バイキングとドラゴンが戦いを繰り広げるバーク島は実在の島がモデルだった!
ついに、公開まで残り1ヶ月を切った映画『ヒックとドラゴン』。10年にわたり原作アニメ「ヒックとドラゴン」シリーズを手掛けてきたディーン・デュボア監督と「マトリックス」シリーズや「スパイダーマン」シリーズで革新的な映像を生み出してきたビル・ポープを撮影監督に迎え、その世界観を踏まえながらリアリティに近づけるアプローチをとることにより、原作アニメ版のレガシーを拡張しながら完全実写化することに成功した。
アニメーションの世界を壮大な実写版に生まれ変わらせることは非常に難しい試みだ。プロダクションデザイナーのドミニク・ワトキンスはアニメーションシリーズの精神を大切にしながらも、現実感と没入感、そして歴史的に説得力のあるバイキング映画を作り上げることを目指した。 そして、広大な風景から丁寧に作り込まれた内装まで、セット一つひとつがファンタジーと歴史的リアリティを見事に融合させるようにデザインした。
製作は北アイルランドのベルファストにあるタイタニック・スタジオを拠点として行われ、ワトキンスたちは複数のサウンドステージや広大なバックロットを活用。躍動感溢れるアクションシーンと人物にフォーカスしたシーンの両方に対応できるよう、各セットは細部までこだわって作られている。
映画の舞台となるのは、古代からバイキングとドラゴンとの戦いが繰り広げられている荒涼とした辺境の地バーク島だが、実は実在する場所を基にしており、本作のロケ地選定の鍵となっている。原作小説「ヒックとドラゴン」の著者クレシッダ・コーウェルは「『ヒックとドラゴン』はほぼ自叙伝的作品」と自身の経験から作られた作品であると言い、「バーク島は実在の場所を基にしている」と明かす。子供の頃、家族でスコットランドの西海岸沖にある無人島で夏を過ごしたそうで、道路は整備されず、電気も通っていないまさに荒野と呼ぶにふさわしい環境の中、魚釣りや崖を上ったりして数週間を過ごした。

このコーウェルの経験から、本作のスタジオ以外の撮影地として、バーク島の地理を表現するために、手つかずの自然が残るフェロー諸島やアイスランド、スコットランドの風景が取り入れられている。本作のビジュアル面のアイデンティティは、これらの地域の荒々しくも美しい手つかずの景色を参考にして形成され、 自然でありながら非日常的な世界にドラゴンたちを上手く馴染ませることができているのだ。
また、コーウェルは「スコットランドのこの地域は、バイキングがブリテン島に侵攻した時に最初に上陸し、最も長く居続けた場所なの。 そこではドラゴンの存在が信じられていた。そういった歴史のある人里離れた環境で育った私は、想像力を膨らませ、頭上を飛び交うドラゴンたちや水平線に現れるバイキングの船を思い描いていた」と幼少期に過ごしたスコットランドの地はドラゴンの存在が信じられており、本作のルーツになっていることを明かす。
今回解禁された本編映像でも、かつて少女であった原作者コーウェルのようにドラゴンに対するある種の憧れにも似た想いを巡らせる少年少女たちの姿が収められている。訓練場に集められた、ドラゴンとの戦いに備え“炎の訓練”でトップスレイヤーを目指すバイキングの子どもたちは、「この瞬間を待ってたぜ」「夢みたい。訓練場にいる」「俺はどんなドラゴンも倒すぜ」など思い思いに自分がドラゴンと戦って歴史に名を刻むことへの期待、名誉の傷への憧れなどを口にしており、バーク島ではドラゴンという存在は宿敵であると同時に、バイキングにとってドラゴンと戦うことが一種の憧れであることが分かるだろう。
映画『ヒックとドラゴン』本編映像/トップスレイヤーに憧れるヒックと仲間たち<9月5日(金)全国公開>
www.youtube.comこのように、原作者の自叙伝的作品ということから、彼女の幼少期に過ごした場所にフォーカスを当て、実際にバイキング文化とドラゴンの存在が深く融合した地で、ファンタジーと歴史的リアリティを見事に融合させるようにこだわり抜いたセットで撮影された。
『ヒックとドラゴン』
9月5日(金) 全国公開
監督:ディーン・デュボア
製作:マーク・プラット、アダム・シーゲル
出演:メイソン・テムズ、ニコ・パーカー、ジェラルド・バトラー、ニック・フロストほか
日本語吹替:坂東龍汰、Lynn、田中正彦、高木渉、内田雄馬、村瀬歩、神谷浩史、斉藤梨絵 ほか
配給:東宝東和
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