公開前夜祭舞台挨拶レポート

愛が重すぎるベートーヴェンの秘書シンドラーを演じた⼭⽥は「明⽇公開ですが、先んじて観ていただけて嬉しいです。脚本・バカリズムさんのアイデアがなければ僕らはドイツ⼈になることは不可能でした。中学⽣男⼦の頭の中の妄想から始まるという設定が、バカリズムさんのアイデアならでは、です。今⽇は楽しんでいきましょう︕」と、先⾏上映後の興奮冷めやらぬ満席の会場に呼び掛けた。
8⽉に⾏われたプレミアムナイトでは19世紀のウィーンを舞台にした劇中⾐装に⾝を包んで登壇した⾯々。今⽇は“コンサートに⾏く際のコーディネート”というテーマで、落ち着いたトーンのスーツで着飾る⼭⽥らの中、古⽥は「ホント、ベートーヴェンの⾐装は暑かった︕今⽇のオイラはサマフェスのつもりです︕」と、前回のイベントとは打って変わってビビットな真っ⾚な帽⼦をかぶっての登壇となった。

劇中に流れるベートーヴェンによる名曲の数々も聴きどころとなる本作。⼭⽥は「この曲もベートーヴェンの曲なんだ!?と僕も思ったくらいなので、クラシック⾳楽に詳しくなくても楽しめる映画です」とアピール。⾳楽に精通し、ヘヴィメタルとクラシックをこよなく愛する古⽥も「最後の最後に清塚信也さんのピアノも聴けますからね。ちなみに清塚さんもベートーヴェン同様良い奴ではないですけどねえ」とニヤリと笑いながらジョークを⾶ばすと、すかさず⼭⽥が「捏造です︕」とフォローし、さすがのコンビネーションを⾒せた。

続いて、“今だから⾔える撮影裏話トーク”では、関監督が「LED パネルを使⽤しての撮影は、背景のウィーンの街並みなどの映像をその場で変えられることに驚いた。そんなシステムの中で撮影したのは初めての経験だったので楽しかった」と回想すると、⼭⽥も「実際にウィーンで撮影したら『あの建物邪魔だからどかして』は出来ませんもんね︕」とテクノロジーの進化に⽬を丸くしていた。

⼩澤は「初稿ではセリフがなくて、次の台本で⼀つあった。以前セリフのない役をバカリさんの作品で演じたことがあったので、これは狙いかなと思って聞いたら『全然違いますよ…』と⾔われて驚いた」とビックリ。前⽥は「古⽥さんは本番直前まで話をしてくれて優しいのに、ベートーヴェンとして厳しくするシーンが始まると本当に怖かった」とスイッチの切り替えに驚くと、古⽥は「それはね、旺志郎の事を憎んでいたからね︕」と、またもやブラックジョークを発動。

神尾は「撮影初⽇で緊張していたので古⽥さんと喋りたくなって『お元気ですか︖』と聞いたら、僕の声が何も届いていなかった」と苦笑いすると、「もうオイラの話はいいよ︕」と連続で⾃分の話題が出たことに照れたように抗議した古⽥。

染⾕は「撮影したスタジオのある場所が僕の地元で、近くに⺟校もあった。でもスタジオの中に⼊ったらそこはウィーンでした」と笑いを交えて答えた。古⽥は「撮影の思い出︖今⽇は来ていないけれど、僕は⼩⼿伸也が嫌いです︕」と毒を吐いて、⼭⽥から「さっきから捏造しかない︕」とツッコまれていた。

そしてMCから、今⽇の前夜祭をもって解禁となった、ベートーヴェンのかつての愛弟⼦・リース役の井ノ原快彦からのコメント紹介‥と思いきや、井ノ原が「僕も出演者の⼀⼈としてご挨拶したかった」とサプライズ登壇︕「マジでビックリした︕」と仰天する⼭⽥の横で古⽥は「普通に来いや︕イノッチ︕」と会場を笑わせた。

井ノ原と⼭⽥は連続ドラマでバディを組んだことが縁で、本作のキャスティングに繋がったという。井ノ原は「⼤好きな⼭ちゃん主演の映画の前夜祭ということで、是⾮とも参上したいと思った」と⾔うと、⼭⽥はサプライズ登場に驚きすぎて「頭が真っ⽩で⾔葉が出てこない。超嬉しくて、背中が汗でグショグショです。ヤバい」と⼤慌て。

⼭⽥との共演に井ノ原は「途中から撮影に⼊った僕に⼭ちゃんが気を遣ってくれて、マネージャーのようにずっと僕の横に付いて、監督と僕の所を⾏ったり来たり。『井ノ原さん、監督が笑ってました︕』とか報告をしてくれたり、本当に気を遣ってくれた」とリスペクトに感謝。
⼭⽥も「井ノ原さんが出てくれたのは嬉しかったし、バディもので共演させてもらっていたからなのか、楽しく撮影が出来て井ノ原さんとのシーンは⼀番笑っていました」と嬉しそうで、井ノ原は「カメラに向かって僕が芝居するシーンでは、⼭ちゃんがカメラの横にいてニヤニヤしてくれて、とてもやりやすかった」と仲良さそうに振り返った。改めて⼭⽥は「いつか僕主演の作品で井ノ原さんと共演出来たらいいなと思っていたので、夢に描いた事がこんなにも早く叶ってしまって、ありがたい、ありがたい、ありがとうございます︕」としみじみ最敬礼すると、井ノ原も「最上級を頂きました︕」と満⾯の笑みだった。

最後に関監督は「豪華キャストと豪華な世界観を作ることができました。周囲の⽅々に⾯⽩かったと⾔っていただけたら幸いです」と⼤ヒットを祈願。⼭⽥も「1977年にシンドラーの嘘がバレました。卵をぶつけたり、料理をぶちまけたのも本当ですが、それを原作の先⽣がこうだったのかもしれないと書いて、それをバカリズムさんが中学⽣男⼦の頭の中の妄想として書いて本作は⽣まれました。真実とは何か︖というものが今の世の中には溢れている気がしますが、僕はこの映画を通して真⼼の⼤事さを感じました。それを忘れず、沢⼭の⼈に本作を広げていただけたら幸いです」と呼び掛けていた。
『ベートーヴェン捏造』
9⽉12⽇(⾦)全国公開
<STORY>
⽿が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる数多くの名曲を遺した偉⼤なる天才⾳楽家・ベートーヴェン。しかし、実際の彼は――下品で⼩汚いおじさんだった…︕︖
世の中に伝わる崇⾼なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書・シンドラー。
どん底の⾃分を救ってくれた憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、そのイメージを“下品で⼩汚いおじさん(真実)”から“聖なる天才⾳楽家(嘘)”に仕⽴て上げていく。
しかし、そんなシンドラーの姿は周囲に波紋を呼び、「我こそが真実のベートーヴェンを知っている」、という男たちの熾烈な情報戦が勃発︕
さらにはシンドラーの嘘に気づき始めた若きジャーナリスト・セイヤーも現れ真実を追究しようとする。シンドラーはどうやって真実を嘘で塗り替えたのか︖果たしてその嘘はバレるのかバレないのか――︖
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