ヒョンビン来日で語る、映画『ハルビン』の魅力!!
1909年─祖国独立という使命を胸に命をかけて、中国・ハルビンへ向かった大韓義軍アン・ジュングン(安重根)と同志たち。『ハルビン』は、アジアを震撼させた歴史的事件を現代の視点から再解釈した極上のサスペンス・アクション・エンターテイメント。
ヒョンビンがアン・ジュングン(安重根)を熱演、パク・ジョンミン、チョ・ウジン、チョン・ヨビン、イ・ドンウク、そして特別出演のチョン・ウソンなど、韓国映画界の実力ある俳優たちが集結した。さらに伊藤博文役としてリリー・フランキーが出演を果たしている。韓国現代史を描くヒットメーカー、ウ・ミンホ監督と2023年韓国NO.1大ヒットを記録した『ソウルの春』制作スタッフがタッグを組み、ラトビア・モンゴルなど大規模な海外ロケーションを敢行して圧巻の映像世界を作り上げた。第49回トロント国際映画祭GALAプレゼンテーション部門でワールドプレミア上映され、5月に開催された韓国唯一の総合芸術賞である「第61回百想芸術大賞」(韓国のゴールデングローブ賞ともいわれる韓国映画・ドラマ界の最大級のアワード)では映画部門にて最優秀作品賞、大賞(ホン・ギョンピョ撮影監督)を受賞し2冠を達成した。
鑑賞した観客からは「ダイナミックな映像で劇場で見るべき作品」「クライマックスのシーンでは涙が止まらなかった」「観る意義がある作品」という反応が続出している中、来日時に行われたヒョンビンのオフィシャルインタビューが到着した。
日本のファンへの想いや、ウ・ミンホ監督との撮影エピソード、大ファンと明かすリリー・フランキーとの共演など、ヒョンビンがひとつひとつ丁寧に語った

「努力の結晶を完璧な形で感じていただけたら」
——今回、久しぶりの来日とのことですが、舞台挨拶で日本のファンのみなさんと会った印象はいかがでしたか?
劇場で観客の方々の目を見ながらコミュニケーションをとることができて、とてもよかったです。意味のある作品と共に日本に来てご挨拶することができて、とても意義深い時間でした。
——舞台挨拶でも、ウ・ミンホ監督への強い信頼が感じられました。撮影中、監督の演出で印象的だったことはありますか。
撮影に入る前から、ディテールにこだわる方だなと思いました。とても几帳面に一つ一つ、すべてのことをチェックしていくんです。撮影の時も、現場で仮編集した映像を見ながら足りない点や修正事項について相談しながら映画を作っていきました。そうした緻密な作業を編集、ミキシング、劇場公開までずっと続けていく集中力を見て、私だけでなく多くの観客がウ・ミンホ監督の映画を好きな理由がわかりました。
——アン・ジュングン役を演じるに作るにあたって監督からの要望はありましたか。
監督には「史料に出てくる業績や事実よりも、アン・ジュングンが一人の人間として、どんな感情や考えを持っていたのかについて、たくさん考え、想像してみてほしい」と言われました。ですから私も、他のことはすべて脇に置き、監督がおっしゃったことを頭に置いて準備をし、撮影に臨みました。現場ではリハーサルをしながら自分の考えと監督の考えをすり合わせ、ときには監督のバージョンで演技をしてみたりもしながら、役を作っていきました。
アン・ジュングンは、終わりの見えない状況のなかで、時には自分の決定によって同志たちが犠牲になってしまうこともあります。罪悪感や苦しみ、痛みを抱えながら、信念に従い、よりよい未来のため、理想のために一歩一歩踏み出さなければならない。孤独感もあったでしょう。そういったことをずっと考えていました。そして、どうやったら観客の方々にこの感情をそのまま伝えることができるだろうかと悩みました。今までの俳優生活のなかで、最も真心を込めて打ち込んだ作品でした。それが正解だったかどうかわかりませんが、最善を尽くしました。
——演じる前と後でアン・ジュングンという人物についての見方が変わりましたか。
