ハマったら抜け出すことができない魅力に溢れる中国ドラマ。その人気ぶりは今も尚、加速するばかり。そこで今回は、中国ドラマは気になっているけれど、どれから観ればいいのかわからない…というあなたにオススメの作品を時代劇と現代劇に分けてそれぞれご紹介します。まずは、圧倒的スケール感で人気を誇る時代劇から!(文・林穂紅/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:写真:Everett Collection/アフロ

豪華絢爛なセットや俳優陣だけでなく長尺で深みのある人間ドラマが展開!

中国時代劇の魅力は、何と言ってもその圧倒的なスケール感。例えば、唐を舞台にしたサスペンス「長安二十四時」(全48話)では、再生回数165億回、総製作費150億円、4万6000平方メートルの敷地に当時の街並みを再現…と、数字だけでクラクラする。日本の太秦映画村に相当する撮影所・横店影視城だけでも東京ドーム70個強。各時代の様式の王宮が建てられ、リアル感が半端ない。セットばかりでなく衣装や小道具も本格的。清朝宮廷の刺繍工房が舞台の復讐劇「瓔珞〈エイラク〉〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜」では手刺繍や伝統工芸を惜しげもなく投入、その豪華さにはため息しか出ない。

豪華絢爛なのは俳優陣もしかり。層が厚いので美女からイケおじまでよりどりみどり。長らく大学の演劇専攻出身者が主流だったが近年はアイドル出身のキャストも多く、顔面偏差値の高さはもちろん、自ら主題歌・挿入歌を歌い、ダンスを生かしたアクションを見せるなどプラスαの活躍で人気を集めている。

時代劇は長尺の作品が多いため脇役にもしっかりスポットが当たり、サブプロットも含めた深みのある人間ドラマが展開する。その一方で、恋する男女がくるくる回る、ちょっとした事で口から血へどを吐く、等々の「時代劇あるある」なお約束の演出がシリアスな作品にもしばしば登場してファンを喜ばせてくれる。

各時代に興味深いエピソードが事欠かないだけに、史実に材を取った「ミーユエ 王朝を照らす月」「風起隴西(ふうきろうせい)−SPY of Three Kingdoms−」などの作品も見応えがあるが、近頃は架空の時代を舞台にした時代劇ファンタジーがアツい。

ランキングの作品部門1位に輝いた「山河令」はその代表格。ファンタジーだけに空を飛んだり水の上を走ったりは当たり前、何でもアリの強烈な作品が多く、もはや時代劇の主流だ。チェン・カイコー監督の息子チェン・フェイユーが主演した「将夜 戦乱の帝国」、ヒット請負人チャン・ルオユン主演の「雪中悍刀行〜徐鳳年、北椋王への道〜」など話題作が目白押し。

中でも、シャオ・ジャンとワン・イーボーがW主演した「陳情令」は、日本で中国時代劇がメジャー化するきっかけとなった記念碑的作品。邪道に走ったとされ人々から恐れられる黒衣の魏無羨と、正道を守り皆の模範とされる白衣の藍忘機。正反対に見える2人の仙師が修身界を揺るがす陰謀の真相を暴き、絆を深めていく物語。本作でブレイクした主演2人とキャラクターの魅力に加え、全50話を飽きさせない緻密な構成、原作小説の世界観に沿った美しい映像、中国の伝統楽器を駆使した音楽など高評価も納得のクオリティで、一度は見ておきたい名作だ。

日本で中国時代劇がメジャー化するきっかけとなった大ヒットブロマンス・ファンタジー時代劇「陳情令」

画像: 「陳情令」 写真:Everett Collection/アフロ

「陳情令」
写真:Everett Collection/アフロ

シャオ・ジャン&ワン・イーボーが今作でブレイク!

画像: シャオ・ジャン Photo by Getty Images

シャオ・ジャン
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画像: ワン・イーボー Photo by Getty Images

ワン・イーボー
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この作品をきっかけにトップスターの座に上り詰めたシャオ・ジャンとワン・イーボー、そして彼らが演じた主人公たちの魅力はもちろん、彼らを取り巻く脇役たちも外せないポイント。口は悪いが心の底では魏無羨を案じる江澄、頼りない見た目と裏腹に切れ者の聶懐桑、オーディションでは一番人気だったという悪役の薛洋など、登場人物たちが織りなす巧みなアンサンブルに注目したい。

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