撮影/久保田 司
インタビュー・文/瀧田有子
ドラマの世界と繋がっていて、役とリンクしているなと思いました
──本作は、韓国で大ヒットを記録し社会現象を巻き起こしたドラマの日本版リメイクとなりますが、韓国版の原作を観られていたら、その感想をお聞かせいただけますでしょうか。
長濱「今回の作品が決まってから原作を拝見させていただきました。一人ひとりの人間ドラマやそれぞれの成長など、普段はなかなか知ることができないプロ野球の裏側が描かれていて、とても素敵な作品だなと率直に思いました。だからこそ、これを私にできるんだろうかと、まず不安に思いましたし、オリジナルを知っているからこそ、元々の役との折り合いをどの辺りまで探っていけるのかというのは、最終日までずっと消えなかったです」
──日本版は韓国版とは設定などが異なりますよね。
長濱「そうですね。役柄も違って、蒔田理紗という新しい役ではあるので、その蒔田理紗を自分なりに演じられたかなとは思います」
──葉山さんはいかがですか。
葉山「韓国の作品を観て、スケールが大きいなと思いましたし、3日で全話観てしまうくらい面白かったです。しかも、僕は個人的に野球が大好きなので、“この作品に出られるの!? 最高だ!”って期待も大きくなりました。韓国版では海外での撮影シーンがあって、“日本版でも海外に行けるならラッキー!”と思って台本を読んだら海外でのシーンが全然なくて(笑)。ただ、残念だっていう気持ちはそれだけで、キャストの皆さんもそうですし、瑠東(東一郎)監督やスタッフの皆さんとご一緒出来たとことは自信にもなりました」
──1話からお二人の掛け合いがありますが、一緒にお芝居をされてみていかがでしたか?
長濱「私は(蒔田理紗を慕う部下の三谷原樹役の)葉山さんに対してズカズカ行くキャラクターだったので、中盤まで結構緊張していました……」
葉山「本当ですか?(笑)」
長濱「でも、印象通りのとても柔らかい方で、“どんどん来い!”と大きな器でいてくださったので、チャレンジしながらできましたし、(キャストの皆さんとの)日常のシーンは本当に楽しかったです。“チームのために!”って思う理紗の熱い気持ちにはとても共感したので、その中で葉山さんだったからこそ、私もいけたのかなと思います」
葉山「最初はどういうコンビでいくのかっていうのを探りながら演じていたのですが、瑠東さんから台本に書いていないことを求められることが多かったので、早い段階から長濱さんを笑わせにいくということに徹して(笑)。テストと本番で全然違う動きをしたり、違うことを言ってみたり。その場で思いついたことをやっていたので、長濱さんはきっとそれを処理するのが大変だったろうなって思っています(笑)。ただ、本部長(理紗)との関係性で、僕が少しでも嫌だというリアクションをしてしまうと、きっと本部長が悪者に見えてしまうので、そうはさせないように、ちゃんとこの二人の中の世界観で成立しているんだよっていうことを見せられるように徹していました。キャストの皆さんも、とにかく個性が強いメンバーが集まっていたのでやりたい放題ではありましたが、本編を観たらぎゅっとまとまっていたので、良かったなって思います」
──やりたい放題ということは、アドリブが飛び交うようなイメージなのですが、実際、「ドリームズ」(舞台となるプロ野球チーム)のフロント陣が集まる現場はどのような雰囲気でしたか?
葉山「賑やかというか、ちょっとうるさかったぐらいでした。(梶原)善さんなんて、“本番、用意!”の“よう”ぐらいまで喋っているので(笑)」
長濱「(カメラが回ると)パンって切り替えるんですが、私は善さんとの世界に取り残されたまま本番に行くことも……(笑)」
葉山「そこに(野村)萬斎さんがいらっしゃると、また空気が変わるといいますか(笑)」
長濱「すごかったです。洗礼を受けました。でも、GM役の亀梨(和也)さんがいらっしゃると、ちょっとピリッと締まるんです。それはドラマの世界と繋がっていて、役とリンクしているなと思いました」

