(Photo & Text/BIG ONE GIRLS編集部)

――ARISAは自伝で人気作家になります。もし、円井さんがARISAみたいに、自伝を出すとしたら、どの時代の自分にスポットを当てますか?
中学生時代かなぁ…。中学生の頃に人間関係が上手くいかなすぎて。同級生が何を言っているのかがまったく理解できなくて、変わり者と思われてたんですよ。それでいじめみたいな目に遭って。私も自由すぎたから、当時の学校生活だと、協調性がない人だと思われていて、それに嫌気がさしてグレました(笑)。ある時、辛い空気から逃げたすぎて、オタクになっていたんです(笑)。
――逃避するために?
オタクになったら、誰も自分のことを相手にしなくなるんじゃないかと考えて。何かのオタクになればいいと思ったんです。そういうオタクの体にして振る舞っていたら、面倒から解き放たれて疲れなくなりました。
――激動の中学時代ですね。
今でもこの話をすると、友だちは号泣しちゃうぐらいです。本当に辛かったんですよ。だから、ARISAの辛い学生時代を過ごした気持ちは分からなくないんです。
――劇中の自伝が本当かどうかはおいといて、海辺で北村さん演じる野島と話すシーンは、ARISAの素の姿に近いのかなという印象を受けました。
最近ふと思ったんですけど、何か事件が起こす人がいると、「犯罪者」という目で見てしまうじゃないですか。でも、その人を本当に責めることはできないんじゃないかと、どんな事件を見ても考えてしまうんですよ。確かに人を傷つけた加害者は、事実としては悪いことですが、事件にいたるまでの裏を知れば、本当にその人たちだけを責めることはできるのか?と疑問を持っています。だから、映画の中では、野島もARISAも責められないし、監督役のう大さんもプロデューサー役の礼子さんも、野島の娘の心愛ちゃんも、どの立場の人物も責めることができない。善悪だけでは判断できない、複雑な気持ちになりました。
――劇中の映画制作のスタッフや出版側の人間を見て、現実味を感じました。制作側のあるあるじゃないですが…(笑)。
うーん、確かに物語をキレイに描いた方がいいとか、あるのかもしれませんね…。たまに、ストーリーを聞いて「これ盛ってない?」とか「キレイ事すぎじゃない?」と思うことはありますね。
――撮影中に、内田監督と何かお話はしましたか?
内田監督が本当になにも言わない方なんですよ(笑)。「頑張って!」とだけ言われました。
――では役作りも難しかったのでは?
ありがたいことに、こんな私を神みたいに崇めてくださる同業の方がいらっしゃって(笑)。その方たちに「なんでそんなに私を?」と話を伺いました。ARISAの持つカリスマ性が分からなかったので、人から聞いた自分をARISAに投影しました。モデルにしていたビリー・アイリッシュもカリスマ性があるので、振る舞いなどは参考にしましたね。
――北村さんとの共演はいかがでしたか?
すっごく心が揺れました!お互いにセリフを口にしているんだけど、フツーに会話しているような感覚になりました。すごい人なんですよ!一緒にお芝居していて楽しかったです。
――北村さんとの海辺のシーンは楽しそうに見えました。
この撮影の時、「ARISAはこんなお父さんが本当は欲しかっただろうし、野島は娘とこういう風に話したいんだろうね」と内田監督に言われました。それを聞いて泣いちゃいました(笑)。
――劇中の好きなシーンを含めて、改めてこの映画の見どころを教えてください。
私は、結構、家族を描いている部分も好きで。視聴者のみなさんが身近に感じて共感できるシーンかなと思っています。映画制作や私小説の世界だけではなく、日常の世界にもフォーカスしています。それぞれの世界に思えるかもしれませんが、俯瞰して見ると、繋がっているんです。そんな中でも、やっぱり海のシーンが私もいちばん好きですねー。
――私も観ていて、すごく仲いいなと思いました。
きっと、ARISAには、本音で話してくれる野島みたいな人が、周りにいなかったんだろうなと思います。

<PROFILE>
円井わん
生年月日:1998年1月3日
出身地:大阪府
<近年の主な出演作>
映画『知らないカノジョ』(25年)
映画『君の忘れ方』(25年)
映画『バジーノイズ』(24年)
映画『マッチング』(24年)
映画『サイレントラブ』(24年)
ドラマ「離婚後夜」(24年)
ドラマ「街並み照らすヤツら」(24年)
ドラマ「TOKYO VICE」season2(24年)
ドラマ「不適切にもほどがある!」(24年)
ドラマ「お別れホスピタル」(24年)
連続テレビ小説「虎に翼」(24年)
<待機作>
連続テレビ小説「ばけばけ」(25年後期放送)
『逆火』
7月11日(金)テアトル新宿ほか全国順次公開

<STORY>
映画監督を夢見る助監督の野島(北村)の次の仕事は、貧困のヤングケアラーでありながらも成功したARISA(円井)の自伝小説の映画化であった。ところが、周辺で話を聞くうちに彼女に “ある疑惑”が浮かび上がる。この女は、悲劇のヒロインか、それとも犯罪者なのか――?
出演:北村有起哉
円井わん 岩崎う大(かもめんたる)
大山真絵子 中心愛/片岡礼子
岡谷瞳 辻凪子 小松遼太 金野美穂 島田桃依
原案・監督:内田英治
脚本:まなべゆきこ
配給:KADOKAWA
©2025「逆火」製作委員会
PRESENT:サイン入りチェキ1名様
@screenonlineをフォロー&リポストで
円井わんさんのサイン入りチェキを抽選でプレゼント
《サイン入りチェキ応募方法》
<X>よりご応募ください。
①SCREEN ONLINE公式アカウント @screenonlineをフォロー
②円井わんさんのSCREEN ONLINE記事を含めた「該当ポスト」をXでリポスト
応募にはXへの登録が必要となります。
「該当ポスト」のリポストまたは、引用リポストまたは、リプライのご投稿をしていただいた方にキャンペーンの当選権利がございます。
当選者の決定前にフォローを解除されると抽選、選考の対象外となります。
記載メンション、#タグ、URLの変更・削除は抽選、選考の対象外となります。
プログラム等による自動投稿は抽選、選考の対象外とさせていただく場合があります。
当選した権利を第三者に対し譲渡・転売することはできません。オークションへの出品等転売行為は固く禁止させていただきます。
当選者には、DM(ダイレクトメッセージ)にてご連絡いたします。
賞品のお届け先は、日本国内に限らせていただきます。
【応募締切】
2025年7月18日(金)23:59まで