カバー画像:Photo by Eric Charbonneau/Lucas Museum Of Narrative Art via Getty Images
今年もアメリカ西海岸で開催されたサンディエゴ・コミコン(SDCC2025)に参加しました。出発前に、マーベル・シネマティック・ユニバース/MCUとDCユニバース/DCUのホールHでのパネルがないという残念な情報が流れてきました。ホールHというのは6500人が収容できる最大の会場で毎回ここで超大作映画やドラマの発表が行われます。今回MCUもDCUもホールHをスキップした理由は明快で発表する素材がないから。MCUは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』が撮影中なのでなにも見せられない。DCUも『スーパーマン』以降のラインナップが決まっているわけではない。昨年この場所で『〜ドゥームズデイ』のドクター・ドゥーム役がロバート・ダウニーJr.とエキサイティングな発表が行われただけにちょっと残念……と思いきや(笑)、MCU、DCUの不在を気にさせないぐらい素晴らしい発表の連続!

今回僕が参加したパネルは『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』『ザ・トキシック・アベンジャー(リメイク版『悪魔の毒々モンスター』)』(24日)、「エイリアン:アース」『ザ・ロング・ウォーク』『プレデター:バッドランド』『トロン:アレス』(25日)、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』「ピースメイカー シーズン2(DCUとしてのパネルではなく本作のシーズン2についてジェームズ・ガンとジョン・シナらが熱く語った)」(26日)です。
※日にちは全て現地時間
7月24日 根強いファンの多い2作品のパネルが盛況!
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』はブラムハウスの大ヒット人気ホラー映画の続編。ジェイソン・ブラムらが来てのパネルでした。僕の記憶ではブラムハウスがホールHでパネルをするのは今回初かな。監督のエマ・タミが「今度の映画にはもっと(殺人人形の)オーディオアニマトロクスが出てくるわよ」と発言し大拍手。このパネルに参加した全員にノベルティとしてフレディーズ・ピザの外箱が配られました(笑)。

『ザ・トキシック・アベンジャー』のピーター・ディンクレイジ(左)、イライジャ・ウッド
Photo by Amy Sussman/Getty Images
『ザ・トキシック・アベンジャー』は出演のピーター・ディンクレイジやイライジャ・ウッドも登壇してにぎやかなパネル。トキシック・アベンジャー誕生のくだりの映像もお披露目になりましたがオリジナル版のコミカルさとグロさがちゃんと継承。このパネルにオリジナル版の製作者であのトロマ・エンターテイメントの創設者であるロイド・カウフマンが参加したことは個人的には感動。僕はトロマのおバカ映画をレンタル・ビデオでみて育った世代なので。
7月25日 2日目は話題作の映像がたっぷり公開!
「エイリアン:アース」は第一話をまるまる会場で上映という豪華さ。ショウランナーのノア・ホーリーが「『エイリアン』シリーズは映画では2時間のサバイバル・スリラーだがこれをいかに連続SFドラマとして成立されるか工夫した」と語っていた通り2話以降が楽しみな作り。「SHOGUN 将軍」に次いでディズニープラスが推しているドラマと言っても過言ではありません。

『ザ・ロング・ウォーク』のマーク・ハミル
Photo by Amy Sussman/Getty Images
『ザ・ロング・ウォーク』はスティーヴン・キング原作の映画で、冒頭彼のメッセージ・ビデオもお披露目。本作には鬼軍人役でマーク・ハミルが出演。彼の登壇に会場は大興奮!そして映画の冒頭20分ほどを特別上映。『シビル・ウォー アメリカ最後の日』×『スタンド・バイ・ミー』的なダークな青春映画でこれは面白そう。

「プレデター」新作よりエル・ファニング
Photo by Amy Sussman/Getty Images
『プレデター:バッドランド』では、なんと!会場にいた全員にプレデターのマスクを配布。主人公役のエル・ファニング(本当にキュート!)も登壇し大盛り上がりのステージに。監督のダン・トラクテンバーグ曰く「ファニング演じる女アンドロイドと若きプレデターの関係は、スター・ウォーズのC-3POとチューバッカのコンビをイメージしている」とのこと。これも冒頭15分を特別上映しましたが主人公プレデターに感情移入すること必至です。SDCC2025の会場近くにはプレデターの展示×BARもありました。

「トロン」のレジェンド、ジェフ・ブリッジス(右)と新作の主人公ジャレッド・レト
Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney
『トロン:アレス』もレーザーを使った会場演出や出演のジャレッド・レトら登壇で派手なステージでしたが、一際大きな拍手で迎えられたのが『トロン』(1982)からこのシリーズに出演しているジェフ・ブリッジス。皆でトロンの復活を祝うステージになりました。
7月26日・27日 ラストを締めくくるBIGなサプライズが!

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のライアン・ゴズリング
Photo by Amy Sussman/Getty Images
今や多くのSFファンが注目(筆者も楽しみにしている)『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のパネルは今回のSDCC2025の中でも最も注目されるパネルの1つ。会場全体を使ってコンセプトアートとか劇中のシーンを投影し、まさにこの物語の世界にいるような演出。登壇したライアン・ゴズリングも熱く本作の思いを語りました。トークや映像では物語の核心についても触れていたので内容の詳細は控えますが、SF映画の新しい傑作誕生の予感です。

会場を爆笑させた「ピースメイカー」のジョン・シナ(中央)、ジェームズ・ガン(左)
Photo by Amy Sussman/Getty Images
「ピースメイカー シーズン2」のパネルはジェームズ・ガンとジョン・シナの爆笑トークで楽しませてくれました。また『スーパーマン』の成功を称え、会場・登壇者一丸となってガン監督に拍手を贈りました。というホールHでしたが、ここで2つ超サプライズ!

「鬼滅の刃」主題歌「紅蓮華」を熱唱したLiSA
Photo by Amy Sussman/Getty Images
まず26日の夜、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の9月全米公開のための花江夏樹さんらを呼んでパネルが開催。LiSAさんも登壇しオープニングから「紅蓮華」を熱唱!さらに本編の冒頭30分近くも特別上映されファンにとっては超お宝パネルに!

最終日はジョージ・ルーカス(左)、ギレルモ・デル・トロ(中央)、ダグ・チャン(右)らが登壇!
そして!27日、ジョージ・ルーカスがSDCCについに参加!これは映画やドラマのPRではなく、彼が来年ロスにオープンする“The Lucas Museum of Narrative Art”という美術館のプレゼンテーションです。この美術館づくりに協力しているギレルモ・デル・トロらも登壇!SDCC2025の最後を締めくくるにふさわしいパネル!ルーカス登壇の時は会場総立ちで拍手を贈りました。