ずいぶん変わりましたね。以前は歴史的な人物、象徴的な人物の一人と感じていました。今回、『ハルビン』の準備から撮影が終わるまでの約7〜8ヶ月間、資料もたくさん読み、毎日、彼のことを考えながら過ごしましたから、今はずっと近しい人物になりました。
——伊藤博文を演じたリリー・フランキーさんのことはもともとファンだったそうですね。共演なさった印象はいかがでしたか。
個人的に話をしてみて、本当に素敵で、とても繊細で純粋な方だと思いました。そして、とても紳士的でしたね。現場のモニターで演技を見ていると、一瞬でがらりと変わる姿がとても新鮮で衝撃を受けました。どうやったらあんな風に、大きな動作やセリフなしでオーラを感じさせることができるのか。あれが経験というものなのかと、すごく刺激になりました。プライベートでお会いすると、とても親しみやすい方なので、会うたびにますます好きになります。今回の映画のように会ってすぐに殺さないような役で、いつかまた一緒に演技できる機会があればいいなと思います。
——日本の観客に向けてのメッセージをお願いします。
ジャパンプレミアの時に監督もおっしゃっていましたが、観客のみなさんに劇場で楽しんでいただきたいと思いながら作った映画です。ぜひ、劇場に来て私たちの努力の結晶を完璧な形で感じていただけたらと思います。

<プロフィール>
ヒョンビン HYUN BIN
1982年9月25日生まれ。03年にデビューし、05年の「私の名前はキム・サムスン」で大きく注目される。その後も、「チング~愛と友情の絆」(09)、「シークレット・ガーデン」(10)といったドラマ、『レイトオータム』(11)、『王の涙 イ・サンの決断』(14)などの映画を行き来しながら活躍。捜査のため韓国へとやってきた北朝鮮の刑事を演じた『コンフィデンシャル/共助』(17)は大成功を収め、22年に続編『コンフィデンシャル:国際共助捜査』(22)が作られた。19年には「愛の不時着」が世界的に大ヒットし、改めて俳優としてのパワーを証明した。その他の作品に『ザ・ネゴシエーション』(18)、『極限境界線 救出までの18日間』(23)などがある。
<あらすじ>
1909年10月、アン・ジュングン(安重根)と同志たちは伊藤博文を追ってある使命を果たすため中国・ハルビンへ向かった。そしてハルビン駅に銃声が鳴り響いた…。 1908年、咸鏡北道(ハムギョンブクト)シナ山で、安重根(アン・ジュングン)(ヒョンビン)率いる大韓義軍は劣勢にもかかわらず勇敢に戦い、日本軍に勝利を収める。万国公法に従って戦争捕虜たちを解放すると主張するアン・ジュングンに対し、イ・チャンソプ(イ・ドンウク)は激しく反論。結局、自らの兵を率いてその場を去ってしまう。その後、逃した捕虜たちから情報を得た日本軍の急襲を受け、部下たちを失ってしまったアン・ジュングンは、なんとかロシア・クラスキノの隠れ家に帰り着く。しかし、彼を迎えた同志たちの視線は厳しかった。1909年10月、日本の政治家である伊藤博文(リリー・フランキー)が大連からハルビンに向かうとの情報を得たアン・ジュングン。祖国の独立を踏みにじる「年老いた狼」を抹殺することこそが、亡くなった同志たちのために自分ができることだと確信した彼は、ウ・ドクスン(パク・ジョンミン)、キム・サンヒョン(チョ・ウジン)とともに大連行きの列車に乗るが、日本軍に察知されてしまう―
『ハルビン』
新宿ピカデリーほか全国公開中
監督:ウ・ミンホ
脚本:キム・キョンチャン、ウ・ミンホ
撮影:ホン・ギョンピョ
出演:ヒョンビン、パク・ジョンミン、チョ・ウジン、チョン・ヨビン、パク・フン、ユ・ジェミョン、リリー・フランキー
2024年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/映倫G/字幕翻訳:根本理恵/原題:하얼빈 HARBIN
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
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