“ダークで大人向けの寓話”ד西部劇的ロードムービー”
4 者インタビューで解き明かす『ロストランズ』の魅力の数々
原作は「ゲーム・オブ・スローンズ」で現代随一のファンタジー作家と絶賛された巨匠・ジョージ・R・R・マーティンの短編小説。その初期傑作小説に惚れ込んだ二人がプロデューサーも兼ね、7 年の歳月をかけて新次元の映像として完成させた。
文明崩壊後の世界を舞台に、魔女アリスが、愛と権力に飢えた王妃の願いを叶えるため、案内人ボイスと共に、魔物が支配する“ロストランズ”へ力を求める旅に出る。
ミラが演じるのは、報酬さえ払えば、どんな願いも叶える魔女グレイ・アリス。好きな“アクション・ヒロイン”ランキングの常連、彼女の代名詞ともいえるキャラクター、『バイオハザード』の主人公アリスと同じ名を持つ役柄で、鎌を振り、銃撃戦を潜り抜け、さらに魔力も操り、惜しみないアクションを披露。今年の12月17日には50歳を迎えるミラが、40 代ラストイヤーをキレキレのアクションで飾る。

案内人としてアリスに雇われ、共に旅をすることになる謎のハンター、ボイスを演じるのは、WWE で 6 度のヘビー級王者に輝いた元プロレスラー、デイヴ・バウティスタ。鋼の肉体を生かし、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役で世界中を魅了した彼が、物語のカギを握る重要な役どころを演じる。さらに、処刑人アッシュ役に『ドラゴン・タトゥーの女』のアーリー・ジョヴァー、教会の総司教役に『バイオハザード:ザ・ファイナル』のフレイザー・ジェームズ、王妃メランジュ役にイギリスの舞台と映画で人気急上昇中のアマラ・オケレケと、実力派俳優陣が共演。
これまでに観たことがない映像体験を目指し、撮影には最新のデジタル技術を導入。それにより構築された狂気の世界、圧倒的スケールで描かれる映像が、観る者を絶望の“ロストランズ”へと引きずり込む——
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youtu.be『バイオハザード』シリーズや、『モンスターハンター』で世界を席巻したミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督に、デイヴ・バウティスタ、原作者のジョージ・R・R・マーティンが加わった、4 者インタビュー映像が到着した。この 4 者の強力タッグによる最新作『ロストランズ 闇を狩る者』の創作の核心が、当事者の言葉で多面的に語られる。
ジョージが書いたこの物語を監督は、「ダークで大人向けのおとぎ話がユニークで面白かった」と感じたという。「願い事には気をつけろ」という強いテーマから「これまでにない新鮮な作品になると思った」と語る。ここを起点に監督は、観客をスクリーンに釘付けにする、映画ならではの壮大なスケールで再構築していった。

ミラは「ジョージが描く物語を広げることにより、まったく新しい、そして本当に興味深いものを作り出すチャンスを得た」と胸を張り、主演俳優としてだけでなくプロデューサーとして制作初期から関与し、原作の核を守りながら映画的な創造をしていった日々を振り返った。
ジョージも「映画製作に関わるアーティストとして、似たような作品は避けたい。観客としても、似た映画は観たくない」と語り、自身の短編小説を出発点に、キャラクターを深掘りし、ストーリーも新たな展開を追加していく監督とミラのアイディアを歓迎した。「物語を豊かにする必要があった」と、脚本作りに 3 年、制作に 7 年の歳月を費やした今回の映画化は容易な道のりではなかったであろう二人の功績を労った。ミラも「原作の魅力である“シンプルで力強い核”を失わないようにすることが一番の課題だった」と振り返り、その作業は一筋縄ではいかなかったことを窺わせる。

ミラが演じる、報酬さえ払えばどんな願いも受け入れる不死身の魔女、グレイ・アリスに勝るとも劣らない強烈なキャラクターは、デイヴが演じる、アリスに雇われ共に旅をすることになる案内人、ボイスだ。デイヴは原作を読んだ瞬間に「ボイスというキャラクターに惹かれ、西部劇のような空気を感じた」と直観。以前から「西部劇に出たい」と監督に話していたというデイヴ。「ボイスにはまさに“ガンマン”のような魅力があった」と目を輝かせる。
監督もこれに呼応し、「ジョージの原作からも、それをすごく感じました。信頼し合っていないアリスとボイスが、各々の目的を果たすために共に旅に出て、それぞれが自分の思惑を持ちながらも、旅の中でやがてお互いを理解していく——その設定から、この物語は大人向けのダークファンタジーでありながら、“西部劇的な物語”にもなっている」と、本作を映像化する上での大きなポイントを説いた。さらに監督は「私はずっとミラがファンタジーのキャラクターを演じたいと思っていることを知っていたので、この作品にはすごく惹かれました」と、映画化したもう一つの大きな理由を語ると、ミラも「私はジョージの大ファンなんです。作品は全部読んでいます」と本人に告白。すると、すかさず監督が「もう究極のファンなんです。ジョージ!(笑)」と続けると、ジョージも満面の笑みに。映画製作者と原作者の信頼関係がより深まった瞬間となった。

最後に、本作の完成版を初めてジョージに観せた日を回想した監督は、「今までで一番緊張した」と苦笑しつつ、上映後にジョージが「気に入ったよ!」と言ってくれた瞬間が「人生で一番うれしい映画館での時間になった」と明かした。それは、原作が持つ魅力に、映画が最高の形で応答できた証である。“ダーク寓話×西部劇”という異種的なものに感じる要素が完璧に融合できたのは、4 人がそれぞれの立場で“同じゴール”を見ることができたからに違いない。観客は 100 分の間に、〈絶望の地=ロストランズ〉へと導かれ、“願いの代償”という本作のテーマに引き寄せられていく。
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