昭和・平成・令和と3時代にわたり日本で手形を残す
2025年8月29日(金)の初日から2日間にわたって舞台挨拶を行い、都内各劇場を駆け巡ったジャッキー・チェン。8月30日(土)、TOHOシネマズ日比谷にて記念すべき11回目、そして最後となる舞台挨拶を迎え、ハリウッド映画俳優として日本最多記録を樹立する偉業を成し遂げた。
熱狂の拍手と歓声に包まれる中、満面の笑顔で登場したジャッキー。会場のボルテージが一気に最高潮へ達すると、「全員古くからの友人です!忙しく世界中を回ってきたけど、ようやく日本に来られました。今日ここにいるのが一番嬉しいです!」と挨拶。「11回も舞台挨拶は大変だったけど、皆さんとこうして直に話せるのが嬉しくてしかたないんだ。もう1回やっても大丈夫!」と元気な姿を見せ、観客を沸かせた。

2010年公開のリメイク版『ベスト・キッド』について、「80年代に、オリジナル版の『ベスト・キッド』を映画館に観に行きました。なんで自分にオファーが来なかったんだと思っていたんだけど、そしてある時、ウィル・スミスから電話があってリメイクを作りたいという。でも『ボクはもうキッドじゃないから』と断ろうとしたら、マスター役だと言われ、年齢を感じました(笑)。大ヒットを受けて続編の話も出たが、脚本のやり取りにうまくいかず10年かかってしまった」と振り返る。
その後、子役ベン・ウォンと出会い、4か月間ノンストップでトレーニングを行ったことを明かし、「ジャッキー・アクション・チームを派遣して、彼に“努力は必ず将来の自分を助ける”と伝えた。ボクは今年でこの映画の世界に入って64年。全世界のファンの皆さんのおかげでここまで来られた。本当にありがとうございます!」と深い感謝を述べた。

公式SNSからの質問コーナーでは、自身の“レジェンド的存在”について「チャーリー・チャップリン、ハロルド・ロイド、黒澤明監督、シルヴェスター・スタローンやロバート・デ・ニーロなどたくさんいます」と回答。「70年代の頃、アクションが受け入れられず諦めかけた時、『ロッキー』に励まされたこともある」と名監督や名作映画からの影響を語った。
また自身の映画作りについて「残虐描写や下品な表現は入れない。世界中の子供たちが観られる作品にしたい。ボクの作品には愛、平和、団結、環境保護を込めているんですよ」と信念を明かした。
さらに、今までの舞台挨拶で歌を歌ったことにも触れ、ジャッキー自ら歌う日本語の曲「TOKYO SATURDAY NIGHT」を披露し、「結構歌上手でしょ?」との問いかけに会場からは大きな拍手が巻き起こった。

SCREENに掲載された1980年来日時に行われた手形イベントの記事にジャッキーもびっくり
そして、舞台挨拶11回の記録を達成したジャッキーは、さらにもう1つの記録に挑戦することに。昭和55年『バトルクリーク・ブロー』での来日時に日比谷で手形イベントを実施し(当時SCREEN誌に掲載された記事が背後のスクリーンに大写しになり、ジャッキーも若き日の自分の姿にびっくり)、平成に来日した際にも手形を残したことで、昭和・平成の2つの時代をまたいで刻印を残したスターであるジャッキー。そして今回、令和の時代にも新たな手形を刻むべく、特別に“カンフーの型”で挑戦することになった。
その受け手として壇上にサプライズ登場したのが、会場を一気に沸かせたお笑い芸人・ジャッキーちゃん。実は何度も会っているが「初めまして!」とお決まりのやり取りを交わした後、ジャッキーちゃんが支える粘土板に向けて、ジャッキーが大きく構え、力強くカンフーの型を決めた。昭和・平成・令和と3時代にわたって手形を残した唯一無二の存在になり、ジャッキーは「また20年後にここへ観に来ましょうか!」とさらなる伝説への挑戦へ意欲をみせた。この手形はミッドタウン日比谷4階のTOHOシネマズ日比谷劇場ロビーにて9月15日まで展示予定。

ジャッキーちゃんと手形イベントを共同で行う

その後は抽選会で当たった観客に直筆サイン入りカードをファンに手渡しする企画も。直接触れ合った観客は「幸せです!」と感極まったコメントを残し、ジャッキーと熱い抱擁と握手を交わした。
最後にジャッキーは「日本に来て映画館で皆さんに会えるのが一番嬉しい。長年のサポートに心から感謝します。映画を作る力は皆さんが与えてくれるもの。世界中のファンにありがとうを伝えたいです」と語り、「ぜひ映画館で映画を観てください!映画産業を応援してください!“(日本語で)ボク、頑張ります!”」と力強く呼びかけた。笑顔で観客へ何度も何度も手を振りながら退場するジャッキーに、観客は最後まで拍手を送り続け、熱狂の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
撮影:久保田司