025年1月3日に日本公開。同作のデヴィッド・エアー監督と再タッグした映画『Levon's Trade』も撮影済みで、こちらでは今は建設業者、かつては特殊部隊員の男を演じ、娘を危機から救う。大ヒット作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』の続編『Fast X: Part 2』も製作進行中。目の前で社長を殺された部下が、事件の真相を追って国際的陰謀に巻き込まれるサスペンス・アクション映画『Mutiny』も製作決定。

画像2: 【やっぱり、いつまでも好き。英国俳優特集2024】SCREEN読者が愛するあの英国スターたちの最新作!

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『ビーキーパー』
2025年1月3日(金)全国公開 
配給:クロックワークス

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