公開から20年経っても色あせるどころか、世界中にファンを増やし続ける珠玉の青春映画『リンダ リンダ リンダ』が、4Kデジタルリマスター版として、全国にて大ヒット上映中。その熱は日本を飛び出し、韓国にも飛び火し、記者会見に始まり、8回の舞台挨拶と4回のQ&A を実施、有料上映はすべて完売という、大きな盛り上がりを見せた。
2006年の韓国初公開当時には叶わなかった、山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)の4名でペ・ドゥナの母国韓国での韓国キャンペーン。その後マカオ・中国をめぐった山下監督の強行スケジュールの模様を紹介!

9⽉12⽇:到着から既に1 時間押し…どうする!?その時問われた衝撃の⼀⾔

朝に⽇本を発ち、午前中にソウル⼊りした⼀⾏。しかし、⼊国⼿続きが予想外に時間がかかり、空港を出た時点で既に予定を1 時間オーバー。これからヘアメイクなどをして、取材、記者会⾒、舞台挨拶をこなす予定が既に時間がない︕︖ そのとき韓国配給のスタッフが放った⾔葉に誰もが驚いた。「時間を短縮したいのでお尋ねしますが、最後に髪を洗ったのはいつですか︖」……⼀同、何を聞かれているのか分からないながらも「昨晩ですが…︖」と回答。実は韓国のヘアメイクは美容院で洗髪から始まるのが⼀般的、と教えられる。初っ端から、⽇本との違いに驚く。すると、移動⾞の中で韓国で⼤⼈気の某ベーグルショップのベーグルが︕ 「ソウルに⾏ったら⾷べたいもの」として前⽥亜季が「韓国のベーグル有名ですよね。⾷べてみたいです❤」と軽い気持ちで答えていたが、韓国到着初の⾷事になるとは。⽢いベーグルとネギ⼊りクリームチーズの組み合わせを勧められて⾷べると「おお、美味しい〜︕」 ⾊んな種類をみんなで分け合いながら楽しみました。

画像1: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

監督は⼀⾜先にペ・ドゥナと2 ショット取材、怒涛のスケジュールが始まった

前⽥亜季、⾹椎由宇、関根史織がヘアメイクをしている間、監督はペ・ドゥナとふたりでインタビュー。合わせたわけではないのにブラウンのリンクコーデのふたりが可愛らしい。その後、パーランマウムの4名は10分ずつ3媒体の取材を受ける予定が⼤幅に短縮され、各媒体5分ずつの取材に。ただただ⾔われるがままに対応していく。「リンダ リンダ リンダという⾔葉だけで会話して下さい」と⾔われても、疑問を持たずに「リンダ リンダ リンダ︖」「リンダ リンダ リンダ︕「あ〜、リンダ リンダ リンダ︕」という動画が撮られていく……。

そんな中、現れた映画内の「恵おめでとう」にそっくりな「リンダ リンダ リンダ 20周年おめでとう︕」と書かれた真っ⽩な四角いケーキが登場︕ ⼀同、「わー、そっくり〜︕」と感激しきり。しかし、ケーキを⾷べる時間もなく、記者会⾒へ。(ケーキは翌朝みんなでいただきました。イチジクがみっちり⼊った美味しいケーキでした)marie claireの取材ではロングインタビューをしながらキンパをもぐもぐ。インタビュアーさんが本当に『リンダ リンダ リンダ』が⼤好きだという気持ちの伝わってくるインタビューの後はファッションシューティング。なんと⼭下監督もヘアメイク&スタイリング。ひとりずつ撮影したあとに、みんなで揃って⾏った撮影ではバンドセットでBGM は「リンダ リンダ」︕

画像3: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

通訳さん⼊りの5名の舞台挨拶を10分でどうやるの……︖

元々、スケジュール表にあった「舞台挨拶時間10分」をどうこなすのか不思議だった⼀同。その謎は最初の舞台挨拶で解けた。それぞれが⼀⾔ずつ挨拶をし終えると「はい、それではポスター欲しい⼈―︕」と司会の⼈が客席に声を掛けると挙⼿の嵐。「では、Eの14の席の⼈︕」という具合にプレゼントを渡していくのが⼀般的な舞台挨拶と知り驚く。1分も空かずに組まれた舞台挨拶も、時間を調整して上映が⾏われており、ひとつのスクリーンを出たら隣のスクリーンに⼊って舞台挨拶、というある意味合理的な⽅法だった。この⽇、1回目の舞台挨拶はマスコミや関係者向け舞台挨拶。挨拶が終わったときに、花を⼿渡しに来てくれたのはなんと……キム・ヘスさん︕ 韓国ドラマや映画も好きでよく⾒ている前⽥亜季は⼤感激︕ 『リンダ リンダ リンダ』を気に⼊ってくださったようで、別れ際にもハートマークを作ってくれていたキム・ヘスさんの姿が忘れられません。次に向かったスクリーンからは合唱が聴こえる……︖と思ったら、今度は⻘いハート型のライトを持った観客の皆さんが「リンダ リンダ」の⼤合唱︕ これには⼀同驚きと喜びで⾔葉を失った。

