カバー画像:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より © 1985 Universal Studios. All Rights Reserved.
ジョージ・ルーカスやスティーヴン・スピルバーグなど若いヒットメーカーの台頭やビデオやケーブルTVの普及、メジャースタジオの入れ替わりなど映画を取り巻く環境が大きく変わった80年代。その折り返しの85年、日本ではSF・ファンタジーやアクション分野が高い人気を誇っていた。
年間興収1位は『ゴーストバスターズ』で2位は『グレムリン』と、84年末に封切られた正月映画が上位を占めた。前者はビル・マーレイら人気コメディ俳優共演のコメディホラー超大作。シリーズ復活作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』で知ったファンも多いと思う。後者はスピルバーグ製作のファンタジー。不思議な生き物ギズモとグレムリンが人気を呼び、いまだ忘れた頃にリメイクが話題になる人気作だ。このジャンルでは『ネバーエンディング・ストーリー』も公開され、リマールの主題歌とともに大ヒット。ドイツ主導の作品だけに、ハリウッド映画とはひと味違う重厚な幻想世界も魅力だった。
やはり近年シリーズが再開し人気が再燃した『マッドマックス/サンダードーム』、デヴィッド・リンチのハリウッド進出第1弾『デューン/砂の惑星』、ロバート・ゼメキス=スピルバーグの師弟コンビの第3弾『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、そしてジェームズ・キャメロンの出世作『ターミネーター』が公開されたのもこの年だ。なおシルヴェスター・スタローン主演の『ランボー/怒りの脱出』が年間の洋画興収3位になったが、こちらはキャメロンが脚本を手がけている。
アクション映画では『ビバリーヒルズ・コップ』が大ヒットし、エディ・マーフィがトップスターの仲間入り。定番の人気シリーズ14弾『007/美しき獲物たち』や空手少年を描いた青春ストーリー『ベスト・キッド』、スピルバーグ製作のアドベンチャー『グーニーズ』も話題を呼んだ。振り返ると、いまだ続投中のシリーズやリメイクされ続けている作品が85年には多かったと気づく。そのいっぽうでミロス・フォアマンの『アマデウス』、ヴィクトル・エリセの『ミツバチのささやき』、ヴィム・ヴェンダースの『パリ、テキサス』など時代を超えて愛されている名作たちも数多く公開と、充実した1年だった。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
4K Ultra HD+ブルーレイ: 6,589 円
Blu-ray:2,075 円
DVD:1,572 円 (税込)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント
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