セバスチャン・スタンと監督が熱烈アプローチ！『顔を捨てた男』出演レナーテ・レインスヴェとは？

解禁映像にも登場するイングリッド役レナーテ・レインスヴェとは？

顔に極端な変形を持つ、俳優志望のエドワード（スタン）。自分の気持ちを閉じ込めて生きる彼は、ある日、外見を劇的に変える過激な治療を受け、念願の新しい顔を手に入れる。別人として順風満帆な人生を歩み出した矢先、目の前に現れたのは、かつての自分の「顔」にそっくりな男オズワルド（アダム・ピアソン）だった。その出会いによって、彼の運命は想像もつかない方向へと逆転していく—— 。

レナーテ・レインスヴェはヨアキム・トリアー監督作『わたしは最悪。』（21）で第74回カンヌ映画祭の主演女優賞を受賞し大ブレイクした、ノルウェー出身の俳優。同作を観てレインスヴェに惚れ込んだアーロン・シンバーグ監督は、まず主演のスタンに相談。スタンも「あの映画での彼女の演技には圧倒された」と二人の意見が合致し、脚本を送ることになったという。

当時のレインスヴェは『わたしは最悪。』で一気に注目され、たくさんの脚本が送られてきていたが、本作を「当時受け取った脚本の中で一番興味深く、そして難しい役だった」と振り返る。レインスヴェが本作で演じたイングリッドは、主人公エドワードの隣に引っ越してくる劇作家の卵。隣人として、また劇作家として、顔を変える前、そして顔を変えて別人として生きるエドワードと接する重要な役どころだ。イングリッドは、エドワードと接する中で徐々に惹かれていき、彼を題材にした作品を創作する。

自身の役柄についてレインスヴェは「他人の物語を戯曲にするのは、彼女が自分の感情と向き合えていないからこそ。イングリッドは自分の人生を見つけようとしている人だと思う」と分析。本作でメガホンをとったシンバーグ監督は、今回彼女が演じたイングリッドという役について「ある瞬間は誘惑的で、皮肉っぽくもあり、拒絶的でもあり、そして不安げ。この映画で最も難しい役はイングリッドだ」と断言している。

レインスヴェは、本年度の第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でグランプリを受賞した、ヨアキム・トリアー監督作『Sentimental Value（英題）』（25）や、セバスチャン・スタンと再共演するクリスティアン・ムンジウ監督作『Fjord（原題）』（25）といった今後の出演作が立て続けに発表されており、話題に事欠かさない今注目すべき俳優と言って間違いないだろう。

あわせて解禁された本編映像は、本当の姿を隠し、別人ガイとして接するエドワードとイングリッドの会話シーンを切り取ったもの。「本音を言えばこのマスクのような顔の役者を使いたかった」と複雑な心境を話すイングリッドと「僕がやるべきだ」と息巻くガイ。イングリッドは、葛藤を打ち明けつつも、オーディションでのガイの演技を絶賛。ガイは思わず笑みがこぼれるのだった。

また同時に解禁された場面写真は、スカーフを巻いて颯爽と歩くイングリッドの後ろをこっそりとガイがついていく場面が映し出されたもの。オーディションでガイの演技を見て驚きを隠せない表情を浮かべるイングリッド。自身が作る舞台について話す場面といった、イングリッドの様々な表情を切り取ったもの。ノルウェー出身で全編英語で挑んだ初めての演技にして、難役を見事に演じたレナーテ・レインスヴェに注目だ。

『顔を捨てた男』場面写真3