画像: 通訳さん⼊りの5名の舞台挨拶を10分でどうやるの……︖

さらにまた次のスクリーンでQ&Aが始まる。質問は画⾯に映されたQRコードからみんながその場で送ってくる。現場の様⼦について、好きなセリフなど、オーソドックスなものから、「なぜ、韓国⼈のペ・ドゥナさんを主演にしようと思ったのですか︖」「この作品を通して⽇韓の関係性に変化が⽣まれると思っていましたか︖」といった韓国ならではの質問も。「なぜ‟ソン“という苗字にしたのですか︖」という質問も韓国ならではのものだったが、「スペルで考えたときにSongになるが‟歌”なのっていいなと思って」という⼭下監督の回答に会場も納得。

9⽉13⽇:舞台挨拶3回、Q&A2回。ソウルの渋滞はすごかった……

画像4: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

昨⽇は関根史織のみが洗髪されたが、今⽇のヘアメイクでは前⽥が髪を洗われる。「ものすごく気持ちよかったー︕」という前⽥の⾔葉に「なぜ私の髪は洗われないの……︖」と残念がる⾹椎由宇。前⽇と違って落ち着いたスケジュールに余裕を感じていたが⽢かった。突然、「時間がなくなったので、前⽥さんはタクシーで来てもらうことにして、ほかの⼈は先に出ます︕」と⾔われ劇場へ。しかし、渋滞にはまりなかなか前に進まない。舞台挨拶に穴をあけるのか︖とヒヤヒヤしながらたどり着くと、後に出たはずの前⽥の姿が。タクシーで劇場前につけてからスクリーンまで走ったとのこと。「あんなに走ったの久しぶり……」と息を切らす前⽥。2度の舞台挨拶を⾏い、また劇場を移動して舞台挨拶とQ&A。その後、1時間半の空きがある、とのことでまったく観光もできていなかった⼀同は「ちょっとしたショッピングでも︕」と目を輝かせていたが……むなしく渋滞にはまる。「このあたりは梨泰院です」「ここは東⼤門でショッピングが楽しい地域です」などバスツアーのように移動⾞から観光案内される。

「やった︕ビールが飲める︕」夕食はサムギョプサル︕

9月13⽇のすべての⾏程を終えて、今⽇は打ち上げ︕ サンドイッチやキンパなどを空き時間につまむ⾷事ばかりだったが、ようやくおいしいサムギョプサルにありついた。やはり韓国の⽅々は飲む呑む。当然のようにソジュ(焼酎)とビールを混ぜながらスタッフのみなさんも吞んでいる……まだ明⽇もあるのに、皆さんお元気です。

画像5: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

9⽉14⽇:帰国⽇も舞台挨拶とQ&A。その隙間を縫ってショッピング決⾏︕

画像6: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

あっという間の3⽇目帰国⽇。昨⽇は⾼麗⼈参エキスの⼊った栄養ドリンクが朝配られたが、今⽇は二⽇酔い用のドリンクが配られた。幸い、誰も必要なかったので、お土産用に頂く。⾹椎はようやく念願の洗髪を経験。この⽇も舞台挨拶を3回とQ&Aが1回。ホテルの前のコンビニくらいしか⾏けてないままに帰国するのかな……と思っていたところ、韓国のスタッフさんたちが思案してなんとか時間を捻出︕ この⽇の舞台挨拶はショッピングモール内にある劇場2か所だったため、その地の利を⽣かして、10分間ショッピングを決⾏した。「⽇本では売ってないUS仕様のコンバースが韓国で買えるらしい」と聞き、⾏ってみたいと思っていた関根の願いを叶えるため、コンバースへ。みんな「あ、これ可愛い」とどんどん試着を⾏う。監督も気に⼊ったものがあったがサイズがない……。関根は無事、希望サイズをゲット︕ ⾹椎もしっかりお気に⼊りを⾒つける。

移動した次の劇場もショッピングモール内にあった。「韓国のマツモトキヨシ︖」的なOLIVE YOUNGを⾞内から⾒続けて⼀同で「オリヤン⾏きたい……」とつぶやいていたところ、「今から10分ほどなら⾒れます︕」と⾔われみんなで小走りにショッピング︕ メイクさんに教えていただいた化粧品などを探すけれども⾒つからず時間が過ぎていく……。そんな中、ちゃっかり監督はコンバースを⾒つけて靴を購⼊。
そして、急いで戻って舞台挨拶とQ&Aを⾏う。最後は観客の皆さんのスマホを点灯させて⼀緒に撮影。感動的な光景に。

