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4強というべき顔ぶれが並んだ人気男優

ポール・ニューマン
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ナンバーワンヒット作で人気投票でも1位となった『タワーリング・インフェルノ』で激突した2大スター、ポール・ニューマンとスティーヴ・マックィーンが1位と3位に選ばれている男優部門。そこに挟まる形で2位に入った『コンドル』のロバート・レッドフォードと合わせて、ハリウッド映画の御三家が揃ったトップ3となった75年。彼らを追ってフランス代表アラン・ドロンが『愛人関係』『アラン・ドロンのゾロ』『フリック・ストーリー』の連続公開で4番手につけている。この当時の4強といえば、やはり彼らの名前が挙がるだろう。一方『レニー・ブルース』のダスティン・ホフマンと『ゴッドファーザーPARTⅡ』のアル・パチーノは、個性が似ているせいか演技派のライバル同士的な印象もあった。『大地震』『エアポート'75』などのチャールトン・ヘストンはハリウッド大作に無くてはならない存在だったし、『アイガー・サンクション』のクリント・イーストウッドもこの頃はまだ監督業よりもドル箱アクション・スターのイメージが強かった。そんな中、イタリアのジュリアーノ・ジェンマが公開作がなかったにも関わらず6位につけているのは日本のファンに愛されていた証明。8位の故ブルース・リーは『ドラゴンへの道』『グリーン・ホーネット』が日本公開され、熱狂的マニアを生み出した。

ロバート・レッドフォード
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スティーヴ・マックィーン
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[SCREEN読者選出人気男優]
1. ポール・ニューマン
2. ロバート・レッドフォード
3. スティーヴ・マックィーン
4. アラン・ドロン
5. ダスティン・ホフマン
6. ジュリアーノ・ジェンマ
7. クリント・イーストウッド
8. ブルース・リー
9. チャールトン・ヘストン
10. アル・パチーノ
常連組の中に新たな顔ぶれも登場した人気女優

フェイ・ダナウェイ
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女優では『タワーリング・インフェルノ』『コンドル』の他『チャイナタウン』も公開され絶好調だったフェイ・ダナウェイが人気トップに。彼女は翌年全米公開の『ネットワーク』でオスカー主演女優賞をさらうなど、演技面でも充実していた頃だ。2位はサスペンス『オリエント急行殺人事件』などが公開されたジャクリーン・ビセットで、3位には半引退状態だったオードリー・ヘプバーンが根強い人気を誇っていた(翌年『ロビンとマリアン』で復帰)。この2人に続き『潮騒』のキャサリン・ロス、『暗闇にベルが鳴る』のオリヴィア・ハッセー、公開作のなかったナタリー・ドロンらがランクインしているが、彼女たちは作品のヒットとは関係なく熱烈ファンの支持が強かったといえそう。そんな中『エーゲ海の旅情』『いくたびか美しく燃え』『ダブ』が連続公開されたデボラ・ラフィンが新風を吹き込んでいる。一方クラシック女優ヴィヴィアン・リーが人気急上昇したのは、この年『風と共に去りぬ』がTV初放送され(劇場リバイバルもあり)、初めて本作を見た若いファンが激増したためと見られる。同様に『サウンド・オブ・ミュージック』がリバイバル公開されたジュリー・アンドリュースも人気再上昇となった。75年前半の話題をさらった『エマニエル夫人』のシルヴィア・クリステルも注目の人で、彼女のセミヌードのポスターは日本中に知れ渡った。75年末には続編が緊急公開されている。

ジャクリーン・ビセット
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オードリー・ヘプバーン
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[SCREEN読者選出人気女優]
1. フェイ・ダナウェイ
2. ジャクリーン・ビセット
3. オードリー・ヘプバーン
4. キャサリン・ロス
5. オリヴィア・ハッセー
6. デボラ・ラフィン
7. ヴィヴィアン・リー
8. ナタリー・ドロン
9. ジュリー・アンドリュース
10. シルヴィア・クリステル