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主演女優賞部門 ノミネート予想
この部門で一躍本命に躍り出た?と目されているのが『サブスタンス』のデミ・ムーアだ。ゴールデングローブ賞(ミュージカル/コメディ部門)でのサプライズ受賞と、感動的なスピーチによって、オスカー候補投票者の心もつかんだのでは、と噂されている彼女だが、この衝撃作でまさに女優生命を賭けたような役作りを見せてくれる。しかし元々この部門で本命視されていたのは『ANORA アノーラ』のマイキー・マディソンと『エミリア・ぺレス』のカルラ・ソフィア・ガスコンの新星2人。前者でロシア大富豪の息子と勢いで結婚して大騒動を巻き起こす痛快ヒロインを演じたマイキー、後者で元麻薬王ながら性転換手術をして全く新しい人生を歩み始める異色ヒロインを演じたカルラ。どちらも観客の目を釘付けにするような役柄で、受賞に相応しい熱演を見せてくれる。彼女たちに待ったをかけるのは『ウィキッド ふたりの魔女』で“悪い魔女”エルファバを好演したシンシア・エリヴォ。圧倒的な表現力と歌唱力で見る者を魅了すること間違いなし。この4人と一緒にSAG賞の候補に入ったのは、『The Last Showgirl(原題)』で職を失ったベガスのショーガールを演じたパメラ・アンダーソンで、ゴールデングローブ賞に続く彼女の候補入りは快挙と言われている。パメラが獲得した席に予想されていたのは『マリア』のアンジェリーナ・ジョリー、『ベイビーガール』のニコール・キッドマンといったビッグネーム。さらに覚えておきたい名前はゴールデングローブ賞(ドラマ部門)でやはりアンジー、ニコールらを抑えて逆転受賞した『I’m Still Here(原題)』のブラジル女優フェルナンダ・トーレス。本作で主婦から人権活動家に転身した実在の人物ユーニス・パイヴァを演じ、注目度が急上昇。また『Hard Truths(原題)』で常に不機嫌なヒロインを演じたマリアンヌ・ジャン=バプティストも侮れない存在だ。
助演女優賞部門 ノミネート予想
ここで一歩リードしているのは『エミリア・ペレス』でメキシコの麻薬王に新たな人生を用意して運命が変わっていく弁護士を演じたゾーイ・サルダナ。ゴールデングローブ賞を受賞し、SAG賞にもノミネートされている。対抗になりそうなのは『ウィキッド ふたりの魔女』で“善い魔女”を演じたアリアナ・グランデ。彼女もSAG賞候補になっているが、この2名以外は混戦模様。残りのSAG賞ノミニーは『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でフォーク界の女神と呼ばれるジョーン・バエズを好演したモニカ・バルバロ、黒人一家の家宝となるピアノをめぐる戯曲の映画化『ピアノ・レッスン』のダニエル・デッドワイラー、そして主演女優賞のパメラ・アンダーソン同様、これまであまり注目されていなかった『The Last Showgirl』のジェイミー・リー・カーティスの3名。オスカー・レースではここにゴールデングローブ賞で候補になっていた『教皇選挙』のイザベラ・ロッセリーニ、『ブルータリスト』のフェリシティ・ジョーンズらが加わるデッドヒートが展開。ダークホースとして、クリティック・チョイス・アワードでこの部門のノミニーに入った『Nickel Boys』のアーンジャニュー・エリスもチェックしておきたい。
さらに彼女たちもチェック!
主演女優賞部門で可能性が残るのは、まず『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』で死期が迫る女性を演じたティルダ・スウィントン。そして『Lee(原題)』で第二次大戦下、従軍記者となったモデルのリー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレット。この2人はゴールデングローブ賞でもノミニーに入っている。助演女優賞部門では『サブスタンス』でデミ・ムーアと張り合ったマーガレット・クアリーの熱演を推す声も。彼女もGG賞候補だった。
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