音楽教師・原田貴理子と悩める若者たちとの絆と愛の物語
高校の合唱コンクールで全国一を勝ち取る、伝説の音楽教師・貴理子のタクトには、生徒を輝かせる魔法が宿ると言われている。そんな彼女の突然の退任、そして失踪。教え子で音楽雑誌記者の北村翔は、当時の合唱仲間と恩師の記憶を辿り、取材を通して彼女の謎に迫っていく…。
主人公の関西弁でまくし立てる伝説の高校音楽教師・原田貴理子を演じる鈴木京香は、俳優として長年培った演技力で、多数の映画やドラマに出演している。『血と骨』では、第28回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を受賞した。近年では、連続テレビ小説「おかえりモネ」、Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」、映画『グランメゾン・パリ』『栄光のバックホーム』など注目作への出演も絶えない。音楽教師を演じるため、指揮初挑戦となる鈴木は多忙な合間を縫って、クランクイン前にピアノと指揮のレッスンを幾度も重ねた。そんな鈴木から「原田貴理子という教師像に惹かれて、この役をやらせていただく決意をしました」と気合い十分なコメントが届いた。
鈴木と共に4名の実力派俳優たちも出演する。ブロードウェイミュージカル「ピーター・パン」の初代ピーター・パンとして知られ、今も多くの作品で活躍を続ける榊原郁恵は、厚木学園の校長・高木ひとみ役を務める。欽ちゃんファミリーとしてお茶の間に親しまれてきた小西博之が、典型的な管理職気質の厚木相模高校の校長・皆川逸郎役に決定した。風格を感じるビジュアルと演技で多くの視聴者を魅了してきた宅麻伸は、自転車店を営む昭和気質の北村恭治役として味のあるキャラクターに挑む。数々のサスペンスドラマや映画で磨かれた確かな演技力を誇る名取裕子は、貴理子の大学時代の先輩・美国亜希子役を演じる。

メガホンを取ったのは、『カノン』『レディ加賀』など多くの話題作を世に送り出してきた雑賀俊朗監督。雑賀作品では、音楽と登場人物たちと深い繋がりを持つことが特徴の一つ。本作では、2009年にNHK全国学校音楽コンクール課題曲となった、いきものがかりの「YELL」に着想を得た。かつて、雑賀監督は被災地の中学生たちが歌声で希望をつなぐ復興支援番組「YELL~こころからこころへ声を繋ぐ~」を2011年に企画・制作。その後も雑賀の心に楽曲が残り続け、本厚木駅の接近メロディに使われていると知ったことがきっかけで、映画『キリコのタクト~YELL~』の構想が生まれた。
また、本作のロケ地でもあり、いきものがかり「YELL」のMVの撮影地でもある厚木市は、令和7年2月1日に市制70周年を迎えることを記念して様々な事業・イベントを企画しており、本作もそのうちの1つとして制作される。この夏、主演の鈴木京香が、山口貴裕市長の表敬訪問を行い、本作への熱い想いを胸にクランクイン予定。
<鈴木京香コメント全文>
原田貴理子という教師像に惹かれて、この役をやらせていただく決意をしました。
今はピアノやコーラスの稽古に励む熱い夏を過ごしています。
生徒役の皆さんと一丸となって、合唱コンクールの舞台を心から楽しみたいと思っています。
<STORY>
北村翔は小さな音楽出版社に勤め、「音楽ジャーナル」の特集企画「伝説の音楽教師」の取材を任されることになった。
今回取り上げる教師は、全国合唱コンクールで数々の賞を獲得し、「優勝請負人」とまで呼ばれた原田貴理子。
だが、彼女は最近退職し、消息不明となっていた。
実は北村にとって、貴理子は自らが学生時代に全国優勝を果たした際の恩師。取材を始めた翔は、彼女の足取りを追って母校を訪ねるが、有力な手がかりは得られない。そんな中、かつての合唱部のメンバーだった同級生と再会し、謎に満ちた貴理子の探す旅に出る。
次第に明かされていく、教師の素顔と生徒たちに隠されていた真実とは――。
『キリコのタクト〜YELL〜』
2026年全国公開
主演:鈴木京香
出演:榊原郁恵、小西博之、宅麻伸、名取裕子
監督・脚本・企画:雑賀俊朗
配給:KeyHolder Pictures
©︎映画「キリコのタクト〜YELL〜」製作委員会