画像: 9⽉14⽇:帰国⽇も舞台挨拶とQ&A。その隙間を縫ってショッピング決⾏︕

最後のQ&Aが終わると「あー……終わっちゃったね……」の声。8月21⽇の前夜祭から延べ6⽇間を⼀緒に過ごした監督とパーランマウムの5⼈。⼀緒に過ごす公式⾏事はすべて終了してしまった。それぞれがハグをしながら、別れを惜しむ。でも、SNSが発達していなかった20年前と違って、今回の再会で連絡先を交換し合い、気楽に連絡を取ることが出来るようになった。だから、これからも、パーランマウム・フォーエバー︕

韓国のキャンペーンは、Q&Aでは司会を現地のライターやラジオDJの⽅がされていた。届いた質問に対し、ご本⼈の映画に対する感想をとうとうと述べてからアンサータイムに。「まだ回答しなくていいの︖」と思うほどにしっかり語る司会の⽅々。でも皆さんの熱い想いも感じられて良い経験に。
また、観客と登壇者たちの距離が近く、最前列の⼈たちはプレゼントを持ってきてくれて、それを⼿渡していた。待ち時間に歩いているペ・ドゥナさんに観客の⽅が話しかけてなにか喋ってもらっている様⼦を動画で撮っていたり、とお互いがフレンドリー。それでいて、混乱も⽣じていない様⼦が印象的だった。

画像7: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

9⽉15⽇:帰国翌⽇、山下監督は向井康介さんと⽇本でQ&Aとサイン会

画像: 9⽉15⽇:帰国翌⽇、山下監督は向井康介さんと⽇本でQ&Aとサイン会

前⽇23:00近くに帰国した⼭下監督と脚本の向井康介さんのQ&AをYEBISUGARDEN CINEMAで実施。上映回は満席の⼤盛況︕ 複数回観ている⽅が多く、マニアックな質問がいくつも上がる。Q&Aの後はパンフレットへのサイン会。その列はどんどん伸びていき、果てには劇場を出てしまうほどに。100冊近いパンフレットにサインをして、充実のトークイベントとなった。

9⽉17⽇〜9⽉25⽇:山下監督、中国ツアーへ︕

落ち着く暇もなく、⼭下監督は9月17⽇からまたしても海外へ。

画像8: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

マカオ

第2回マカオ国際短編映画祭で⼭下監督の特集上映が組まれ、『リアリズムの宿』『苦役列⾞』そして、『リンダ リンダ リンダ』が上映された。マカオでの上映でも監督にサインを求める⼈の列が︕

北京

画像9: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記
画像10: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

北京ではさらに規模の⼤きな⼭下監督特集上映が。『リンダ リンダ リンダ』『天然コケッコー』『苦役列⾞』『もらとりあむタマ⼦』『オーバーフェンス』『カラオケ⾏こ︕』の6作品が「Never-ending adolescene」と題されて上映された。
『苦役列⾞』の上映では中国を代表する映画監督ジャ・ジャンクー監督とのトークもあり、その縁を感じたファンからジャ・ジャンクー監督と2ショットのイラストが描かれたプレゼントをもらったそう。その他、ファンの皆さんが作ったアンオフィシャルな『リンダ リンダ リンダ』グッズをくださる⽅多数。

画像11: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

杭州

上海に近い、浙江省・杭州で⾏われた第八届浙江国际⻘年电影周で『リンダ リンダ リンダ』の上映。制服がなく、ジャージ登校という中国の観客の⽅々からは「制服が羨ましい」という声が多かったそう。「リンダ リンダ リンダコスプレ」ともいえる服装で会社に⾏っているOLさんまで︕ここでも、数多くのアンオフィシャルグッズをプレゼントされる。

9⽉28⽇:山下監督×向井康介さん、Q&A再び︕

またしても⽇本に戻るなり、Q&Aトークイベント。初めて映画を観た、というお客様も多い中、マニアックだった質問が……「ソンさんをバンドにスカウトするシーンで、かなり⼤きめにヘリコプターの音が⼊っているのですが、あれはなぜ︖意図が知りたい」。この質問は記憶の限り、20年間なかった︕ 「あれはわざとです」と即答の監督。「『家族ゲーム』の影響でね」と向井もうんうんとうなずく。ヘリコプターの音がお気に⼊りで不穏な空気になる、とのこと。恵と凛⼦がバチバチなシーンだったから⼊れてみた、という意図が説明された。

画像12: 山下敦弘監督、前田亜季、香椎由宇、関根史織がペ・ドゥナの母国で強行スケジュール!?『リンダ リンダ リンダ 4K』海外キャンペーン記

『リンダ リンダ リンダ 4K』
全国にて大ヒット上映中

出演:ペ・ドゥナ 前田亜季 香椎由宇 関根史織 (Base Ball Bear)

監督:山下敦弘 

脚本:向井康介 宮下和雅子 山下敦弘

主題歌:「終わらない歌」(ザ・ブルーハーツ)

配給:ビターズ・エンド

© 「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ

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