“不死身”のムオムを徹底解剖！！『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』クリエイティブ・アドバイザー石井克人の制作ノートを一部公開！

あらゆる攻撃を無に帰す“不死身”のムオムは
三戦（サンチン）を操る“プロメテウスの巨人”だった？！

“ルパン三世”約30年ぶりの2D劇場版アニメーション・完全新作となる『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』が6月27日（金）に公開された。本作でルパンをかつてないほど追い詰める最大の敵“不死身”のムオム。その原案を担ったクリエイティブ・アドバイザー石井克人の制作ノートを一部公開し、脳裏に焼き付く圧倒的存在感や衝撃的ビジュアルのインスピレーションはいかにして生み出されたのかを徹底解剖する。

『ルパン三世 DEAD ORALIVE』以来約30年ぶりの2D劇場版アニメーション完全新作の制作、そして“ルパン三世の新たな物語”のために書き下ろされたB’zの主題歌「The IIIRD Eye」など、熱い情報が次々に発表されるたびに、Xトレンド1位をはじめ、大きな話題をかっさらい、日本中がルパン三世の新作公開に沸きあがっている。

舞台は、地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは、“不死身の血族”と呼ばれる正体不明の存在だった。前代未聞のスケールとドラマで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる、原点ともいえる物語が幕を開ける。

原作はモンキー・パンチ。国内外でそのスタイリッシュな演出が高い評価を得ている「ルパン三世」シリーズ〈LUPIN THE IIIRD〉全作を手がけた小池健が監督を務める。脚本は高橋悠也、音楽はジェイムス下地。主題歌はB’zの書き下ろし楽曲「The IIIRD Eye」。ボイスキャストとして栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一らおなじみのメンバーが集結。さらにルパン最大の敵・ムオムには片岡愛之助、ミステリアスな少女・サリファには森川葵、ムオムに仕える不気味な“ゴミ人間”には空気階段が加わり、“誰も知らないルパン三世”が、ついにスクリーンに姿を現す。

莫大な財宝を狙い、世界地図にも存在しないバミューダ海域の謎の孤島に上陸したルパン（CV：栗田貫一）達を待ち受けていたのは、かつて兵器として使われ捨てられた“ゴミ人間”と、24時間以内に死をもたらす毒霧が充満し、廃棄された戦車や核ミサイルが散乱する、まさに“世界の墓場”。そんな死の島を支配するのが、不老不死を掲げ、恐ろしき思想でこの世の革命をも企むムオム（CV：片岡愛之助）だ。そして、彼の傍らには、ムオムの意思を代弁する謎多き少女サリファ（CV：森川葵）が寄り添っている。ムオムはその破壊的な強さでルパン達を阻み、サリファは純真無垢な表情の裏に島の真実を隠し持つ―。彼らの存在がルパン達をかつてない絶体絶命の危機へと追い込むだけでなく、物語に奥深い緊張感と謎を織りなす、約30年ぶりの2Dアニメ劇場版に相応しいスケールと存在感を放つのだ。このムオムという唯一無二にしてとてつもないインパクトを放つ敵は、いかにして生み出されたのか！？“小池ルパン”と呼ばれる《LUPIN THE IIIRD》の物語や好敵手キャラクターの原案を担う、クリエイティブ・アドバイザー石井克人の貴重な制作資料から徹底的にひも解く！

不気味な風貌で島を「世界のゴミ処理場」と称し、人類の選別、不要な者の排除という恐ろしき思想を掲げる謎の支配者ムオム。驚異的な身体能力に加え、銃も刀も通じず、炎に包まれても再生するその姿はまさに“不死身”の存在だ。そんな常識の通用しない敵にルパンたちは窮地に追い込まれていく。この、異形ともいえるムオムのキャラクターは、本作のクリエイティブ・アドバイザー石井克人が構想を重ねた。

初監督作品『8月の約束』でゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭ビデオ部門グランプリを受賞、『キル・ビルVol.1』ではアニメパートの演出を担当するなど、映画監督、CMディレクター、脚本、アニメーション演出と多岐にわたり、映像クリエイターとしてジャンルの垣根を超え世界的に活躍する石井が、「嫌な上司っぽい人がいたら面白いな」という発想から生まれたというムオム。急に怒鳴り出したり、ものすごく速い動きを見せたりと、その予測不能な言動でルパンたちを翻弄するが、そのインスピレーションと構想の源を垣間見る、石井克人が記した超貴重な本作の制作ノートも一部を公開。

ムオムの誕生過程が詳細に綴られたノートからは、初期設定のムオムの姿や、一つひとつのパーツが大きく巨大な体躯が、ギリシャ神話に登場する“プロメテウスの巨人”をイメージして創造されたことが示され、人類を想像し、一説には火を与え文明の祖とも言われる伝説の巨人が、ムオムの志向を読み解くカギとなりそうだ。

さらにムオムの独特な戦闘スタイルも、空手の型である「三戦（サンチン）」からインスピレーションを得て、内面に集中し、ゆっくりとした動きの中に「目に見えない力」を宿す型を研究。軽く触れるだけで相手が崩れるような、まさに「見えない力」で敵を倒すムオムの姿は、その存在の不気味さを一層際立たせている。

近年、健康志向やスピリチュアルへの関心の高まりから、「気功」への注目も再燃しており、今年大ヒットを記録した香港映画『トワイライト・ウォリアーズ決戦! 九龍城砦』（25）でも、古武術と並び気功が物語の重要な要素として描かれ、その迫力ある描写は大きな話題を集めたように映像世界の演出としてもトレンド化の兆しアリ。石井克人が記した制作ノートには、格闘技にまつわる描写も多く見られ、この「見えない力」を体現するムオムは、まさに本作における脅威の象徴として描かれている。

ルパン達をかつてないほどの窮地に追い込むムオム。ノートには“無尾無”とこの概念を象徴するようなネーミングのルーツも刻まれており、不死身という常識が通用しない存在を前に、彼らはどう立ち向かうのか？！

『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』石井克人の制作ノート3

＜STORY＞　
世界地図に存在しない“謎の島”を目指し、ルパン三世たちはバミューダ海域へ向かう。目的は、これまで彼らに刺客を送り続けてきた黒幕の正体と、隠された莫大な財宝を暴き出すこと。しかし島に近づいた瞬間、狙撃によって飛行機は撃墜され、一行は死の島へと不時着する。　　
そこに広がっていたのは、朽ちた兵器や核ミサイルが山のように積まれ、かつて兵器として使われ、捨てられた“ゴミ人間”たちが徘徊する、世界の終わりのような風景だった。霧に覆われたその島には、24時間以内に死をもたらす毒が充満し、逃げ場はない。　　
島の支配者・ムオムは不老不死を掲げ、世界を選別と排除で支配しようとしていた。銃も刀も通じない“死なない敵”を前に、ルパンは過去と誇り、そして盗人としての矜持を賭けた知略の戦いに挑む。
果たして、ルパンは24時間以内にすべてを盗み出し、生きて島を脱出できるのか──。