


人生を変えてくれたのは1羽のペンギンだった。1970年代当時のアルゼンチンの悲惨な歴史背景下、分断された国家やその授業環境に教育への情熱を失いかけていた教師と重油にまみれた瀕死のペンギンとの偶然の出会い。その奇妙な同居生活と周囲の⼈々の暮らしを笑いたっぷりに描き、愛しくて思わず笑顔になってしまう本作は、世界中の映画祭で喝采を浴び、アメリカ、ヨーロッパでスマッシュヒットを記録。愛らしい一羽のペンギンに、世界中の人々が癒され、あたたかい感動が広がっている。
ユーモアと優しさ、そして再生への静かな希望があふれている本作は、実在の教師トム・ミッシェルが、自らの体験を綴った回顧録に基づいて描かれた。原作「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」(ハーパーコリンズ・ジャパン刊)は、世界22カ国で刊行されベストセラーとなっている。
監督は笑いと涙で大ヒットを記録した『フル・モンティ』のピーター・カッタネオ。主役を務めたのは、『ロスト・キング 500年越しの運命』などに出演する名優スティーヴ・クーガン。『あなたを抱きしめる日まで』でクーガンと共に脚本を担当したジェフ・ポープが本作の脚本も担当。クーガンと一緒に、人生を諦めかけていた英語教師トムの繊細なキャラクターを丁寧に作り上げた。さらに、『2人のローマ教皇』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジョナサン・プライスが校長役を好演。
本作の主役は名優スティーヴ・クーガンが繊細に演じ上げたが、もう一人の主人公、ペンギンのフアン・サルバドールは主に2羽のマゼランペンギンが担当している(本物のペンギンでは負担になるシーンは人形などで代用)。撮影ではペンギン優先ですべてを受け入れることにしたというスタッフとキャスト。
監督のピーター・カッタネオは「はじめは戸惑いながらも、ペンギンとの強い絆が生まれ、とても和やかな雰囲気で撮影がすすみ、脚本にはない魔法の瞬間が訪れた」と語る。さらに「フアン・サルバドールは、私たちの愛するペットと同じく、その魅力の一部は“欠点”にあります。頑固で、少し汚れていて、魚の匂いがする——。彼をスクリーンに収めるためには、型にはまらない自然なアプローチが必要でした。キャストとスタッフに忍耐と柔軟さを求め、ペンギンの予測不能な行動を受け入れることで、脚本にはない魔法の瞬間が訪れました。」と振り返り、「その小さな“アドリブ”は、現場の全員に喜びをもたらし、映画の中でも特に私のお気に入りのシーンを生み出してくれました。」と2匹のペンギンたちへの感謝を口にする。人生を諦めた教師とペンギン――ふたりが親友になるまでを綴った感動ストーリーに癒される一本だ。
『ペンギン・レッスン』
12月5日(金)より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:ロングライド
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