フランス人作家シドニが、日本の出版社から招聘される。見知らぬ国、見知らぬ人への不安を覚えながらも、彼女は未知の国ニッポンにたどり着く。寡黙な編集者の溝口に案内され、日本の読者と対話しながら、桜の季節に京都、奈良、直島へと旅をするシドニ。そんな彼女の前に、亡くなった夫アントワーヌの幽霊が現れて……。世界各国の巨匠たちとのコラボレイトで映画ファンを沸かせてきたフランスの至宝イザベル・ユペール。今回は日本を舞台に“不思議の国”に迷い込んだ作家シドニを軽やかに演じている。シドニと全編フランス語で会話し、深い喪失を共有する編集者の溝口健三役には、日本国内にとどまらず世界で活躍する国際派俳優の伊原剛志。そしてシドニの最愛の夫アントワーヌの幽霊役をアウグスト・ディールが演じ、愛と再生の物語にユーモアを添えている。
本作でイザベル・ユペール演じる主人公シドニを日本の旅へ誘う編集者の溝口健三を演じたのは、『硫黄島からの手紙』(06)はじめ、数々の海外作品に出演経験を持つ伊原剛志。世界で活躍する国際派俳優の伊原だが、なんと、本作では全編フランス語の演技に初挑戦している。元々まったくフランス語を話せなかったものの、撮影準備期間に猛特訓を重ね、エリーズ監督とのオンラインディスカッションも実施。京都、奈良、直島を巡る旅でシドニと心を通わせる“溝口謙三”を作り上げた。そんな伊原の演技をイザベル・ユペールは大絶賛。「本当に彼の仕事は唯一無二のことで、私にフランス人俳優として日本語で演技をしなさいと言われても、私は多分できませんね。本当に素晴らしいお仕事をしてくださいました。この役は伊原剛志さんしかできないと思っていますし、彼の素晴らしい成果なくしてこの映画は成り立たないと思っています。」と話す。
そしてこの度、本編映像も解禁。奈良の東大寺、京都の法然院が映し出されるなか、伊原が流暢なフランス語で会話を繰り広げる。あわせて場面写真も解禁。健三とシドニが微笑みあうシーンなどが切り取られている。
『不思議の国のシドニ』
12月13日(金)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:ギャガ
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