カバー画像:「ハンニバル」シーズン1より © 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.
今でも続編を望む声は絶えない!
ファンの心に深く刻まれた「ハンニバル」シリーズ
2013年から3シーズン続いた大ヒットTVシリーズ「ハンニバル」。ハンニバル・レクターの若き日を描いた映画『レッド・ドラゴン』の登場人物を引き継いだオリジナルストーリーとして制作された本作は、主演のマッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーのケミストリーの良さも相まって、世界中のファンの心を鷲掴みにした。12月6〜8日に開催される「東京コミコン2024」に、マッツとヒューがそろって来日することを記念し、「ハンニバル」の魅力を紐解いてみたい。
ドラマ「ハンニバル」は、人肉を食す猟奇殺人犯が主人公であるにもかかわらず、マッツによる、頭から爪先まで美しい、エレガントな演技によって、恐ろしさを感じながらも惹き付けられずにいられない魅力に溢れた作品となった。血まみれの殺戮シーンでさえも、マッツの背中から感じられる色気が凄まじく、本作から彼のファンになる人が続出した。
そして、何よりもマッツが演じる精神科医のハンニバルと、ヒューが演じるFBIの犯罪プロファイラー、ウィル・グレアムの切っても切れない複雑な関係が、最終話まで視聴者を釘付けにし続けた。連続殺人犯の精神を“見る”ことができるという天賦の才能を持つウィルだが、その能力によって精神状態が不安定になり、彼に捜査協力を依頼するFBI行動科学課のジャック・クロフォード(ローレンス・フィッシュバーン)が、ウィルの精神状態を診る役目をハンニバルに頼んだことから、2人の関係が始まった。
シーズン1では、ハンニバルが連続殺人鬼だと気づいたウィルは、彼によって殺人の罪を着せられ、精神病院に収監されてしまうところまで描かれる。シーズン2では、どうにか釈放されたウィルだったが、周囲を操ることに長けたハンニバルが殺人鬼だと誰にも信じてもらえず、彼を殺そうとするが失敗。そんな中、徐々にハンニバルと同化していくウィルは、彼に対する愛憎のような気持ちに葛藤し続ける。
シーズン3で、ウィルとの間に存在するものが愛だと認めるハンニバル。ウィルとの絆を保つために投降し、いつでも彼が自分に会いに来られるようにしたハンニバルは、最凶の殺人鬼レッド・ドラゴンを捕まえるための囮となり、ウィルと共に死闘を繰り広げた末、最後にはウィルもハンニバルを受け入れ、2人で固く抱き合ったまま崖から落下。これ以上ない究極の愛のシーンとして、ファンの心に深く刻まれたが、今でも続編を望む声は絶えない。
ハンニバル&ウィルのここが尊い!
忘れられないセリフと振り返る名場面5
回が進むほどに重要な意味を持つセリフの数々にも注目の「ハンニバル」シリーズ。ここでは、今作でのハンニバル&ウィルの忘れられないセリフとともに、5つの名場面を振り返ります!
“君が私を変えられると思うか?” “すでに変えた”
S2 第13話「Mizumono(水物)」
シーズン2のオープニングから示唆されていたハンニバルとジャックの死闘。ウィルはハンニバルを仕留めるために綿密な計画を練っていたが、ハンニバルにはお見通しで、ジャック、そしてウィルも重傷を負わされる。血まみれになりながらもウィルは強気の表情で「すでに変えた」と答え、ハンニバルを束の間動揺させるのだった。
“愛だ” “裏切りと許しは切っても切り離せない”
S3 第3話「Secondo(セコンド)」
ベデリアとの会話の中で、ウィルが自分に与える感情を一生に訪れるかどうかの、抗えない「愛だ」と認めるハンニバル。許しも裏切りもその感情と同じだという彼女に、ハンニバルはそれは切っても切り離せないものだと答える。そして、ウィルを許すためには彼を食べるしかないという結論に至る。常人には理解し得ない愛の形だ。
“君と一生いることになってもこの時間を思い出す”
S3 第6話「Dolce(ドルチェ)」
イタリアに逃亡中のハンニバルをウフィツィ美術館のボッティチェリの間で見つけたウィル。2人とも大怪我を負い、ボロボロの状態で、ハンニバルがウィルにこの言葉を告げる。お互いの愛を感じ合いながら「僕らは同化してる」と分析するウィル。すでに二人が離れられないと感じさせるロマンティックさが醸し出されたシーンだ。
“家族とギクシャクしたら私を思え 私のことを考えろ 心配するな”
S3 第13話「The Wrath of the Lamb(羊の怒り)」
ウィルに自分の居場所を知っていてほしいと、自ら投降し収監されたハンニバル。3年後、子連れの女性と結婚し穏やかに暮らしていたウィル。だがジャックに頼まれ、レッド・ドラゴンの捜査協力でまたハンニバルと会うことに。ウィルにこう言って彼の心を再び掴もうとするハンニバルに、ウィルはきっぱりと拒絶して立ち去る。
“これが2人のために願っていたことだ” “素晴らしい”
S3 第13話「The Wrath of the Lamb(羊の怒り)」
実際は、家族と幸せに暮らそうとしても、ハンニバルと離れることなどできないウィル。それはハンニバルも同じだった。だが、生きて一緒にはいられないと分かっているウィルは、2人で力を合わせてレッド・ドラゴンを殺した後にこの会話を交わし、抱き合って崖から落ちていく。ハンニバルの至福の表情が、いつまでも心に残る。
ハンニバル シーズン1 © 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.
ハンニバル シーズン2 ©2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
ハンニバル シーズン3 © 2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
「ハンニバル」全シーズンU-NEXTにて配信中
どうなる!? 「ハンニバル」シリーズの今後!
「崖から落ちてもハンニバルとウィルはきっと生きている!」という希望を抱き、「ハンニバル」復活を切望する声は、シーズン3終了から9年経った今も上がり続けている。番組のリブートに前向きのマッツはインタビューで「キャスト全員とブライアン(・フラー/クリエーター)がまた戻りたいと思っているのは秘密ではない」と明かし、ファンエキスポで「ウィルがハンニバルに恋をするには何が必要?」と聞かれたヒューが「7シーズン?」と冗談ぽく答えるなど、2人とも復活を待ち望んでいるのは間違いない!
期待しつつ続報を待とう。