山田裕貴が主演し、佐藤二朗が共演する『爆弾』が10月31日に公開される。緊迫する交渉、突きつけられる謎、刻一刻と迫る爆発、人間の内側と社会の闇を炙り出していくような長セリフの応酬。観る者すべてが試され、瞬きできず身が震えること必至の“極限のリアルタイムミステリー”である。この度、本作の原作者である呉勝浩の映画化に際する想いとメガホンを取った永井聡監督の覚悟が明らかになった。

原作小説が初映画化の呉勝浩×メガホンを取った永井聡監督

2024年は吉田修一の「国宝」を皮切りに、カズオ・イシグロの「遠い山なみの光」、真藤順丈の「宝島」、村上春樹の「神の⼦どもたちはみな踊る」など、人気小説の映画化が続いている。ミステリー分野に絞っても浅倉秋成の「俺ではない炎上」、原浩の「火喰鳥を、喰う」、柚月裕子の「盤上の向日葵」などが挙げられる。

中でも一際熱い注目を集めているのが、呉勝浩の「爆弾」だ。日本最大級のミステリーランキング「このミステリーがすごい! 2023年版」(宝島社)「ミステリが読みたい! 2023年版」(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)で堂々の1位を獲得したベストセラー小説である。これを読まねば、“旬”のミステリーは語れないと評され、背筋が凍るような衝撃展開の連続が多くの読者を魅了。続編「法廷占拠 爆弾2」も発売され、話題を呼んでいる。

本作は呉勝浩の初映画化作品。一人の謎の中年男が酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行され、彼は自らを「スズキタゴサク」と名乗り、霊感が働くと称し、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告したことから始まる。秋葉原での爆破を皮切りに、この後、一時間おきに3回爆発すると予知していく。そして、刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始めるのだった・・・彼は、いったい何者なのか!?そして仕掛けられた“爆弾”の正体とは!?

スズキタゴサクと警察が取調室で繰り広げる先読み不能の謎解きゲームと東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行。まさに極上のミステリーと超ド級のアクションが織り成す究極のエンターテイメントである。

取り調べをする類家を主演の山田裕貴、謎の人物スズキタゴサクを佐藤二朗が演じ、共演には伊藤沙莉、染谷将太、渡部篤郎、坂東龍汰、寛一郎ら実力派俳優たちが顔を揃えている。監督は、『キャラクター』『恋は雨上がりのように』『帝一の國』などで知られる永井聡。繊細な心理描写とスリリングな映像表現で名を馳せる監督である。

9月24日(水)、フィンランド・ヘルシンキ国際映画祭で日本に先駆けプワールドプレミアが行われたが、上映チケットは完売し、会場はフィンランドの寒空を吹き飛ばすほどの熱気に包まれ、早くも世界のファンを魅了した。

日本での公開に向けてますます期待が高まる中、原作者 呉勝浩の初映画化に対する想いと、原作に魅了されオファーを即決しメガホンを取った永井聡監督の覚悟にフォーカスする。

人気作家・呉勝浩は2018年に「白い衝動」で第20回大藪春彦賞、20年に「スワン」で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞し、デビュー以来多くの賞を受賞している。

初映画化作品である本作の制作にあたり、呉が望んだことは、類家(山田裕貴)とタゴサク(佐藤二朗)を「モンスターにしないこと」。映画化においては、「類家をわかりやすい変人にしたり、タゴサクを単なる化け物にするのではなく、どちらも今を生きる地に足のついたキャラクターとして描くこと」をモットーに進められたのだという。

そんな呉の想いを汲み取ったのが永井監督。自分が撮るべき理由が見つからない場合には、どんな企画を持ち込んでも決して首を縦に振らないという強いこだわりを持っているが、本作に関しては、なんと「やります」と即答!

原作は情報量が多く、超人的なスピードで展開していくが、永井監督は「原作を読んだ時の体感を、映画でも表現したい」と感じ、「映画館を出た時にものすごいものを観たという充実感と、ある種の疲弊感を覚えるような作品を目指そう」と覚悟。“爆弾”は、監督の心にも火をつけていた。

感情を揺さぶるような熱いストーリーテリングと、シャープな映像表現を両立させる永井監督。取調室という閉ざされた空間が主な舞台となり、そこから登場人物たちの胸の内が溢れ出していくドラマの魅力を余すところなく撮り上げることを得意とするが、本作ではまさにその手腕がいかんなく発揮されている。

本作において、とびきり異彩を放つ二人の登場人物である「類家」と「タゴサク」。予告映像の中でも、狭い取調室の中で謎解きゲームを繰り出すタゴサクと、それをゲーム感覚で挑む類家。原作同様、常人離れした頭脳と高度な心理戦を繰り広げる姿が伺え、両者の底知れなさがひしひしと伝わってくるが、その姿は、日常生活と地続きの世界に暮らすどこか親近感を覚える風貌となっている。こうした取調室での対面シーンは、呉の想いを永井監督が汲み取った上でこだわり抜いて映像化したことがわかるシーンの一つだ。原作と映画、それぞれの情熱がぶつかり合い、奇跡的な面白さを実現した。

なお、SCREEN ONLINEでは呉勝浩氏にインタビューを敢行。さらなる深い想いを後日、アップの予定である。

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映画『爆弾』
10月31日全国ロードショー! 
出演:山田裕貴 伊藤沙莉 染谷将太 坂東龍汰 寛一郎 片岡千之助 中田青渚 加藤雅也 正名僕蔵 夏川結衣 渡部篤郎 佐藤二朗 
原作:呉勝浩「爆弾」(講談社文庫) 
監督:永井聡 
脚本:八津弘幸 山浦雅大 
主題歌:宮本浩次「I AM HERO」(UNIVERSAL SIGMA) 
配給:ワーナー・ブラザース映画  
©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

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