『逆火』は現代社会の抱える問題や矛盾を映画制作現場という舞台を通して、人間の表と裏を炙り出していく内田英治が原案と監督を担うヒューマンサスペンス。本作では自伝小説で成功した疑惑のヒロインを円井わんが務める。昨今、ドラマや映画で独特の存在感を放つ円井は、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK)のヒロインの幼なじみ役として出演が決定しており、その活躍に更に注目が集まりそうだ。
(Photo & Text/BIG ONE GIRLS編集部)
画像1: 「実話」と銘打たれた感動ストーリーが、嘘だとしたら?
内田英治監督が描くヒューマンサスペンス『逆火』にて疑惑のヒロインを演じる円井わんにインタビュー

――『逆火』のARISA役のお話は、どういった経緯で決定したんですか?

まず、俳優たちで映画を作らないかという話をしていて、その時に「監督は内田(英治)さんがいいんじゃないか」となって。そのうち、プロデューサーの藤井(宏二)さんと関口(海音)さんを巻き込んで始動しました。その時点では、脚本や配役は決まってなかったんですけど。企画が動いていく中で、原案を内田さんが、まなべ(ゆきこ)さんが脚本を進めていき、出来上がった段階での台本を見たら私がARISAになってました。

――ご自身も含めて、俳優たちで企画したんですね!?

そうですね。「映画撮りたい」という衝動ではじまったので、具体的にこういう作品がいいという案はなかったんです。

――北村有起哉さんや岩崎う大(かもめんたる)さんも決まっていたんですか?

北村さんやう大さん、片岡礼子さんにはオファーしてお願いしました。中(心愛)さんはオーディションで決まりました。企画の発端になった仲間内で話していたのは、大山(真絵子)さんや岡谷(瞳)さん、辻(凪子)さん、小松(遼太)さんです。

――その時はどんな風に盛り上がったんでしょうか?

大山さんを筆頭に「映画撮ろうよ!」って。前にも大山さんと一緒に短編映画を撮ったことがあったので、今度はスケールを大きくして、またできたらいいなと。そして完成しました!

――気づいた時にはARISAに決定していたのですが、そんな彼女は疑惑のヒロインです。実際はどんな女性だと捉えましたか?

ARISAは芯もしっかりしているし、自己防衛能力がすごくある人なんだろうなと感じました。昔の自分にも似ているのかもと思います。10代の頃から、「強くなきゃ!」とか「しっかりしなきゃ!」という感覚をずっと自身の中で構築してきた人なんだろうなと思いました。

――確かにARISAにはたくましさを感じました。人物像の設定はありますか?

内田監督に「Awichみたいな感じで!」とリクエストがありました。あと、ビリー・アイリッシュ。

――あー!!なるほどね(笑)!

「分かった!」ってなりましたね(笑)。そのお二人の映像を観て、なるほどねと。なので、ロールモデル的なものはAwichさんとビリーからいただいてます!

――成功してからのARISAは確かに!

服装とかですよね。衣裳さんにも「ビリーで!」って言っているのを聞きました(笑)。

――テーマが貧困だったりヤングケアラーだったりします。事前に調べたことはありますか?

ドラマ化される前でしたが、「東京貧困女子。」の原作本を読んでいました。その記者の方が書かれた分厚い本も読んだり、また、そういう方たちのnoteを見たりしました。共演した中さんも、実際にトー横を歩いてみたりしたそうです。

――ガッツありますね(笑)。

そうですね(笑)。今になって考えてみたら、自分の生まれた地域も上品な町ではなかったかもなと(笑)。一口に貧困と言っても、いろいろな状況にもよるでしょうから。とにかく、ネットで様々なケースを調べて読みました。

――人物像は掴みやすかったですか?

100%理解したとは言えないですが。むしろ、Awichさんやビリーに引っ張れたかもしれません。

――ARISAは女子高生時代と人気作家になってから、雰囲気も変わってきます。スタッフと相談したりしたんですか?

ファッションは完全にビリーでした(笑)。人気作家になってからのメイクでは、シャドウを塗ってる時に、「結構塗るんでね!?」って思ったより濃かったのを記憶していますが、「カリスマ性」がある役なので、理解できました。

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