僕たちは『トップガン マーヴェリック』で学んだ技術をF1®映画に応用し、それをさらに進化させたんです
──映画『F1®/エフワン』は、『トップガン マーヴェリック』の製作チームによる新作ですね。映画ファンの期待は当然高く、中には本作を『トップガン マーヴェリック』の地上版と呼ぶ人もいます。そうしたファンの高い期待についてのあなたのお気持ち、皆さんが本作で自らに課したハードルについてお話しいただけますか?
「僕たちはこれまでで最も本格的なレーシング映画を作りたかったんです。それが目標でした。そして、その目標は達成できたと思います。
メルセデスが僕たちのために車を作ってくれたんです。デザインはジョー(コシンスキー監督のこと)が担当しました。ボディはメルセデスのエンジニアが担当しています。F1®のボディにF2エンジンを積んだものです。F1®エンジンはちょっと扱いにくくて、しかも高価なんです(笑)。でも、マシンは本当に速いです。ブラッドは時速180マイル(約290キロ)以上で走っていました。ダムソンも同様です。彼らは本当にそこで走っていたんです。そして、私たちにとって幸運だったのは、二人とも優れたアスリートだったことです。実際、ダムソンが雇われる前に、僕たちは、彼にマシンに乗ってもらいオーディションをして、彼がどれだけ優れたドライバーなのかを見極めました。なぜなら、ジョーにとって、その車を本当に扱える人(役者)を雇うことは非常に重要だったからです。
車の周囲には15台か16台のカメラをマウントで取り付けました。ソニーが僕たちのために特別なカメラを作ってくれました。『トップガン マーヴェリック』で使用したものの3分の1ほどの大きさのものです。リモートで一つの車から他の車にパンできる装置も作りました。なので、ブラッドの顔にカメラを向けながら、隣の車にパンすることもできたんです。そういったことは、『トップガン マーヴェリック』ではできなかったことです。つまり、僕たちは『トップガン マーヴェリック』で学んだ技術をF1®映画に応用し、それをさらに進化させたんです。技術的な部分は、誰も成し遂げたことのない最先端の技術です。でも、重要なのは素晴らしい物語です。それが鍵なんです」
──15台か16台のカメラを使ったとおっしゃっていましたが、観客にとってまるで目の前でレースが繰り広げられているかのような映像にするために、どのような工夫をされたのでしょうか?
「それらのカメラは非常に鮮明で、被写界深度も優れています。さらに、iPhoneからカメラを取り外して、それをさらに高度なものにしました。iPhoneから特別なカメラを作り、それを実際のレースで使ったんです。ですから、各レースで2台の車にiPhoneを搭載しました。iPhoneカメラの改良版を。
F1®のカメラポジション、彼らのカメラポジションも多く活用しました。彼ら(F1®)は素晴らしいパートナーでした。彼らの全てのサーキットで撮影しました。ラスベガスにも行きましたし、あらゆる場所で。本当に大変でしたね。ブラッドがロンドン郊外のシルバーストーンで運転していた時、40万人の観客の前で運転していたのに、誰も彼が運転していることに気づきませんでした。あんなに大勢の観客の前で、あんなにハイスピードで運転するとなると、普通はかなり緊張します。つまり、それほどまでに彼(ブラッド)は熟練していたということなんです」
──ブラッドは実際にスタントドライバーなしで全シーンを運転したのですか?
「彼は全て自分で運転しました。ダムソンもそうです。だから、彼らが車に乗っているシーンで、クローズアップやロングショットで映っているのは、ブラッドたちが車に乗っている姿。彼らが運転しているんです」
──『F1®/エフワン』ではエド・シーランをはじめ、素晴らしいミュージシャンの曲が映画で使われています。映画で使用する楽曲を選ぶ際、重要なことは何でしょうか?
「(音楽は)シーンの感情を伝えなければいけません。どう感じ、どう考えるかを。様々なアーティストを試すんです。うまくいくアーティストもいれば、うまくいかないアーティストもいます。(この映画では)幸運なことに様々な場面で17組ものアーティストの曲を使うことが出来ました。どれも素晴らしい曲なんです」
──この映画はF1®を扱った本当に大規模な作品です。プロデューサーとして一番大変だったのはどの部分でしょうか?
「プロデューサーにとって一番大変なのは、素晴らしい脚本を揃えることです。それが良い映画を作る秘訣なんです。そして、私たちはとても幸運でした。『トップガン マーヴェリック』の脚本を書いたアーレン・クルーガーと他の脚本家たちが参加し、素晴らしい脚本を書いてくれました。素晴らしいセリフ、素晴らしい俳優、そして彼らを演出する素晴らしい監督。この映画では僕たちにはその全てが揃っていました」
──最後に一つ教えてください。鈴鹿サーキットでも撮影されたそうですね。日本での撮影はいかがでしたか?
「素晴らしかったです。最高でした。良い映像が撮れました。この映画を観るなら、IMAXで観てください。これはIMAXで体験する作品なんです。大きくて広いスクリーンと素晴らしい音響で、あなたたちを包んでくれます。(そして)座席が揺れるのを感じるでしょう」
『F1®/エフワン』
2025年6月27日(金)公開
アメリカ/2025/2時間35分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:ブラッド・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデム
© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.