人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を“深い知識と深い愛”をもってお届けする本連載。今回はアメコミ映画ファンがとっても気になる「アベンジャーズ」映画2作品の公開延期について「スパイダーマン」映画新作との関連性を交えて解説。もちろん、今月のおすすめジャンル映画もご紹介!(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
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スパイダーマンが『ドゥームズデイ』に出るかも?

画像: 「アベンジャーズ」2作が公開延期。何が起こる? *写真は昨年のSDCCの様子 Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

「アベンジャーズ」2作が公開延期。何が起こる?
*写真は昨年のSDCCの様子
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ここ数日でビッグニュースだったのは、来年5月、再来年5月に予定されていたアベンジャーズ映画の公開がそれぞれ12月公開に延期されたことです。具体的に言うと『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』が2026年の12月18日『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』が2027年12月17日の全米公開になりました。両方ともクリスマス映画になりました。僕はこの話ポジティブというか大歓迎です。特に『ドゥームズデイ』は当初の来年5月1日だとあまりにも時間がなさすぎる。マーベル・シネマティック・ユニバース/MCUの集大成となる超大作なので急がずちゃんと作って欲しい。

この2作の公開日ずれで気になるのが『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(原題)』。これは2026年7月31日公開とされています。だから当初は『ドゥームズデイ』と『シークレット・ウォーズ』の間にスパイダーマン映画が来るので、アベンジャーズの大イベントとスパイダーマンの関係がどうなるのか?ファンの間で興味津々でした。今のところ『ドゥームズデイ』にトム・ホランドの出演は正式にアナウンスされていないので『ドゥームズデイ』にはスパイダーマンは出ず、その代わりスパイダーマンの単独映画を経て『シークレット・ウォーズ』から彼は合流だろうと言われていました。しかし公開順が『ブランド・ニュー・デイ』→『ドゥームズデイ』→『シークレット・ウォーズ』となったので、もしかすると『ドゥームズデイ』からスパイダーマン登場か?

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』にもすごい噂がとんでいて、ニコール・キッドマンがヴィラン役でオファーを受けてるとか、トビー・マグワイア版スパイダーマンの娘がマルチバースを超えて登場とか、マーク・ラファロのハルクが出てくるとか、これもまた最大のイベント映画になりそうです。

無痛(ムツー)ゆえに強い系!『Mr.ノボカイン』

スパイダーマン映画といえばピーターの親友ネッドを演じていたジェイコブ・バタロンが出演しているのは6月20日公開の『Mr.ノボカイン』。「ザ・ボーイズ」で人気のジャック・クエイドが殴られても撃たれても痛みを全く感じない男を演じ、その力(?)を使ってギャングに立ち向かうというちょっとコミカルなバイオレンス・アクションです。バタロンが演じているのは主人公の親友。かなり過激な暴力描写もありR15。系統としては『バイオレント・ナイト』『Mr.ノーバディ』のノリですね。この無痛ゆえに強いみたいなキャラは過去にもあり、アーロン・テイラー=ジョンソンの『キック・アス』、サム・ライミ監督×リーアム・ニーソン出演のダーク・ヒーロー映画の傑作『ダークマン』、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のヴィラン、レナード(ロバート・カーライルが演じていました)がそれに該当します。

6月のホラージャンルのおすすめ作品は?

肉体ではなくメンタルが異常に強い主人公が登場する『MaXXXine マキシーン』もおすすめ。タイ・ウエスト監督×ミア・ゴス出演の3部作の最終章。主人公マキシーンがハリウッドで起こる連続殺人事件に巻き込まれます。このコンビの『X エックス』『Pearl パール』の続編であり3部作のフィナーレですが『X』が殺人鬼スプラッター、『パール』がサイコ・スリラーだったのに対し『マキシーン』はクライム・サスペンスの趣があります。とにかく主人公マキシーンのブレない生き方とタフさに魅かれてしまいます。このシリーズはホラーから始まり別のジャンルの映画になったわけですが、では6月のおすすめのホラーと言えば『28年後...』『罪人たち』。この原稿を書いている時点で前者はまだ未見ですが後者は試写で拝見。海外での高評価も納得の面白さでした。1932年のアメリカが舞台。元ギャングである双子が故郷の田舎で自分たち黒人のためのダンスホールを立ち上げようとしますが、そこに吸血鬼たちが現れ阿鼻叫喚の地獄と化すというホラーです。人種問題を絡めた社会派ドラマでもあり、意外や意外、音楽映画としての魅力もあるのです。クライマックスのバトルロイヤルは大画面でお楽しみください。

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