












これまでにカンヌ国際映画祭の監督週間(『波紋』)やオフィシャルセレクション(『スウェット』)に選出された経験を持ち、その社会の闇を見据える視点が話題を集めるマグヌス・フォン・ホーン監督の最新作『ガール・ウィズ・ニードル』は、1世紀前に実際に起こった連続殺人事件を基に、社会の中で使い捨てにされがちな人たちを主人公に、現代にも通じる社会が抱える闇の深淵を浮き彫りにする北欧ゴシック・ミステリー作品。
舞台は、第一次世界大戦後のデンマーク・コペンハーゲン。家賃の支払いが滞るほどに困窮していたお針子のカロリーネが、勤め先の工場長との恋の果てに妊娠し、望まれない子どもたちの里親探しを支援する女性ダウマと出会うが、それは悪夢のはじまりでしかなく、更なる地獄の扉を開けることになる。
今回解禁となった場面写真では、貧困の中、生き抜くため必死で奮闘する主人公・カロリーネ(ヴィク・カーメン・ソネ)の白い帽子をかぶったお針子姿や霞がかった通りにたたずむ幻想的な様子、お菓子屋を営みながら、育てられない子を持つ母親に寄り添うダウマ(トリーネ・デュアホルム)の無表情で赤ん坊を抱く姿、また、突如、戦地から帰還するも酷い傷を負うカロリーネの夫(ベシーア・セシーリ)の姿などが確認できる。一体、彼らが抱える闇とは何か。この時代、この町で何が起こったのか……。
そして、3月10日(現地時間)に発表されたポーランドのアカデミー賞と称される「イーグル賞」で、本作は「聖なる犯罪者」と並ぶ同映画祭史上最多受賞となる作品賞、主演&助演女優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞を含む11部門で受賞。イーグル賞では、これまでに「戦場のピアニスト」や「COLD WAR あの歌、2つの心」、「カティンの森」や「EOイーオー」が作品賞を受賞。また、ケイト・ブランシェットは「息もできないほどの緊張感」を持つと絶賛し、デヴィッド・クローネンバーグ監督も「ファンタスティック!強くお薦めする」とコメントしている。
『ガール・ウィズ・ニードル』
5月16日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開
配給:トランスフォーマー
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