アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行い、<死の天使>と呼ばれたナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレは、終戦後、イスラエル諜報機関モサドの追跡を逃れ南米での潜伏生活を続けていた。その知られざる日々と心の深淵を描き、本年度のカンヌ映画祭で絶賛された映画『The Disappearance of Josef Mengele(英題)』の邦題が『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』に決定し、2月27日(金)に公開となる。あわせて、ポスタービジュアルが解禁となった。

<死の天使>と呼ばれた男の半生を追う―世界的ベストセラー小説を映画化

第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所には、“死の天使”と呼ばれた医師がいた。彼の名はヨーゼフ・メンゲレ(アウグスト・ディール)。かっちりと制服を着こみ、常に微笑みを絶やさない彼は、傍目には物腰の柔らかな人物に見えた。しかし、一方で、この男は後年<ナチスが生み出した最大の悪>と形容される、恐るべき所業を行っていた。人類学者でもあったメンゲレは優生学に取り憑かれ、子供――特に双子たちに想像を絶する実験を重ね、ユダヤ人やナチスによって「非社会的」分子とみなされた人々を選別し、不要とみなした人間を次々にガス室へ送り込んだ。終戦後、メンゲレはヨーロッパと南米を結ぶ極秘ルート、通称“ラットライン”を使って逃亡。アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルと国を渡り歩き、複数の偽名を使いながら30年間にわたり己の罪から逃れ続けた。

本作はメンゲレの潜伏生活に焦点をあて、息子との対話、モサドによる追跡を交錯させながら、アウシュヴィッツ収容所での〈過去〉はカラーで、〈現在〉はモノクロ映像で、ナチズムに支配された男の狂気を冷徹に浮かび上がらせる。

フランスで最も権威ある文学賞の一つであるルノードー賞を受賞したオリヴィエ・ゲーズの世界的ベストセラー小説「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」(東京創元社・創元ライブラリ刊)を、『LETO -レト-』『チャイコフスキーの妻』『リモノフ』などの鬼才キリル・セレブレン二コフ監督が完全映像化。人間の<悪の本質>と戦争責任を鋭く問いかける。

解禁されたポスタービジュアルは、逃亡中のヨーゼフ・メンゲレが鏡の前で怪訝な面持ちで佇んでいる瞬間を切り取ったもの。室内は白黒で表現されているが、鏡の中に映り込むメンゲレの姿はかつての栄光を思わせるかのように彩られている。だが、実体である肉体とタイトルロゴは罪の追跡を逃れ続ける彼自身を表すようにぼやけて消えていくのだ。本作でヨーゼフ・メンゲレを演じたアウグスト・ディールの鬼気迫る演技と圧倒的な存在感は評論家や各映画祭で絶賛された。

また、この度、日本公開決定に際して、キリル・セレブレン二コフ監督から特別に日本の観客へメッセージが届いた。何度も日本を訪れ、日本の文化に深い興味を持つ監督は「『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が日本で上映されることは私にとって嬉しく、非常に光栄なことです。本作は謎多きナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレという人物に焦点をあてます。彼は第二次世界大戦中で最も凶悪な戦争犯罪者の一人でありながら、30年もの間、罰から逃れ続けました。逃亡先で名前を変え、他人として生きる――おそらくこれが、ナチスの高官であったメンゲレにとって一番の屈辱だったでしょう。本作は、戦争によって魂を破壊された人間の内面では一体何が起こるのか?を描いているのです」と語っている。

【あらすじ】
第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行った医師ヨーゼフ・メンゲレ。<死の天使>と呼ばれた彼は終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と捕まる中、彼は戦犯を追求するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、歪んだ思想を持ったまま、日常の世界に溶け込んでいく。

『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』 
2月27日(金)シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開 
監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ 
原作:オリヴィエ・ゲーズ 『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 (東京創元社・創元ライブラリ刊) 
出演:アウグスト・ディール、マックス・ブレットシュナイダー、フリーデリケ・べヒト 
2025年/フランス・ドイツ合作/ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語/135分/モノクロ(一部カラー)/5.1ch/原題:Das Verschwinden desJosef Mengele 英題:The Disappearance of Josef Mengele/日本語字幕:吉川美奈子/字幕監修:柳原伸洋/R15+
配給:トランスフォーマー 
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公式HP:https://transformer.co.jp/m/shinotenshi/

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