──それぞれの役について、演じる時に意識されていたことはありましたか?
長濱「理紗は編成本部長として、強い責任感と情熱をもってチームに向き合うのですが、一本筋が通っている役にしたかったので、それは意識しましたし、みんなに対して熱すぎるところはありますが、行動ひとつひとつの理由や、理紗が守りたいものは何なのかというのは見失わないように心がけていました」
葉山「新しく来たGM(ゼネラルマネージャー)が弱小だったチームを変えようとしてくれる。そのGMへの信頼感という部分で、最初と最後のメリハリというものを僕はすごく大事にしていました。最初はすごく苦手な人だけど、こういう考え方もあるんだ、今の「ドリームズ」に一番必要な人が来たっていう起爆剤になっていて、そこを亀梨さんがきっちりと緊張感も含めて与えてくれたので。だから役作りというより、そこに乗っかれば自分たちは成立するだろうなと思っていました。あとは、長濱さんをどう笑わせられるか(笑)。永野(宗典)さんたち職員のメンバーで、台本からはみ出すことを考えていました。それをまとめる長濱さんは、すごく大変だったろうなと思います」
“似ている二人”(笑)
──「ストーブリーグ」はプロ野球のオフシーズンを指す言葉ですが、お二人のオフシーズン、つまり休日の理想の過ごし方を聞かせていただけますか。
葉山「僕は、子どもが生まれてからは、自分のことよりも、子どもと一緒にいる時間を大切にしたいなと思うようになりました。だから、公園に行ったり、自分が行きたいところがあっても絶対に子どもを連れて行ったり。本当に普通のお父さんと変わらない過ごし方をしています。外に食事に行くとか、飲みに行くとか、それまでやっていたことが全くできなくなったから、生活のリズムは変わりましたね。だから、健康的になったと思います」
──幸せな日常を想像してしまいます。
葉山「そうですね。それが僕にとっては癒しというか、ゆっくりできている時間なので」
長濱「私もゆっくりできる時間が理想です。オフなら昼過ぎぐらいまで寝て、2時ぐらいから友人とショッピングかカフェにお出かけして、夕方には解散して……」
──早いですね。
長濱「(笑)家でのんびりしたいので。その後は本を読みながら、夜10時ぐらいには寝たいです。最近、最強のアイマスクを買ったんですよ。遮光されるアイマスク。そのアイマスクをつけてぐっすり寝ると、体調が整うなと思ったので、できるだけ寝たいなと思っています」
──お二人から、ドラマを楽しみにされている方へ、メッセージをお願いします。
長濱「このドラマは、皆さんに共感してもらえるシーンがたくさんある作品だなと思っています。自分の力だけじゃどうにもできないことや、信念を持っていても理不尽な思いをすることってあると思います。熱い気持ちを持って働くということがいかに尊いことなのかというのを、私はこのドラマを通して知れたので、そういったことが広く届くといいなと思います。また、私はプロ野球に詳しいわけではなかったのですが、この作品を通して野球に興味が湧きました。これからプロ野球が開幕する中で、私と同じく興味を持ち始める人も増えるんじゃないかなと、ワクワクしています」
葉山「野球が大好きな僕でも知らなかったことが出てくる作品なので、野球好きな人はもちろん、そうじゃない方にも、球団の職員の方々はこんな感じで仕事をしているんだ、球団ってこういうことだよっていうのを少しでも知ってもらえたらなって思います。結構残酷だったりもするんですけど、職員の人たちはその中で熱い戦いをしている、試合ではないところで働いていたりするので、きっと皆さんに熱い作品を届けられるんじゃないかなと思っています」

──最後になってしまいましたが、お互い共演された印象は?
葉山「長濱さんは、ニュース番組などで観ていたので、知的な印象が強かったんです。だから、僕のことなんか全く相手にしてくれないんじゃないかと勝手に思っていたんですけど、いざ話してみるととてもフランクで、おこがましいんですすけど、僕と似ているなって思うところが結構あって。例えば、スタッフの方たちや共演者の方たちとお芝居の打ち合わせをしている時に、僕も一応その会話には参加するんですけど、考えが浮かばないというのを表に出さないようにしたり(笑)。でも、めちゃくちゃ考えている振りをするのは上手いんです。それを長濱さんに話したら、“私もそうかもしれない”っておっしゃったので、近い部分があってよかったというか、肩の荷が一気に降りました(笑)」
長濱「わかります。同じ顔してましたよね(笑)」
葉山「何も浮かんでいないんだけど、“何かあったら言いますよ”って顔(笑)。いざ、“どう?”って聞かれると、何にもないんだよね(笑)」
──長濱さんはいかがですか。
長濱「葉山さんは、お子さんや、ご家族の話をしてくださることが多くて。心の一番核のところにご家族がいるという、パパの顔を知れたことはとても嬉しかったです。あと、私は共演者の方に自分から話しけるのがあまり得意ではないんですが、葉山さんは不思議と自分から話しかけられたんです。大きな包容力で受け止めてくださるというのが最初から伝わって、葉山さんがいてくださったおかげで、私は理紗としてもいろんなトライができたと思います。葉山さんに対して助かるなと思っていた部分は、今日ちょっと謎が解けたました(笑)」
葉山「大きな文字で書いてください」
長濱「“似ている二人”って(笑)」

PROFILE

長濱ねる NERU NAGAHAMA
1998年9月4日生まれ、長崎県出身
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葉山奨之 SHONO HAYAMA
1995年12月19日生まれ、大阪府出身
作品紹介

「ストーブリーグ」
万年最下位に沈むプロ野球チーム「ドリームズ」。
チーム内の派閥争い、守備のミスを連発する選手たち――その内部は、崩壊寸前の状態だった。
そんなドリームズの再建を託されたのが、野球未経験のゼネラルマネージャー・桜崎凖(亀梨和也)。彼は競技経験こそないものの、これまで複数のスポーツチームを優勝へ導いてきた、“優勝請負人”として知られる人物だ。桜崎は問題の根本に切り込むべく、選手やフロント陣と衝突しながらも、常識にとらわれない改革を次々と打ち出していく。そして、彼が最初に下した決断は――球団の象徴とも言えるスター選手のトレードだった。
勝利とは何か。チームとは何か。選手だけでなく、球団スタッフをも巻き込みながら、その問いに向き合っていく──。
出演:亀梨和也
長濱ねる 葉山奨之 梶原 善 木村柾哉(INI)
板尾創路 勝地 涼 甲本雅裕 剛力彩芽 / 吉田鋼太郎 / 野村萬斎 ほか
監督:瑠東東一郎 松下敏也 塚田芽来
脚本:吉髙寿男 中村允俊
音楽:宮崎誠
主題歌:「Diamond」亀梨和也 作詞・作曲・編曲:友成空
配信:Lemino・WOWOWオンデマンドにて3月28日(土)13時に全8話一挙配信
放送:WOWOWプライムにて3月28日(土)13時に1話から連続放送
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