『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で国家の分断と内戦をリアルに描き議論を巻き起こした鬼才アレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊の経歴を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎え、彼のイラク戦争での実体験を極限まで再現した『ウォーフェア 戦地最前線』。世界を席巻するA24製作の下、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を越える、圧倒的没入感に挑んだ。 戦争映画の次なる到達点へー『シビル・ウォー』からなぜ本作が生まれたのか?ガーランド監督がその思いを明かした。

戦争映画の次なる到達点へー『シビル・ウォー』から『ウォーフェア』へ

BGMやヒロイズムを排し、細部に至るまで現実に即した軍事行動を描写することで、“戦争をドラマ化しない”という徹底した姿勢を貫いた『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)。全米および日本でNo.1ヒットを記録した本作について、アレックス・ガーランド監督は「『シビル・ウォー』から自然発生的に生まれた作品が『ウォーフェア』だった」と語る。

ガーランドは『シビル・ウォー』制作時を振り返り、「戦闘現場の現実を知る人(レイ・メンドーサ)によって手がけられた“戦闘の振り付け”に強い興味を持ち、それを尊重した結果、あの映像や編集にたどり着いた」と明かす。さらに、「戦場に存在する“非日常”だけを切り出し、そこを拡大して見せたら、どこまで現実的に描けるのかを考えた」とも語り、映画に不可避的に付随する“美化”を意識的に排除し、「現実をできる限り正確に描く」という極めてシンプルで過酷な課題に挑んだという。

画像1: 『シビル・ウォー』からなぜ『ウォーフェア 戦地最前線』が生まれたのか?ガーランド監督のインタビュー到着!
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『シビル・ウォー』の核心部分を研ぎ澄ました

その思考が決定的に次作へと向かったのは、『シビル・ウォー』のポストプロダクション中だった。兵士たちがオーバルオフィス(大統領執務室)へ向かって廊下を進むシーンを編集中、ガーランドは「妙な言い方だけど、強く魅了された」と語る。その直後、軍事アドバイザーを務めたレイ・メンドーサに連絡を取り、本作(『ウォーフェア』)の構想を打ち明けたところ、メンドーサもこれまで個人的な理由で共有してこなかった<これまで語ることができなかった出来事>を語り始めたという。二人は以前から漠然とアイデアを温めていたものの、『シビル・ウォー』の核心をさらに研ぎ澄ました『ウォーフェア』について「映画そのものは、その会話から誕生した」と口を揃える。

ガーランドは、長年映画の中で描かれてきた兵士や帰還兵の扱われ方にも疑問を抱いてきた。「25年間この仕事をしてきて、現実世界の暴力と、映画で描かれる暴力の違いについてずっと考えてきた」。『ジャッジ・ドレッド』(1995/近未来を舞台にしたS Fアクション)が“映画的暴力”の探求だったとすれば、『シビル・ウォー』は“現実の再現”だった。そしてメンドーサもまた、同じ問題意識を抱えていた。「レイの過去と関心、そして僕の過去と関心が重なり合った結果として、『ウォーフェア』にたどり着いた」と振り返る。

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ひとつの記憶ではなく、複数の“真実”

脚本執筆は、極めて異例かつ慎重なプロセスで進められた。最初はZoomや電話での対話を重ね、約2年前に直接会ってからは、メンドーサに1週間かけて記憶のすべてを語ってもらったという。ガーランドはそれを書き留めながらも、「何よりも大切にしたのは、“人の話を聞く”ことだった」と語る。言葉の正確さだけでなく、その背後にある感覚や沈黙まで理解しようと努め、数か月にわたって内容を精査。その後、関係者へのインタビューを重ね、複数の記憶を相互参照しながら脚本を深めていった。

メンドーサも、「トラウマ的な状況では、誰もすべてを覚えてはいない」と語るように、本作は単一の記憶ではなく、複数の主観が重なり合うことで“彼らの真実”に近づこうとする試みでもあった。

本作は『シビル・ウォー』の核心をさらに突き詰め、戦争映画を次なる到達点へと導く作品でも本作。ガーランドは、「あらゆる側面において、やりがいのある映画だった。個人的にも、技術的にも、技巧的にも、すばらしい体験となった」「これまでも多くの人と組んできたが、このような形は初めてだったし、最高だったね」と振り返っている。

本作は、メンドーサ監督が所属していた米軍特殊部隊での実体験を基に、同胞の兵士たちにも徹底した聞き取りを行い、脚本を執筆。彼らの頭の片隅に残る鮮烈なトラウマが、フィクションでは決して描き得ない “戦争そのもの”をスクリーンに出現させる。その圧倒的なリアリティに衝撃を受けた海外メディアからは「映画史上最も緊迫感のある戦闘再現(Wall Street Journal)」「地獄を描くことに躊躇がない(EMPIRE MAGAZINE)」「神経をすり減らす程の衝撃。他の戦争映画とは一線を画す(NPR)」など、大絶賛の声で迎えられた。さらには、The Hollywood reporterが本作を、アカデミー賞作品賞へのノミネートを予想し注目が集まっている。

画像5: 『シビル・ウォー』からなぜ『ウォーフェア 戦地最前線』が生まれたのか?ガーランド監督のインタビュー到着!
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『ウォーフェア 戦地最前線』 
2026年1月16日 (金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開 
脚本・監督:アレックス・ガーランド、レイ・メンドーサ 
キャスト:ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、ジョセフ・クイン、コズモ・ジャーヴィス、チャールズ・メルトン 
2025/アメリカ/95分/英語/カラー/5.1ch/原題『WARFARE』/日本語字幕:佐藤恵子/PG12 
配給:ハピネットファントム・スタジオ 
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