この度、⿊崎煌代、遠藤憲⼀、井川遥、⽊⻯⿇⽣、菊池亜希⼦、中⼭慎悟、団塚唯我監督が登壇した『見はらし世代』ジャパンプレミアを実施。カンヌ国際映画祭や上海国際映画祭など、各国の映画祭で上映が続く中、⽇本国内で初めてお披露⽬を迎えた⼼境や撮影時のエピソードなど作品のまつわるトークをくりひろげた。
緊張と感謝の舞台挨拶をレポート!
第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品された、映画『⾒はらし世代』(10⽉10⽇公開)。9⽉2⽇にはBunkamuraル・シネマ渋⾕宮下にてジャパンプレミアが実施され、主演の⿊崎煌代、共演の遠藤憲⼀、井川遥、⽊⻯⿇⽣、菊池亜希⼦、中⼭慎悟、そして団塚唯我監督が登壇した。
満員御礼で迎えたこの⽇、映画初主演の⿊崎は「今年の1 ⽉に撮影して。普段だったら“ようやく公開…”という感じだけれど“もう公開なんだ…”というのが素直な気持ち。カンヌもあって、あっと⾔う間の⽇々でもうこの⽇を迎えてしまったという寂しい気持ちもあります」と念願のジャパンプレミアを迎えた率直な感想を述べた。

主演の黒崎煌代
団塚監督とは別作品を通して以降、3年程の交流があったという。「友達の僕にこの役を投げてくれたという事は、そこから変に役作りをすると監督がイメージしたものから遠ざかってしまうと思った。あえて作り込まない作り込み⽅をしました」と役作りを回想し「家族のストーリーで僕が主⼈公ではありますが、主演だから何かをしたとかはなくて、共演の皆さんに助けられて過ごした撮影期間でした」とスタッフ・キャストに感謝した。

団塚唯我監督
今年5⽉開催の第78回カンヌ国際映画祭の監督週間において、⽇本⼈史上最年少26歳にして作品が上映された団塚監督。「カンヌのプレミアも今⽇と同じく本編上映前に舞台挨拶に登壇したけれど、今はカンヌの時よりも緊張しています。それは⽇本の観客の皆さんに観てもらうのを⼼待ちにしていたからです」と⻑編映画監督デビュー作お披露⽬に万感の思いだった。

遠藤憲一
「⼀番下っ端の⼈だと思ったら…監督だった」と現在27歳の団塚監督の若さに驚いたのは遠藤で「初めて会った時にそう思った。だってこんなにお若い監督とやったことがないから」と苦笑いしつつ「でも監督が⼿掛けられた短編作を観てビックリした。現場での演出も的確過ぎて鋭い。なので本作ではまるっと全部監督の⾔う事を聞きました」と新たな才能を絶賛。完成作については「凄いです。画の作り、カット割り、編集。すべてが今まで経験したことがなくて、正直ビックリした。若いってスゴイと思ったけれど、そうではなくて監督に才能があるからだとわかった」と⾆を巻いた。

井川遥
井川も「団塚監督は鋭い。演出の判断が的確。なぜこの若さで⾊々な⼈の事がわかるのだろうかと驚きました。繊細だけれど、切り取るところは鋭い。でも現場は和気あいあい」と撮影を回想し「完成作を観た時に、切り取り⽅でこんなにも違った⾒え⽅がするのかと驚いた。編集の部分でなるほどと唸らされました」と完成度に⽬を⾒張った。

木竜麻生
趣味であるピラティスがそのまま役柄の設定に反映された、というのは⽊⻯。「監督から『その設定で⾏きましょう』と⾔われて。菊池さんはそれに合わせてピラティスに通ってくれたそうです」と裏話を明かし、菊池は「私の役がピラティスにそれなりに通っている設定だったので、これは通わねばと。プライベートでやってみようと思ってもなかなか続かないので、やらざるを得ない状況にしてくれて嬉しかったです」と⼀⽯⼆⿃だと喜んでいた。

菊池亜希⼦
中⼭は⿊崎との共演を回想。「⿊崎君が⽊⻯さんや菊池さんに繋げてくれて、⿊崎君と⼀緒にいたら友達が出来そうだと思った」と笑った。団塚監督は本作の独特なタイトルについて「撮影中は『新しい景⾊』というタイトルでしたが、それでは固すぎるのではないかと。新しく変わることがテーマとしてあるので、そのイメージを“世代”という⾔葉に託そうと思った。観終わった後に考える余地のあるタイトルになるのではないかと思った」と狙いを明かした。

中⼭慎悟
本作のタイトルにちなんで、それぞれが⾃分⾃⾝を『〇〇世代』に当てはめて発表。遠藤は「バブル世代。とはいうもの当時は四畳半の⽊造アパートに住んでいました」、井川は「就職氷河期世代。ほんのり就職していたので辞める時には凄く怒られました」、⽊⻯は「ゆとり世代どんぴしゃ」、菊池は「モーニング娘。世代」、中⼭は「⼋村塁世代」、団塚監督は「ゆとり、さとり、Z世代…⾊々と⾔われました」と苦笑いだった。
そんな中、主演の⿊崎は「僕は…⾒はらし世代です!」と胸を張ると、拍⼿喝采で「ありがとうございます!本作を観ていただき、僕の代表作だと思っていただけたら嬉しです」と期待を込めた。
最後に「本作は家族の映画で、⾃分の初めての⻑編監督映画でもあるので、観ていただくことに緊張しつつも嬉しい気持ちです。ロケは渋⾕近辺で⾏ったので、映画を観終わって時間のある⽅は、街を歩いていただけたらと思います」と呼び掛けた。主演の⿊崎も「みはらし世代というタイトルの意味は、映画を観てくれた⼈それぞれ考えるものがあると思います。SNS等で皆さんの“見はらし”の解釈を聞かせていただけたら嬉しいです。是⾮ともお楽しみください」とPRしていた。

⾒はらし世代
10⽉10⽇(⾦)全国公開
<STORY>
再開発が進む東京・渋⾕で胡蝶蘭の配送運転⼿として働く⻘年、蓮。ある⽇、蓮は配達中に数年ぶりに⽗に再会してしまう。姉・恵美にそのことを話すが、恵美は⼀⾒すると我関せずといった様⼦で黙々と⾃分の結婚の準備を進めている。悶々と⽇々を過ごしていた蓮だったが、彼はもう⼀度家族の距離を測り直そうとする。家族にとって、最後の⼀夜が始まる――
出演:⿊崎煌代 遠藤憲⼀ 井川遥 ⽊⻯⿇⽣
菊池亜希⼦ 中村蒼 中⼭慎悟 吉岡睦雄
蘇鈺淳 服部樹咲 ⽯⽥莉⼦ 荒⽣凛太郎
監督:団塚唯我
配給:シグロ