第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞した原浩による同名小説を映画化。本作が映画単独初主演作となる水上恒司と、今回が単独での映画初出演となるSnow Manのメンバー・宮舘涼太。劇中、対立関係を演じる二人のツーショットインタビューは、それぞれの個性が光る話が次々と飛び出し、面白い掛け合いが繰り広げられた。(文・清水久美子/写真・野口貴司(SanDrago)/[水上恒司]ヘアメイク・Kohey(HAKU)/スタイリスト・カワサキ タカフミ/[宮舘涼太]ヘアメイク・宮川朋子/スタイリスト・横田勝広(YKP)/デジタル編集・スクリーン編集部)

“セリフの量が尋常ではなく、言葉の一つ一つに重みがあったので、そこにすごく惹かれましたね。” (宮舘)“雄司は受け身のキャラクターなので、僕はキャッチャーだと思って演じました。” (水上)

画像1: “セリフの量が尋常ではなく、言葉の一つ一つに重みがあったので、そこにすごく惹かれましたね。” (宮舘)“雄司は受け身のキャラクターなので、僕はキャッチャーだと思って演じました。” (水上)

水上恒司 プロフィール

1999年5月12日生まれ、福岡県出身。TVドラマ「中学聖日記」(18)で俳優デビュー。「MIU404」(20)ではメインキャラクターのひとりの若手刑事役を好演。『弥生、三月-君を愛した30年-』(20)で映画デビューを果たす。その後、『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』(20)、『新解釈・三國志』(20)などの話題作に次々と出演。2021年には、NHK大河ドラマ「青天を衝け」に出演。主演(W主演)映画に『死刑にいたる病』(22)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)、『九龍ジェネリックロマンス』(25)がある。

──映画『火喰鳥を、喰う』に出演することが決まった時、どう思いましたか?

水上「これまで、ホラー要素のある作品で言うと、ドラマ『ほんとにあった怖い話』に出演したことがありますが、ここまで複雑でいろいろな面がある映画だと、何にフォーカスをあてて、何を打ち出していけばいいのかと悩み、かなり難しいかもしれないと思いました。でも、やり様がたくさんある作品だし、多くの要素があるというところに惹かれました」

宮舘「僕はグループとしてではなく単独で言うと、初の映画出演ということで、非常にありがたいお話をいただけたなという気持ちでした。原作は今までになかったような物語ですし、その中でも個性が際立っている北斗という人物をやらせていただくにあたって、セリフの量が尋常ではなく、言葉の一つ一つに重みがあったので、そこにすごく惹かれましたね」

──水上さんは、雄司というキャラクターをどう捉えて演じましたか?

水上「雄司は受け身のキャラクターなので、僕はキャッチャーだと思って演じました。名キャッチャーでもあり、ちょっと不器用なところもあり。ピッチャーからのいろんなボールや、内野からのバックホームなどを、1回落として点を許してしまうのか、掬い取れるのか、そういったことの連続なんです。主演ではありますが、僕が物語を動かしていくわけではなく、雄司を動かそうとしてくる人間たちの矢印を、いかに受けるかで物語が成り立っていく。なので、ストーリーを動かすのは舘さん次第だったんです」

宮舘「そうですね、登場人物たちの動向は僕次第なんだろうなと、覚悟を決めて撮影に臨みました。水上君が言った通り、ボールを投げるのは僕なので、投げないことには始まらないからこそ、説得力を持たせるにはどう北斗を演じるのか、本木監督とお話をさせてもらって演じました。今回、演技面についてたくさん学ばせていただきました」

画像2: “セリフの量が尋常ではなく、言葉の一つ一つに重みがあったので、そこにすごく惹かれましたね。” (宮舘)“雄司は受け身のキャラクターなので、僕はキャッチャーだと思って演じました。” (水上)

宮舘涼太 プロフィール

1993年3月25日生まれ、東京都出身。アイドルグループ・Snow Manのメンバー。2005年に芸能界入り。TVドラマ「ぬけまいる~女三人伊勢参り」(18)で時代劇に初出演。主な出演作に、映画『HOT SNOW』(11)、『劇場版 私立バカレア高校』(12)、『劇場版 仮面ティーチャー』(14)、『ラスト・ホールド!』(18)、『映画 少年たち』(19)、『おそ松さん』(22)、TVドラマ「夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~」(19)、「大奥」(24)などがある。

──共演してみた上での、お互いの印象を教えてください。

宮舘「水上君は、言葉が合っているかどうか分からないけど、憑依型の役者さんだなと思いました。今までもいろいろな役を演じられていて、引き出しの多さがすごいなと」

水上「僕は、憑依はしていないです」

宮舘「あれ、違った? 作品に対しての熱をすごく持っていて、様々な役になり切れると言いたかったんだけど」

水上「そう思われるのは嬉しいですけど、憑依というのは語弊があるなぁ」

宮舘「もう僕、水上君を褒めるのやめようかな(笑)」

──水上さん、照れてますね(笑)。

水上「(すまし顔で)僕の舘さんに対する印象は、ご本人がいないところでお話ししようと思っていたんだけどな。北斗はコミュニティの中に突然入ってきた異物で、雄司たちは白血球のようにそれを排除しようとします。北斗の異物さの大きな部分は、図々しさだと思うんですが、舘さんには図々しさなんてものは全く感じられないので、北斗の図々しさを作ったのは、どれぐらいすごいことかと思います。本当に素晴らしいです」

宮舘「飴とムチなんですね。ムチを打ってくる方が多いかもだけど(笑)」

※全文はSCREEN2025年11月号に掲載

『火喰鳥を、喰う』

画像1: 『火喰鳥を、喰う』

原浩による、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作の映画化。『空飛ぶタイヤ』(18)、『シャイロックの子供たち』(23)などの本木克英が監督を務める。脚本は『ラーゲリより愛を込めて』(22)などを手掛けた林民夫。ある日、久喜雄司の元に、かつて戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いたという謎の日記が届く。“ヒクイドリ、クイタイ”という生への執着が記されたその日記を読んだ日を境に、雄司と妻の夕里子の周囲では不可解な出来事が頻発するようになる。貞市の日記が引き起こす、存在しないはずの“過去”は少しずつ“現実”を侵食していき……。

画像2: 『火喰鳥を、喰う』

久喜雄司(水上恒司)

信州の実家で最愛の妻・夕里子と暮らし、大学で化学の助教をしている。

画像3: 『火喰鳥を、喰う』

北斗総一郎(宮舘涼太)

夕里子の大学時代の先輩で超常現象研究家。雄司に挑発的な態度をとる。

『火喰鳥を、喰う』
2025年10月3日(金)公開
日本/2025/配給:KADOKAWA ギャガ
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:原浩「火喰鳥を、喰う」(角川ホラー文庫/KADOKAWA刊)
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、カトウシンスケ、豊田裕大、麻生祐未、宮舘涼太

© 2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

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