2026年の干支は午。古来より人と深いつながりを持ち、時に相棒として寄り添ってきた馬。映画の世界でも、名馬たちは数多くの名作を生み、人間ドラマを豊かに彩ってきました。本特集では、文学の古典から戦争映画、家族ドラマ、実話を基にした感動作まで、馬が物語の中心で輝く作品をテーマ別にご紹介します! (文・大森さわこ/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『黒馬物語』(1994)より Photo by Keith Hamshere/Getty Images

何度も映像化され、愛され続ける名作「黒馬物語」

2026年の干支は午。そんな新年を祝って本誌では馬が物語の中心にいる映画を特集し、テーマ別に作品を紹介したい。

昔から馬は人の生活と縁が深い動物と考えられてきた。人の心が分かる生き物で、映画や小説にもたびたび登場。そんな中で「古今で最も愛されている動物小説」と呼ばれるのが1877年に発表された「黒馬物語」(原題「Black Beauty」)。

作者は英国出身のアンナ・シューウェル。発売後はベストセラーとなり、全世界で50以上の言語に訳され、5000万部以上を売り上げている。馬の視点で当時の人間社会の厳しさも風刺的に見つめた構成が斬新で、その後の馬の待遇改善にも影響を与えたといわれている。

繰り返し映像化もされていて、劇場映画やテレビ、配信もの、アニメーションなど9種類以上の作品がある。原作を大幅に脚色したモノクロ映画『黒馬物語』(1946)、マーク・レスター出演で原作に似た構成の英国映画『黒馬物語』(1971)、現代劇に置きかえた配信作品『ブラック・ビューティー』(2020)等があるが、原作に近い映像化といわれるのが、ワーナーが製作の『ブラック・ビューティ/黒馬物語』(1994、キャロライン・トンプソン監督)である。

画像: 『黒馬物語』(1994)より Photo by Keith Hamshere/Getty Images

『黒馬物語』(1994)より Photo by Keith Hamshere/Getty Images

46年版や70年版と異なり、原作通りに馬の語りで物語が進む。馬の声は曲者男優のアラン・カミングが担当。舞台は19世紀末の英国で、主人公は全身が黒の生まれたてのオス馬。

ゴードン家に引き取られ、ブラック・ビューティと呼ばれる。幸せな時間をすごし、厩の少年、ジョーとも親しくなる。しかし、ゴードン家が引っ越した後は意地悪な伯爵一家や扱いがひどい貸し馬屋と過ごし、馬は疲弊する。

辻馬車を生業とする優しいジェリー(デイヴィッド・シューリス)にやっと出会うが、彼が病に倒れるとまた持ち主が変わり、自ら環境を選べない馬の辛さが伝わる(持ち主が次々に変わる構成は後の映画『戦火の馬』をも思わせる)。馬と人間の深い関係について考えさせる内容になっている。

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